いらっしゃいませ。本日はごゆっくりお寛ぎくださいませ
//SE 砂利道を歩く足音
//SE 旅館の古びた戸をガラガラと開く
//ダミーヘッド位置・9(正面・遠い)
【花鳥】
「お待ちしておりました。本日は旅館・桐の湯にお越し頂きありがとうございます」
【花鳥】
「こちらにお上がり下さいませ。少々お待ち下さいね。すぐに冷たいお水をお持ちしますから」
//SE 足音
//ダミーヘッド位置・10(右前・遠い)
【花鳥】
「今日はとても暑かったでしょう?
ここは標高も高いから、下の盆地よりはある程度涼しいのですけれど」
//SE 水を注ぐ音
//SE 足音
//SE 台に水の入ったグラスを置く
//ダミーヘッド位置・1(正面・近い)
【花鳥】
「それで……大変申し訳ないのですが」
【花鳥】
「今、この旅館には私しかいないんです」
【花鳥】
「殆どお客さんが来ない時期で、従業員はお休みで。
本当なら私のお母さん……女将が居るはずだったのですが」
【花鳥】
「腰をやってしまって……」
【花鳥】
「でもお客様もお一人しか居りませんので、問題はありません」
【花鳥】
「私が付きっきりでお相手させていただきますので、
何かご要望などありましたらお申し付けくださいませ」
【花鳥】
「それでは、お荷物をお持ちしますね」
//SE 足音2つ分
*(左 近)
【花鳥】
「お客様のお部屋は、廊下突き当りの鶴の間となります」
【花鳥】
「この時期ですとお庭の花菖蒲はもう終わっちゃいましたけど、
桔梗がキレイに咲いていますよ」
【花鳥】
「温泉の方は朝の5時から深夜2時まで。
男性用と女性用がございますが……お客様しかいらっしゃらないので、
のれんとっちゃいましょうか。
お好きな方に入って頂ければ結構ですから」
【花鳥】
「マッサージ師もいつもはいるんですけど、今日は……。
あ、私で良ければお相手させていただきますので、
いつでもお申し付け下さい」
【花鳥】
「こちらがお客様のお部屋になります」
//SE ふすまを開く
*(正面 近)
【花鳥】
「改めまして、本日はお越しいただいてありがとうございます。
ゆっくりとお過ごしになって、身も心もリフレッシュしてくださいね」