チャプター1「朝 ~導入~」
・チャプター1「導入」
よくぞ参った、聖霊に選ばれし御子どの。
余は、この聖王国のまつりごとを司る女王である。
今宵、朔の夜から、月が満ちるまでの間、余とそなたとで、聖霊の御名のもとに、こたびの「子作りの儀」を執り行
う。
ああ、そうだ。
そなたには、これから、余とまぐわい、子をなしていただく。
そなたを通じて、聖霊の祝福を我が身に宿し、次代の王を育むために。
…さあ、こちらへ。
まずはこの奥の泉にて、お互いの身を清めるのだ。
…なに、ためらうことはない。
聖霊の御前では、余とてただのヒト。
このひとときの間は、そなたも余を、ただの女と思って抱いてくれ。
…では、参ろうか。
余も、そなたも、それぞれの役目を果たそうではないか。