Scene1
<Scene1>
お父さん、お母さん。 お久しぶりです、歌凛です。
今日は突然ですが、お別れの言葉を言うために、このビデオを撮ってます。
私、宮下歌凛は、今日限りで"女"を辞めます。 だから、あなたたちの娘とは、今日でさようなら……です。 私は……男になります。
どうして、って思うよね。 全部、彼の為なの。
私の彼氏がカメラマンだっていうのは、前に言ったよね。 その彼が、どうしても男になった私を撮りたいって言うの。 彼……裏ではゲイポルノの監督兼カメラマンでもあったの…… 彼、私を自分の作品にしたいんだって言ってくれたんだ。 きっと最高傑作になるって。
そりゃ、最初はショックだったよ。 でも、私は……彼の撮る最高傑作を見てみたいんだ。 そして、私自身がそれになるんだって思うと、もうどうしようもなくて……
だから、私は女を捨てて男になります。
そういうことだから、今までありがとう。 そして、ごめんなさい。
……さようなら。