タイトルコールとこの音源の楽しみ方
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;Track0 (ドラマパート)
;「タイトルコールとこの音源の楽しみ方」
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;秋。病室内。
;環境音 パルス(心拍)メーターの音 フェードイン
;環境音 病室内の壁掛け時計 F.I.
;7/左
「(呼吸音)」
;SE 身じろぎによる毛布衣擦れ
;7/左
;嬉しさで声大きくなっちゃう
「あ!」
;病室内なので抑える
「――。気がつきましたか? 大丈夫ですか?
めまいや、吐き気とかはないですか?」
「(呼吸音)」
「……大丈夫ならよかったです。
先生の検査でも、異常なし。
ただの過労だろうってことでしたけど――
それでもやっぱり心配で」
;SE スイッチ 環境音のうちパルスメーターストップ
「あ、動いても平気です。
っていうか、大丈夫そうなら少しだけ動いてみてください。
横になったまま、お顔、ゆっくりこっちに向けられますか?」
;3/右→;1/前
「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり」
;1/前
「どうです? 痛みとかないですか?
(息を詰めて見守る)――(安堵の息)なら、よかったです」
「一応、ね? 念の為、なんですけど――
わたしが誰だか、わかりますよね?」
「(呼吸音)――! うふふっ!
そうですよー、大正解!
あなたの可愛い幼馴染の有島ありす!
有島さんちのありすちゃんです!!」
「って、もうありすちゃん、って年でもないですけどね~いいかげん。
同年代、名字変わってるひともどんどん増えてきてますし、あはは」
;独り言
「だけど……きっとあなたの前では――
いくつになっても。おばあちゃんになっても。
有島さんちのありすちゃんに戻っちゃうんですよ、わたし」
;我に返って
「で! 『ありすちゃん家のお父さん』――有島診療所の尚武(なおたけ)先生からあなたに。伝言、ひとつ預かってます」
「『単なる過労の可能性が高く思われる。今の段階では故障や病気につながっていないようだが、いつその引き金となってもおかしくない。ので、少なくとも丸一日は完全に安静にして、回復に専念したまえ』って」
「パパがそこまで断言してるんですから、休まなきゃだめです。――え? はい……(呼吸音)――
うふふっ、そこも大丈夫ですよ?」
「普通の会社とかでいったら、社長さん――会長さんにあたるのかな? あなたのお仕事の一番いちばんえらぁい人……っていうか、カミ様?」
「『星辰(せいしん)ひめみや』様、で、いいんでしたっけ?
あのちっちゃくて可愛い女の子に、わたし、お話してきましたから」
「? そんなにびっくりするようなことですか?
(呼吸音)――あー。そりゃ普通の患者さん相手にはそこまでしませんね、確かに。
けど、あなたですから」
「普通の患者さんじゃない、大事な大事な幼馴染で、お隣さんですからねー。そこまでくらいは、もちろんしますよ。当たり前です」」
「それにあの子――
すっごくかわいくて人懐っこくて……初めてあったみたいな気がしなくって」
「向こうも、なんだか親近感覚えてくれたみたいで。
『ご開祖でいいっス。有島ありすちゃんには自分のこと、ご開祖ちゃんって呼んでほしいっス』なぁんていってくれて」
「『ご開祖ちゃんって』だから、呼んだら……
不思議なんですけど……ずっと前から知り合いだった――ううん、友達だったみたいな気持ちになっちゃって」
「なぁんて、あははっ!
カミ様相手に、とっても恐れ多いんですけど」
「でも、ご開祖ちゃん。
本当に優しくて。わたしの話、すごく真剣に聞いてくれて――」
「『それなら休ませてあげなきゃっスね。
自分、彼があんまり頑丈でがんばりだから、
ついつい甘えちゃってたっス』って、言ってくれて」
「それでね? うふふっ、おかしいんですよ?
ちゃんとお話したのははじめてなのに、ご開祖ちゃん、独り言みたいに」
「『有島ありすちゃんには、大事なことを気づかせてもらってばっかりっスね』――って」
「いったらすぐに、頭をぶんぶん大きく振って、
『なんでもないっス、勘違いっス』って――
カミ様もするんですね? 勘違いとか」
「あ。それで!
ご開祖ちゃんにひとつだけ、お願いされてたことがあったんですよ。
『あなたに伝えといてほしいっス』って。
ええと――」
;SE メモを取り出す→ペラ音
「『一日たっぷり、有島診療所で有島ありすちゃんに癒やしてもらってほしいッス。その際、癒やしの効果を高めるために、かーなーらーず! イヤホンかヘッドホンをつけるッスよ?』って」
「だから――はい。イヤホンかヘッドホン、ね? 右左ちゃあんと確かめてつけてください。わたし、つけるの待ってますから」
「(呼吸音)」
「……いいですか? それじゃあ、ちょっと試しますね?横になったままで、右のお耳、天井に向けてください」
;3/右 接近囁き
「(ふ~~~っ)みぎみみ~」
;3/右
「そしたら、はい。頭、反対に向けてください。
補助しますから。いきますよ~?」
;3/右→;1/前→;7/左
「せーの、ごろーーーーーーん。それでもって」
;7/左 接近囁き
「ひだりみみー。んふふっ、(ふっ!)」
;7/左
「どうやらバッチリみたいですね。
そうしたら今日は、おうちでゆっくり――あ~……」
「まぁ、娘さんや妹さん――えみちゃんや夏葉ちゃんのお世話にもあるでしょうし……
そうそうゆっくりは休めないかもしれませんけど、それでも休んで。そうして、ね?」
;7/左 接近囁き
「明日は朝から、わたしのところに。
有島診療所に、来てくださいね?」
;7/左
「うふふっ、お待ちしてまーす。
って、あ!そうだった、いやし効果をさらに高めるためのおまじない、ご開祖ちゃんから教わってたんでした」
「ええと――<ペラ音>あ、これだ。
あの、わたしの方にお顔、向き直ってもらえますか?」
;1/前
「ありがとうございます。じゃ読みますね~ (すうっ)」
「『あやかし郷愁譚 ~幼馴染・ありす』!」
;1/前 (家まで、からさらに距離近く)
「じゃ、また明日! って、あはは。
家までもちろん、わたしが車で送ってあげるんですけどね」
「なんていってもわたしたち、おさななじみで、お隣同士なんですから!」
;環境音 F.O.