1.はじめに、催眠について
「音声催眠Inner Heaven ~ アンドロギュノスの夢」1部
声:小笠原 麦 作:もちだ弁慶
【はじめに、催眠について】
はじめまして。ヒプノナビゲーター、摩耶(まや)です。
あなたは催眠術について、どのような印象をもっていますか?
疑心暗鬼(ぎしんあんき)、よく分からない。
もうすっかり夢中になっている、すごく気持ちいい。
可愛い女の子に心を支配され、操られてしまうことに…性的な興奮を感じる。
いずれにしても、今この音声を聞いているあなたは…。当然「催眠そのもの」に興味があり、できれば私に「催眠を掛けられたい」と…考えているはずです。
私はあなたに「催眠を掛けてあげたい」…。
そう、私は催眠術師…そしてあなたはそれを受ける、被験者(ひけんしゃ)の立場。ここで始めからお互いに、そう認識しておきましょう。
たったそれだけのことで、あなたの「被暗示性(ひあんじせい)」が…高められてゆくからです。
あなたは私に「催眠を掛けられたくて」…仕方ありません。
私があなたに「催眠を掛けてあげたくて」…たまらないように。
さぁ、次に私の言う言葉を…あなたは声に出しても、心の中で思うだけでも構いません。三回唱(とな)えてみてください。
「私は今から…催眠に入(はい)る」
《復唱中》
そうです…。
あなたがこの音声を聞くことは、すでに「運命づけられているかのような」…そんな気がします。
これからしばらくの間(あいだ)、よろしくお願いしますね?
【これから行く世界】
では、今からあなたが行く世界について、簡単にお話をします。
催眠術「ヒプノティズム」とは、その言葉に含まれる「ヒプノ」という「眠り」の意味から、1843年、イギリス人医師ジェームス・ブレイドによって、著書「神経睡眠学」の中で使われ、名づけられた造語(ぞうご)です。
しかし一方で、私たちの認識する睡眠(すいみん)と催眠(さいみん)との関係は、大きく異なるものであることに…間違いありません。
もしもあなたが眠ってしまったら、直接その耳で私の言葉を聞き、イメージ誘導(ゆうどう)を組み立てることは、困難になります。
共通している部分があるとすれば、それはむしろ、無意識の働きです。
催眠状態(さいみんじょうたい)になると、あなたは「意識のあるまま」に眠り…容易(ようい)に「夢」を見ることが、可能になるのです。
「夢」はいつも、あなたの無意識の願望を満たそうとしています。
私の語る言葉は、あなたの無意識の願望を、満たすためにあるのです。
これから私が行おうとする催眠は、いわばあなたにとって…甘い「夢のようなもの」です。
素材はあなたの無意識に眠る「記憶の欠片(かけら)」…。
「不思議なこと」、「綺麗なこと」、「気持ちのいいこと」、「官能的(かんのうてき)なこと」…など。
紡(つむ)ぎ合わせのパターンは数え切れないほど、無数にあります。
その中から今回は、「一つになること」をテーマにした…「アンドロギュノスの催眠」を用意しました。
あなたの「心の内側にある楽園」…「インナーヘヴン」を、探しに行きましょう。
《一呼吸置く》
では、安全に横になることの出来るスペースと、あなたの心の準備ができたら、次の音声へと進んでください。
2部へつづく