4.始まりの場所へ…
「音声催眠Inner Heaven ~ アンドロギュノスの夢」4部
声:小笠原 麦 作:もちだ弁慶
【始まりの場所へ… 半覚醒からの深化とトランス誘導】
ここで上半身・下半身とも、衣服(いふく)をすべて脱いで置きましょう…。
そうです、全裸の状態です。
私の合図があるまで、しばらく目を開(あ)けたままで聞いてください。
あなたはもう一度、その身も心も…「私と一つになってみたい」とは、思いませんか?
あのときに感じた幸福な気持ちは、何ものにも代えがたいものです。
それ以上に…私たちがこうして別々の存在でいることは、とてもバランスを欠(か)いていて、互いに「不完全な状態」であるということに…気づいてもらいたいのです。
けれど再びあなたと私が、一つに溶(と)け合おうと試(こころ)みれば…。またあの巨大な「神の雷(いかずち)」を浴びて、この身を引き裂かれてしまうに…違いありません。
できればこの肉体を保(たも)ったまま、「一つになる」ことを考えましょう。
そんなことが可能でしょうか?
《一呼吸置く》
大丈夫です…。二人は一つに重なることができます。
あなたは私の中にズブズブと埋(う)まるように、入ってゆくことでしょう…。
私の言葉は、あなたの頭の中に入ってゆく…。綿密(めんみつ)にそして精巧(せいこう)に組み上げられた、摩天楼(まてんろう)のように…あなたの頭の中で、「高く高く」そびえ建(た)つ。
ここであなたが、静かに目を閉じると…。
《パチンと指を鳴らす》
地上を離(はな)れた、はるかに上空(じょうくう)…「超(ちょう)高層ビル」の、最上階から…。
あなたの「心のエレベーター」に乗って、「深く深く」無意識の世界まで…。
すぅぅ~と「降りてゆく」
100階、90階、80階…。
あなたは降りれば降りるほど、心が楽になり、体(からだ)も楽になります。
気持ちのいい催眠の世界へと、近づいてゆきます。
70階、60階、50階…。
だんだん降りてゆくたびに、あなたを乗せたエレベーターの壁(かべ)が…。
すぅぅ~っと上下左右(じょうげさゆう)に、そして前後にも…。
「小さく」なっていくのが分かります。
40階、30階、20階…。
それと同じように…あなた自身の体(からだ)も、どんどん「小さく」なっていく。
そこからさらに降りると…あなたはますます「小さく」なります。
これから行く世界は、まるで「おとぎ話」のように…。
とても不思議な、夢のような世界…。
15階、10階、5階…。
ここからあと4つ階を降りると、あなたは1階と地下1階の「はざ間(ま)」にある、「ゼロの階」で…。催眠状態となり、眠ってしまいます。
4(よん)、3、2(にぃ)、1…ゼロ。
《しばらく無音》
あなたは「おとぎの世界の中」で、ゆっくりと目を覚まします…。
私の胸のふくらみに、頬(ほお)を埋(うず)め…いつのまにかそこで、眠ってしまったのです。
大きな私の体(からだ)を前にすると…あなたはまるで、一寸法師(いっすんぼうし)のよう…。
小さく可愛らしい手や足を広げて、柔らかな私の乳房(ちぶさ)にギュッと、しがみつくと…。
その頂(いただき)にツンと立ち上がる乳頭(にゅうとう)をめざして、必死の思いで…よじ登ります。
そしてあなたは、ようやくたどり着いた目的の場所で、私の乳首(ちくび)に勢いよく…夢中になって、むしゃぶりつくのです。
《一呼吸置く》
それはあなたの本能です。
さぁもう一度(いちど)、私と一つになりましょう。
あなたは私の「手の平の上」に、スッと乗せられて…下半身の入り口まで、運ばれてゆきます。
「始まりの場所」へ…。
あなたが見上げるほどの大きな割れ目に、ためらうことなく…。
「入りなさい」
《パチンと指を鳴らす》
グニュグニュ、グニュグニュ、グニュリグニュリ…。
グニュグニュ、グニュグニュ、グニュリグニュリ…。
顔、首、肩、腕、胸、お腹(なか)、腰、太もも、足、つま先…。
全身が「ヌルリ」と呑(の)み込まれて、あなたは桃色の「ぬかるみ」に…包(つつ)まれてゆく。
柔らかな肉の壁(かべ)に、揉(も)まれながらも…あなたは私の膣(ちつ)の中で、呼吸をすることができます。
私の「息づかい」とともに…。
【呑み込まれ一体となるイメージ誘導】
はぁ……はぁ………はぁ………はぁ…。
《呼吸と息づかい》
静かな期待と興奮に、身を委(ゆだ)ねて…。
あなたは私の「膣肉(ちつにく)のうねり」に、どんどん埋(うず)められ、巻かれてゆきます…。
溢(あふ)れ出る愛液に体中(からだじゅう)を濡らされながら…あなたは肉圧(にくあつ)に巻かれれば巻かれるほど…とても気持ちいい。
その生温(なまあたた)かで、「ヌルヌル」とした感触(かんしょく)は…まるで巨大なウツボの体内に、呑(の)み込まれているような…。
不思議な感覚(かんかく)。
けれど何故か安らぎを覚える…狂気な官能(かんのう)。
今、あなたの下半身から、愛欲(あいよく)を呼び覚ます生命の力(ちから)が…グングンと伝わる。
あなたの男性としての本能が、私の膣(ちつ)の中で…狂おしく逞(たくま)しく、勃起していることに気づきます。
ほら、ビィーンとまっすぐに熱く…突き上げてゆく衝動(しょうどう)が、止まらなくなる。
あなたは何もかも忘れて、私を感じる。
私と一つになることだけに、夢中になる。
「インナーヘブン」…楽園へと向かう大きな渦(うず)の中へ、そしてさらに深く、デコボコとした柔らかな肉の粘膜(ねんまく)に…。
巻かれてゆく、巻かれてゆく、包(つつ)まれてゆく…。
《小さなあえぎを含んだ息づかい》
はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…あぁ…はぁ…あぁ…ん…ぅ…はぁ…はぁ…。
あなたは「その手や足や、腰や体(からだ)」を…自由に動かすことができます。何度でも何回でも気の済むまで…ピストンをシコシコと、重ねることが出来るのです。
私のおまんこの中身(なかみ)に、グゥゥ~ッと硬く…あなたのおちんぽをグリグリと、擦(こす)りつければ…。
柔肉(やわにく)の襞(ひだ)に亀頭がグニュグニュと愛撫されて、あなたはとても気持ちいい…。
このまますぐにでも、達してしまいそうになります。
いいえ、あなたはもっとそれ以上に…気持ち良くなるのです。
私が3つ数えると、あなたの体(からだ)そのものが、「男性器」になります。
熱く硬直(こうちょく)したエネルギーを持った、立派な「男性のシンボル」になるのです。
3、2、1…グゥゥ~ンと体温が上昇する。
頭のてっぺんからつま先まで、「熱く、熱く熱く」…。
天と地とすべてを燃やし尽くしてしまうような、灼熱(しゃくねつ)のエネルギーを…体中(からだじゅう)に感じる。
今、私の中で…幾重(いくえ)もの肉襞(にくひだ)に埋(うず)もれるあなたは…。逞(たくま)しくビクビクと脈(みゃく)を打つ、「男性器」
アンドロギュノスの片割れの象徴に…完全にその身も心も、支配されます。
《明確なあえぎを含んだ息づかい》
あぁ…はぁ…ん…あぁっ…あぁぁっ…ん…はぁ…はぁ…あぁっ…んぁっ…はぁ…ぁ…はぅぅ…ん…はぁ…はぁ…あぁっ…あぁっ…はぁ…あぁぁっ…。
始まりと融合(ゆうごう)、合体の記憶が、二人の時間をぐるぐると…巻き戻してゆく。
それはとても刺激的、たまらなく気持ちいい、もっと呑(の)み込まれたい。
あなたは至福(しふく)の快楽に身を委(ゆだ)ねて…。
頭のてっぺんから、ピュ~ッと魂(たましい)が抜け出して行くような、幻(まぼろし)を思い浮かべながら…。
射精します。
あなたは射精します…。射精します、射精します、射精します。
私が10から1まで数えてゼロというと、あなたは最後の大波(おおなみ)を迎え、私の膣(ちつ)の中で、絶頂(ぜっちょう)に達します。
10、9(きゅう)、8、7(なな)、6、5(ごぉ)、4(よん)、3、2(にぃ)、1…ゼロ。
《絶頂と息づかい》
あぁぁぁぁぁっ、んあぁぁぁぁぁぁぁっ。
はぅっ…んぅ…あぁっ…ぁ…。
はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……。
《しばらく無音》
【母性を感じるイメージ誘導】
あなたはエネルギー体…。
私の膣道(ちつどう)からさらに奥へ…すぅぅ~っと入る。
抜け出した元(もと)の肉体とは、細長い糸のようなもので…繋(つな)がっています。
《一呼吸置く》
けれどあなたは自由…。
私の子宮の中で、無邪気な安らぎを覚えて…。
ふわふわと漂(ただよ)う、ほんの小さな命(いのち)…。
やがてそれは限りなく「自我」を弱めながら…。
穏(おだ)やかに沈みゆく「無」への憧(あこが)れを…母性へと誘(いざな)う…。
あなたの無意識の底(そこ)にある…永遠の願望。
柔らかな宇宙…。
ゆったりと平安に満ちた、「時(とき)のゆりかご」に揺られて…。
あなたは私のぬくもりに埋(う)もれるように…甘えていいのです。
このままずっと眠るように…甘えていいのです。
あなたはいつまでも…。
いつまでも私に…甘えていいのです。
アンドロギュノス…。
眠りなさい…。
《しばらく無音》
【母性から父性へと目覚めるイメージ誘導】
「そうして」あなたは私の体(からだ)の中で、ずっと眠り続けています…。
このまま永遠に幸せを感じていたい、二人だけの世界で…。
「満ち足りた平穏(へいおん)」や「心からの安らぎ」は…一体感があるからこそ、得られるものです。
だからあなたは私の体(からだ)の中で、いつまでも眠り続けて居ればそれでいいと…信じていたのです。
10月(とつき)の間(あいだ)は…。
《一呼吸置く》
けれど今、私はあなたのことを愛すれば愛するほど…あなたの顔を見たくて、堪(たま)らなくなります。
この手や腕で、あなたのことをギュっと抱きしめて、ぬくもりを感じたい…。
そっと寄り添って、何度も熱く甘く、この唇(くちびる)を重ねたい…。
もしも初めからあなたと私が、ずっと一つの存在で、あり続けたならば…。
これほどまでに強く焦(こ)がれる…「新しい愛の力」を、生み出さなかったのかもしれません。
あの神の雷(いかづち)によって与えられた「唯一の希望」…。
それは「互いに惹(ひ)かれあうこと」…「二人でいること」
この人間的な…あまりにも不完全で人間的な「求心力(きゅうしんりょく)」こそが、「生きていることの幸せ」の意味であると…気づいたのです。
私の「ベターハーフ」…。
《一呼吸置く》
あなたのことを、心から愛しています…。
どうぞ私の前に、帰ってきてください…。
《チーン連打×3回》
《次第に生き生きと》
あなたはにわかに、魂の奥底からの…共鳴(きょうめい)を感じます。
そこに眠(ねむ)り続けることで、得られる安穏(あんのん)よりも…。
守らなければならない大切な者の声を…信じているからです。
今、過去から未来への記憶が整然(せいぜん)と並び、止まっていたあなの時間が正方向(せいほうこう)に…進み始めます。
あなたはもう、「外の世界」に出たくて、仕方ありません。
そうです、目覚めましょう…。
【完全覚醒への誘導と解除】
私が1から10まで数えて、最後に手を叩くと、あなたはそこを抜け出して…元(もと)の世界へと戻ります。そのとき催眠はすべて解除されて、あなたは完全に覚醒します。
1、あなたが息を吸う、そして息を吐くたびに…体中(からだじゅう)の細胞が次々に目覚めて、活性化してゆくのが分かります。
2(にぃ)、今までに私が入れた「古い暗示」はすべて忘れて…あなたの無意識から一つ残らず、消えてしまいます。
3、「新しい生命の息吹(いぶき)」が、どんどん体内を駆け巡ると…次第にあなたの手や足にも力がもどり、はっきりと頭が冴(さ)えていきます。
4、グングンとみなぎるエネルギーを、祝福(しゅくふく)の未来へ向けて…あなたは「どんな過去のあなたよりも」、もっと良くなる、ますます良くなる。
5(ごぉ)、間もなくあなたはその身も心も、素晴らしいあなた自身へと、生まれ変わります。
6、7(なな)、8、9(きゅう)、次に私が「10」と数えて、この手を叩くと…あなたは左右の目を開(ひら)き、すっきりとした気持ちで、完全に覚醒します。
10、《パン 手を叩く》
【結び】
おかえりなさい。
あなたは今(いま)晴れやかな気持ちで、この「目覚めのとき」を、受け入れていることでしょう。
そのまま伸びをすると、もっと気持ち良くなれます。
《一呼吸置く》
さて、今回の私の催眠は、あなたにどんな印象を与えたでしょうか?
あなたの無意識に存在する「記憶の欠片(かけら)」が、私の語る催眠のイメージを、無限に広げていく瞬間…。
その時あなたは、催眠が誰のものでもなく…あなた自身の創り上げてゆく「パーソナルな世界」…。であるということを、感じていることでしょう。
もしもまたこのような機会があれば、今度はもっと不思議な世界へと、あなたをご案内します。
それではまたいつかお逢いしましょう…さようなら。
本編おわり