ご主人様>恋人
先輩? ……もう、眠っちゃいましたか?
ふふっ、そうですよね。あんなにたくさん出して、たくさん気持ち良くなって、疲れちゃいましたよね
よいしょ……隣、失礼します。ご褒美に腕枕、してもらいますね?
お布団の中、先輩の体温であったかい。それに先輩の匂い……まだえっちなも匂いも残ってますけど、安心します
先輩。今日のデート、すっごく楽しかったです
洋服屋さんでは困った顔をしながら、私に似合う服を選んでくれましたよね
先輩は女の子の買い物は長いって呆れてたかもしれませんね
けど、今日は特別長くなっちゃいました。だって先輩が隣にいてくれたから。好きな人が見ていてくれたから
先輩が、好きな人がもっと好きになってくれるような、いろんな姿の私を見せたくなっちゃうんですよ?
それに約束通り、最後までずっと手を繋いでくれましたね
ぎゅって握ったら握り返してくれて、とってもドキドキしてました
先輩を好きになった時から何度も想像した、理想のデートで、本当に夢みたいで楽しかったなあ……
ねえ先輩。……私が勇気を出したように、先輩もきっと勇気を出して、私を信頼して、自分がマゾだって言ってくれたんですよね
最初は驚きましたし、先輩に酷い事するのはやっぱり辛いけど、それで先輩が気持ち良くなってくれたなら、先輩の信頼に応えられているのなら私、嬉しいです
でも……私、怖いんです。先輩のご主人様が私に務まるのかって
イジメられるのが気持ちいいって気持ちも、好きな人をイジメたいって気持ちも、私には全然分からなくて
こんなに先輩のことが好きなのに、先輩の彼女なのに。先輩の気持ちが全然分からないんです……
好きな人に酷い事をして、傷つけるような事を言って……それって本当に恋人なんですか……?
私は先輩の恋人です。恋人、なんです
だけど先輩にとっての私は……恋人なんかじゃなく、恋人のフリをした、ただのご主人様なんじゃないですか……?
もしも、私なんかよりもマゾの人の気持ちが分かる、先輩の理想のご主人様が目の前に現れたらって思うと、不安で堪らなくなるんです
……好きな人を疑うなんて、ご主人様どころか恋人失格ですね
……おやすみなさい、先輩
んっ、ちゅっ……
私の……大好きな人