しっかりお姉ちゃんと
SE:ドアの開く音
<ドアの開く音で目が覚める。寝起きで、もの凄く眠そう。小声で、囁くように>
……ん、んん……? 誰……?
<あくびをしながら>
ふぁあ、はぁ……。んぁ、アンタか……。まだ起きてたの……?
だめじゃない……。早く寝ないと、お化けが来るわよ……? もー……
<主人公、布団の上からお姉さんに抱きつく SE:布の擦れる音>
わ、わっ。何よ、急に抱きついてきて。びっくりしたぁ。何、どうしたの?
ほんとにお化けが来たの? もー、泣かないの。よしよし。大丈夫大丈夫。
あー、そういえばさっき、映画見てたわね……。あれ、怖い奴だったの? もー、お化け嫌いなのに無理するからー。
ほら、ちーんしなさい。ちーん。……ん、いいわね。
そりゃ、夢だってば。寝ぼけて、ほんとに出たと思ったんでしょ。
そう、夢ゆめ。うん、お化けなんていないってば。ほんとに。
来たって、お姉ちゃんがパンチして倒しちゃうから。
んー……じゃあ、今日はお姉ちゃんと一緒に寝る? っていうか、どうせ、怖くて一人じゃ寝らんないでしょ。
もぉー、ほんとにこの子は……。おトイレ大丈夫? ほんとにー?
しょうがないんだから……。はい、隣来なさい。ん……。
<主人公、お姉さんの布団へ潜り込む SE:布の擦れる音>
甘えんぼさんめ……。まったく……。ふふっ……。
ちゃっちゃと寝るわよ。もう夜遅いんだから。
はい、深呼吸ー。いいからするの。こうするとリラックスして、あっという間に寝れちゃうんだから。
ちゃんと肩の力抜くのよ? もう怖くないから。ね?
それで、手も足も全部だらーんってして……。そうそう、だらーんって。
お姉ちゃんと一緒にやってみよっか。いい? せーの。
<深呼吸を4回ほど、非常にゆったりとしたスピードで。最後の深呼吸から、そのまま寝息に変わる。一分ほど寝息が続き、「っは」で起きる。その後、あくびをしながら>
っは。ふぁ、は……ん? いや、ね、寝てないわよ、もちろん? ちゃんとアンタが寝たかどうか、寝たふりして、確かめてみただけ、よ。うん。
で、眠くなんないわけ? もぅ……早くおやすみしないと、明日起きられないでしょー?
じゃあ、羊さん数えてあげる。こうすればアンタでも寝れるでしょ。
そうそう、羊さんがぴょーんと柵を飛び越えるところを考えながら眠るの。
いい? じゃ、目ぇつむってー?
<羊を1から20程度まで数える。比較的、声色はしっかりしている>
例)ひつじがいっぴきー……ひつじがにひきー……ひつじがさんびきー……ひつじがよんひきー……
<羊を先ほどの数から30程度まで数える。どんどん眠くなってきて、途切れ途切れになる。数を数え終わった後、30秒ほど寝る>
例)ひつじがー……にじゅー、きゅー……ひき……ひつじがー……さんじゅー……ぴき…………すぅ…………すぅ……
……っは。ぅぁ……ん……ねて、ないってば……ほら……えっと、なんだっけ……ひつじ……よね……
おねーちゃんがかぞえてあげてるんだから、はやくおやすみ、するのよ……
<羊を先ほど数えた数より少し戻って、35程度まで数える。中盤頃から、何度か数えた数字をもう一度言う>
例)ひつじが……にじゅー、ろっぴき……ひつじが……にじゅー……ななひきー…………ひつじ、が……にじゅー……はっ……ぴきぃ……
<羊を先ほど数えた数より45程度まで数える。後半は、もにゅもにゅと口ごもり、言葉にならない>
例)ひつりが……よんりゅー……に……ひき…………ひつり……ひつりあ……ひつり……よんりゅ……あんいひー……ひつ……よんるー、よんひき……
<1分ほど、規則正しい寝息。羊と言おうとして、言えないことがある>
例)すぅ……すぅ……すぅ……すぅ……。ひつ……り……すぅ……すぅ……
<起きる。が、眠気で意識が朦朧としており、自分でも何を言っているのかよくわかっていない。ほとんど寝言に近いイメージ>
……っは。……ん……ぁ……あー……ひつじ……えへ、えへへ……まてー……ぅふふふ……へへ……
<羊を40から48まで数える。中盤から、ほとんど言葉にならない>
例)ひつりがぁ……よんりゅー……ろっ……………ひつ…………よんるー………なな…………ひつり……ひつりあ……よん……はちぃ……
<5分ほど、規則正しい寝息。また、時折幸せそうに薄笑いを浮かべる。時間経過後、フェードアウト>
例)すぅ……すぅ……すぅ……すぅ……。ひつり……すぅ………すぅ……すぅ……。ひつりあ……ぇへへ……すぅ……すぅ……