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第1話 撫猫さんとおかえり
お仕事から帰る主人公
撫猫 「おかえりなさいませ、旦那様」
撫猫 「……今日も一日お疲れ様でした。カバンとお召し物お預かりしますね」
主人公のカバンと上着を預かる撫猫さん
撫猫 「はい……あっ……」
じっと主人公見つめる撫猫さん
撫猫 「……いえ、旦那様とお会いするのがなんだか、とても久しい気が致します……ふふ、可笑しいですよね」
撫猫 「え……旦那様もですか?……私とずっと会いたかったんですか」
顔を赤らめる撫猫さん
撫猫 「……はい、撫猫もで御座います」
撫猫 「旦那様……」
見つめ合う二人
撫猫 「あっ……玄関先にずっと居てはお風邪を召してしまいますよ……靴を脱いでお上がりください」
靴を脱ぎながら
撫猫 「旦那様、お夕食もうすぐ出来ますよ……はい、今日ですか?……初鰹が手に入りましたので鰹づくしにしてみました……旦那様も今日も一日お変わりないですか?……ふふ、それは何よりです」
撫猫 「そちらの靴は後で私が磨いておきますので」
歩き出す
撫猫 「……旦那様はお風呂へどうぞ……それと」
撫猫 「……あ、あの旦那様これを受け取ってくださいまし……」
便箋を渡す撫猫さん
撫猫 「恋文で御座います……撫猫の旦那様への想いを綴らせて頂きました……読んでいただけたら嬉しいです!」
撫猫さんそそくさと台所へ引っ込んでしまう