次の卵袋
(SE:咀嚼音)
(冒険者の亡骸を食べている)
んぅ、んふ、あ、んぁ、んぅ。
ふぅ。
死んだオスを食べるのは久しぶりだけど、やっぱりそんなに美味しいモノじゃ無いわね。
でもまぁ、これもあなたとの約束だし、ちゃんと一欠片も残さず食べ尽くしてあげる。
あの子達ったら、私が思っていたよりも元気で、随分食べられちゃったけど、やっぱり頭蓋骨は食べられなかったみたいね。
だからこうして、んぅ、ん、ん、んぅ、あなたの頭のてっぺんの骨も、いただけてるわよ。
はい、これが最後の一口。
あぁん。ん、んぅ、ふ、んぅ。
っと。
ふぅ、ごちそうさまでした。
ふふ。たまにはこうして残り物を食べるのも悪くないけど、卵を産んだオスは栄養が少ないし、お腹は満たされないわね。
ま、今回は特別頑張ってくれたし、そのご褒美みたいなものだし、いいんだけど。
そして、やっぱり私はツいているみたいねぇ。
こうして都合良く来てくれたオスを無事に卵袋として使い尽くしたこのタイミングで、また新しいオスがきてくれたんだから。
(岩陰でこちらを伺っていた別の冒険者に声をかける)
ねぇ?そう思うでしょう?
さっきからそこでこっちの様子を伺っているのはわかってるわよ。
んふ。逃げられないわよ。あなたはもう、私の糸に絡み取られているもの。
んふふふ。必死にもがいちゃって。本当に、皆同じ反応をするんだから。
ここまで皆が皆同じだと、さすがにちょっと面白みが無いわよねぇ。
せめてここから先は、ちょっとは違った反応をしてくれると嬉しいわ。
さぁ、今からそっちに行ってあげるから、待っていなさいね。
新しい、愛おしい、私の卵袋さん。んっふふふふふ。