思いを馳せて
寝た…わよね。もう、こんな寝息立てるなんて、なんてかわいいのかしら…♪寝息までかわいいなんて、反則よね…♪
はぁ、懐かしいなあ。私もこのくらいの年齢に戻らないかなー。このくらいのとき、私、なに目指してたっけ…。うーん…。
そうだ、確か、弁護士になるぞ~って意気込んでたんだっけ。
あの頃見てたドラマの俳優さんの演技がかっこよくて、弁護士ってすごいなあって憧れてたなあ。
あのころは本気で目指してたのに、今じゃその夢すらすぐに思い出せなくなるなんて。時の流れって残酷よね。
ねえ、ぼくくん。オトナになる、って、いったいどういうことなんだろうね?
って、寝てる子にこんなこと言っても、返事なんて返ってこないのに。なーに言っちゃってるんだろ、私。
でも、この子と一緒にいて、最近充実してる~って思うのは事実なのよね。
普段思い出さない昔の夢なんかも思い出しちゃったし…。
若い子といると自分まで若返る、って、話には聞いてたけど本当だったのね…。
でも、この子の前では、あんまり弱み、見せたくないかも。
なんでもしてくれる、ミステリアスでえっちなおねえさんでいたいかな?
こんなひとり言しちゃってるんだもん、聞かれてたら普段は演技してるのかーって思われそうでちょっと心配。
ね、もし起きてたら、忘れて?うふふっ♪
そりゃあおねえさんだって人間だもん、たまにこうやってしんみりするときだってあるの。
きっと、ぼくくんも大人になったらわかるわよ。
こうやって感傷に浸ってるのも私だし、君に対して色仕掛けをしてるのも私。
いいとこもわるいとこも、ぜーんぶ含めて私なんだから。
まあ、振り返ってみれば、色仕掛けと言うより、逆レイプみたいな感じよね。
というか、逆レイプ、よね。あははー…。
本当にかわいい寝顔ねー…。
私がお母さんだったらよかったのに。こんな子いたら、毎日楽しいだろうなー。
気遣いできるいい子だし、遅くなったら帰る時間の心配もしてくれるもの。
こんな丁寧におしゃべりできる子、多分同級生にはいないわよね。
もしかして、お母さんにはなれないけど、同級生にはなれるんじゃないかなー♪…って、なれるわけないわよね。
なんだろう、年下の男の子は確かに好きだったけど、こんなに年下の子にちょっかいかけるとは思わなかったわ。
私の行き場のない性欲と母性全力でぶつけちゃってるんだもん、ちょっと反省しないとね。
ウィンウィンの関係だから、反省はしても変えようとは思わないけど。なんて。
さ、もう起きる時間よ。ぼくくん、起きて。
ほーら、起きないと、またイタズラしちゃいますよ。
はーい♪おはようございまーす♪
飛び跳ねてた気がするけど、気のせい?うふふっ♪もう、こんなに寝たら、夜寝られなくなっちゃうぞ。めっ♪
もうこんな時間になっちゃったから、私もう行くね?また連絡するから、次は私の家、遊びにおいで♪
それじゃ、またね。ばいばい。