Track 4

思いを馳せて

寝た…わよね。もう、こんな寝息立てるなんて、なんてかわいいのかしら…♪寝息までかわいいなんて、反則よね…♪ はぁ、懐かしいなあ。私もこのくらいの年齢に戻らないかなー。このくらいのとき、私、なに目指してたっけ…。うーん…。 そうだ、確か、弁護士になるぞ~って意気込んでたんだっけ。 あの頃見てたドラマの俳優さんの演技がかっこよくて、弁護士ってすごいなあって憧れてたなあ。 あのころは本気で目指してたのに、今じゃその夢すらすぐに思い出せなくなるなんて。時の流れって残酷よね。 ねえ、ぼくくん。オトナになる、って、いったいどういうことなんだろうね? って、寝てる子にこんなこと言っても、返事なんて返ってこないのに。なーに言っちゃってるんだろ、私。 でも、この子と一緒にいて、最近充実してる~って思うのは事実なのよね。 普段思い出さない昔の夢なんかも思い出しちゃったし…。 若い子といると自分まで若返る、って、話には聞いてたけど本当だったのね…。 でも、この子の前では、あんまり弱み、見せたくないかも。 なんでもしてくれる、ミステリアスでえっちなおねえさんでいたいかな? こんなひとり言しちゃってるんだもん、聞かれてたら普段は演技してるのかーって思われそうでちょっと心配。 ね、もし起きてたら、忘れて?うふふっ♪ そりゃあおねえさんだって人間だもん、たまにこうやってしんみりするときだってあるの。 きっと、ぼくくんも大人になったらわかるわよ。 こうやって感傷に浸ってるのも私だし、君に対して色仕掛けをしてるのも私。 いいとこもわるいとこも、ぜーんぶ含めて私なんだから。 まあ、振り返ってみれば、色仕掛けと言うより、逆レイプみたいな感じよね。 というか、逆レイプ、よね。あははー…。 本当にかわいい寝顔ねー…。 私がお母さんだったらよかったのに。こんな子いたら、毎日楽しいだろうなー。 気遣いできるいい子だし、遅くなったら帰る時間の心配もしてくれるもの。 こんな丁寧におしゃべりできる子、多分同級生にはいないわよね。 もしかして、お母さんにはなれないけど、同級生にはなれるんじゃないかなー♪…って、なれるわけないわよね。 なんだろう、年下の男の子は確かに好きだったけど、こんなに年下の子にちょっかいかけるとは思わなかったわ。 私の行き場のない性欲と母性全力でぶつけちゃってるんだもん、ちょっと反省しないとね。 ウィンウィンの関係だから、反省はしても変えようとは思わないけど。なんて。 さ、もう起きる時間よ。ぼくくん、起きて。 ほーら、起きないと、またイタズラしちゃいますよ。 はーい♪おはようございまーす♪ 飛び跳ねてた気がするけど、気のせい?うふふっ♪もう、こんなに寝たら、夜寝られなくなっちゃうぞ。めっ♪ もうこんな時間になっちゃったから、私もう行くね?また連絡するから、次は私の家、遊びにおいで♪ それじゃ、またね。ばいばい。