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前日譚

(普通、正面) ふぅ、ただいま、戻りましたぞ。 むっ、おぬし、床にそのように寝転がってどうしたのかのぉ? 間違えて踏んでしまうところでしたぞ。 まったく、なぜそのようなところで……ふむ、そちらのちゃぶ台にあるモノからして儂が使うための魔道具を作っておったというわけかのぉ。 そこまで無理しなくてもよいのにの、全くがんばり屋さんですのぉ。 仕方ないヤツですのぉ、ではいつも通りのあれをーおぬしの近くに座って、はーい、儂の膝に来るのじゃよー膝枕じゃよぉ。 (右、近く) ふふっ、相変わらず可愛らしいですのぉ。 昔と……それこそ、まだお互い10代であった頃と同じくらいに。 いまは……ええと100歳くらいだったかの。 強大な妖魔を倒して、それがきっかけでしたかの? それから半分は魔の存在である儂と共にいる為に古(いにしえ)の秘薬でお主を普通の人間とは違う存在にしてしまいましたからのぉ。 歳をとらぬ代わりに儂と同じ半魔にのぉ。 今思えば若気の至りですが、まあおかげで楽しくやってこれましたなぁ。 とは言え、儂につきあって、普通の人としての一生は過ごせなくなってしまって申し訳ないと……。 くすっ、そうじゃの。あの時、後悔はしないと決めたというのに、儂も疲れておるのかもしれませんのぉ。 最近は邪悪な妖魔の動きが活発になって、お主とこうしていちゃらぶな感じの時間も取れていませんからのぉ。 全く許せない奴らですのぉ……まあお主が作ってくれる魔道具のおかげで、いつも儂は魔物に危なげなく勝ってきましたからのぉ。 これもあの時から変わらんの、お主の作った道具がいつも儂を支え、救ってくれておる事、感謝していますぞ。 じゃから、今は、休んで、また儂の為に道具を作って欲しいのですぞ。 ほれー、だから儂が元気になる言葉をお主の耳元にて……。 (右、囁き) 好き、大好き、愛してる。 くすっ、恥ずかしそうにして面白いですのぉ❤ もっと言ってやりますぞー、すき、すき、大好き、愛しておりますぞ❤ ふふっ、可愛いのぉ、良いですのぉ。 また明日には新たな仕事に出ますが、次で大物を仕留められるはずであるから、大丈夫ですぞ。 終わったら、2人でのんびりと、過ごしたいのぉ❤ むっ、大物と聞いて心配しておるのかの? 大丈夫ですぞ、何十年やってきてると思っているのかのぉ、ふふっ。 仲間から情報をしっかり仕入れ、対策も練っておる。 それに、お主のつくってくれた魔道具もあるからのぉ。 お主の魔力が込められたコレさえあれば倒せない敵なんていませんぞ。 ですから、安心してよいのですぞ。 とは言え、少しは緊張しているので、いつもより濃密な夜を過ごしたいのぉ。 お主にギューッと抱きつきながらの。 (右、近く) ほれ、というわけで、儂も眠くなってきたので続きは布団で共に添い寝でもしながら、ゆっくりとしましょうかの。 お主はこのまま眠るとよいですぞ。 布団は儂が敷いておくからの。 では、おやすみ……しますぞ。 (右、囁き) ほれ、抱きつかれながらの添い寝は最高であろ? 不思議なくらい嬉しく、疲れた心が癒やされるのぉ。 これこそが、世界で一番不思議な神秘ですのぉ。 本当に、お互いに、何年共にいても飽きないのは不思議ですな、ふふっ❤ 暖かくて、最高……で……眠くなってきましたのぉ……。 ほれ、もっとギュッとしてほしいぞ。 よいのう……お主の体温が伝わってきて、心地よくて、このまま……お休み……するのですぞ……❤ お主も……このまま眠るがよいですぞ……何があろうと儂とお主はこれからも、ずっと、一緒じゃ。 だから、安心して帰りを待っておくがよい。 いつも通り、魔道具を作りながらの。 では、改めて、お休み……じゃ。 愛して、おるぞ❤

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