トラック6◆エピローグ
(位置:正面 近)
……あ。起きた。
うん。あんた、また少し、寝ちゃってたよ。
今?
えーーっと……午後四時。
エロいことしたあと、すぐ爆睡しちゃうとか……。
ほんと、ヤリ盛りの若者って感じ。ふふ。
で。
どうだった?
うん。調教生活の効果。
あたしの体に溺れた感じ、する?
チンポ、あたしに依存した?
……はは。分かんないか、そんなの。
ま、嘘はつきたくないからね。
約束通り、これであんたは解放してあげる。
明日から一緒に学校行こうね。
……でもさ。今日くらいは、うちに泊まってかない?
うん。もうちょっとしたら夜だし、このまま帰るっていうのも、逆にめんどいでしょ。
晩御飯食べて、お風呂一緒に入って、そのあとで、またセックスしよ。
淫語たっぷりのね。ふふ。
(位置:左耳元)
…………。
(ためいき)
は~~……。
……そりゃ、分かんないよね。あたしの体に溺れたかどうかなんて。
ほんとにさ~。
もうさ……
……頭では、理解してんだ。
人の気持ちなんて、誰にも証明できないし、どこにも証拠なんてないって。
……でもさ。それでも、嫉妬が止めらんないの。
あんたのこと、好きで、好きで、しょうがなくて。
永遠に繋ぎ止めたくなる。
ほんと。めんどくさいよね。ごめんね。ごめんなさい。
だけど……こういう女だからさ。あたし。
許して、って言うしかないんだよね。はは。
ん? なに?
ぁ……
(位置:正面 近)
(キス 10秒ほど)
……は、ぁ。
(位置:右耳元)
(抱きしめられて)
ん……、ぁ……。
……はー。
あんたってさ。
あたしが、嫌んなっちゃってるときに……
なんで、一番して欲しいこと、してくれんのかな。
キスしてぎゅってする、なんてさ。
ほんっとさ、もうさ~~……。
……大好き。
(位置:正面 近)
(キス 10秒ほど)
はぁ……。
(位置:右耳元)
…………。
あんたは、あたしに監禁されて調教されたのに……
でも、ちゃんと、好きって言ってくれた。
あたしのこと、こんなに分かってくれてる。
……分かろうとしてくれてる。
変わらなきゃいけないのは……
ひょっとしてさ。
あたしのほうなの、かも。
……あたし。
あんたのこと、もう、変に疑ったりしないようにする。
だって、あんたは、あたしのこと絶対、裏切ったりしないって分かったから。
だから……あたしも、あんたのこと、ちゃんと、信じる。
そういう、努力する。
嫉妬は……まあ。うん。ごめん。抑えられないかもしれないけど。
でも、一人で抱え込んだりしない。
ちゃんとあんたに、不安だよ怖いよって、伝えるようにする。
……いきなり調教とか言い出さないように、努力する。
あたし、もうちょっとだけ、めんどくさい女にならないようにするから……
だから……
……あたしとさ。
……離れないでいてくれますか。
(軽く泣き笑いな感じ)
……うん。
うん……。
ありがと。
(位置:正面 近)
(軽くキス)
(位置:左耳元)
……あ。
でもね。
あたしにも、一つだけ……はっきりと分かってることが、あるんだ。
(囁き:有声)
目が覚めたら、あんたが隣にいる。
それだけで、幸せだってこと。
(囁き:無声)
……ふふ。
愛してるよ。