04.【ボーナストラック・添い寝編】
……どうしました。こんな夜更けまでがさごそと……。
あまり大きな音を出すものではありませんよ。
大体あなたは、朝に起きる時もすぐには起きてこないのですから、日ごろから……。
……ん、眠れない、ですか? ……そうですか。なら姉様が添い寝をしてあげます。
……なんです、恥ずかしい? はぁ……今更何を言っているのですか、貴方は。
もっと恥ずかしいこと、してしまったではありませんか。ふふ。
それに、小さい頃は姉様がいないとお昼寝もできなかったでしょう。
貴方をあやして寝かしつけるのは、姉様の得意分野ですよ。
ほらほら、布団に入れなさい。……よろしい。それでは失礼しますね。
ん……ふふ。しかしまぁ、貴方も大きくなったものです。
昔は私の方が背も高かったのに……。今では見上げないといけませんもの。
まったく、少し生意気ですよ。
くすくす……嘘です、嘘。姉様に怒られると思いましたか?
私がそんな理不尽に怒るわけないでしょう……。ほら、頭を寄せなさい。
こうして寝てしまえば、身体の大きさなんて関係ないのですから。
いい子、いい子……よしよし。
……あらあら。頭を撫でられて目を細めるのも、昔から変わっておりませんねぇ。
この調子なら、貴方をちゃんと寝かせられそうです。
……いい子、いい子……なで、なで……なで、なで……。
(囁き)
姉様の手は、気持ちいいですか。……そう。なら、いいけれど。
身体は大きくなっても、甘えん坊なのは変わらないものですね……。
くすくす。いえ、別に悪いと言っているわけではありませんよ。
姉様になら、いくらでも甘えなさい。家族ですもの。
……しかし、こうして二人で寄り添っていると、温かいですね。
姉様も、寝てしまいそうです。貴方を寝かせないといけないのに……。
……おや。貴方が姉様の頭を撫でるなんて。生意気ですよ。くすくす。
あぁ、でも……確かに、こうして頭を撫でられるのは、悪くないかもしれません。
悪くないですが……今日は姉様が貴方を寝かしつけるんですよ。めっ。
貴方は大人しく、姉様によしよしされていればよいのです。わかりましたね?
……くす。はい、いい子ですね。
よしよし……いい子いい子……。ほら、目を閉じて、息を深く吸って……。
姉様がここにいてあげますから。安心なさい……。
ほら、息を吸って……はいて……吸って……吐いて……。
えぇ……大丈夫、大丈夫ですよ……。よしよし……。
何も怖がることはありません……姉様に身を預けているのですから……。
姉様に身を預けて……ゆっくり、お眠りなさい……。
身体から力を抜いて……。姉様が、ちゃんと、受け止めて居てあげますから……。
よし、よし……。よし、よし……。
いい子、いい子……いい子、いい子……。
だんだん、身体が、ぽかぽかしてきましたね……。
ぽかぽかすると、あたたかい……あたたかい……。
あたたかくて、気持ちいい……気持ちいい……。
頭を撫でる、姉様の手が、あたたかい……。あたたかい……。
姉様の手が、気持ちいい……。気持ちいい……。
ゆっくり……ゆっくり……。気持ちがどんどん、とけていく……。
耳に入ってくる、姉様の声が、心地いい……。すーっと入って、ふわーっととける……。
姉様の声が、心地いい……。すーっと入って……ふわーっととける……。
あぁ……眠い……。眠い……。あったかくて……眠い……。
いい子……いい子……。姉様が、撫でていてあげますからね……。
ちゃんと、お眠りなさい……。ゆっくり、休みましょうね……。
……ふふ。おやすみなさい。ゆっくり……ゆっくり……おやすみなさい……。