Track 3

シーグラスみつけたぞなもし (堤防沿)いの散歩道→岩場の上

;//////// ;Track3 シーグラスみつけたぞなもし (堤防沿いの散歩道→岩場の上 ;//////// ;環境音 ☆猫島_海沿いの散歩道 ;SEふたり並んで歩いてる足音(継続) ;3/右 (手をつないで並んであるいてる←いよ的には保護者感覚) 【いよ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)。 ……そげにおっきな島でもないはずやのに、堤防、ずいぶんと長いなぁ」 【いよ】「……真っ白なビーチとかあったらええなぁって思とったけど――えへへ」 【いよ】「堤防の向こうから、ほんのり海の音が聞こえてくるゆーんも、風情なかなかよろしいなぁ。 お天気もええし、砂浜よりも歩きやすいし――うん! ふふっ、いよな、なんやどんどん楽しなってきた」 【いよ】「(堤防越しの波音に耳を楽しませながら、のんびり散歩してる呼吸、一分ほど)」 【いよ】「……こげしていると、一番最初。出会ったときのこと思い出すぞね。 あんときのマスターは、ほんとにちっちゃなおちびちゃんで、迷子になってわんわん泣いてて」 【いよ】「いよが手ぇひいて保護者さん探して……。なかなか見つからんでなぁ、焦ってしもて。 けど、ちびちゃんがだんだんだんだんおちついて、いよに懐いてくれてきて、ほっとして」 【いよ】「(懐かしむような吐息)―― あげにちぃそおてほわほわしとった手ぇが、なぁ」 【いよ】「(きゅっ、と、握る手に力を込めるニュアンス)」 【いよ】「こげに立派な、頼もしみたいな手ぇになって。 あのちびちゃんが、今ではいよのマスターで」 【いよ】「…………いよよりずうっとおっきな手。 背丈もやもんね――ああ、もうちびちゃんなんていえんねぇ」 【いよ】「いつから……ゆーか、ずーっと前からそうやったんよね。 けど、毎日毎日一緒におるけん、気づけんで……ふふっ」 【いよ】「いつもと違うところにきたけん、やーっと気づけて。 ほんと、いよったらトロくさいにもほどがあるゆーもん――あ!!」 ;いよ、ぱっと手を離して駆け出す足音 ;9/前遠 【いよ】「マスター! マスター! 堤防、ここで切れとー! 来て! 見て! 堤防の向こう!! これっ!!!」 ;SE マスター小走りの足音 ;環境音クロスフェード 海沿い→☆猫島_シーグラス拾い ;3/右 【いよ】「天然の岩場ぞなもし!! やっぱり砂浜じゃあなかけど――うふふっ! 海がとーっても近いぞね」 【いよ】「(一分ほど、わくわくと海風と潮の香りを楽しむ呼吸)」 【いよ】「……気持ちよかねぇ。音もええねぇ。 ざざーん、ざざーん、ちゃぷん、ちゃぷんって。 おっきな海の音じゃねぇ」 【いよ】「この音を楽しみながら散歩できるほどの足場もないのは残念じゃけど――あっ!」 ;しゃがみこんで 【いよ】「これなんぞ? まあるい、ちんまい…… 青、水色、緑、茶色――あ、紫もあるねぇ。 誰ぞが拾いあつめたんじゃろおか――透きとっていて、きれい……ぁ」 【いよ】「(呼吸音)(呼吸音)――うん――(呼吸音)(呼吸音)――ああ。 『シーグラス』ゆーんね、これ。 空き瓶とかだったガラスのかけらが、波に洗われ砂にもまれて、削られて、 曇って角が取れて、こういう色と形になった――はああ」 【いよ】「スマホの電波通じるゆーんは、ほーんと便利なことじゃねえ。 便利すぎて、ちょこっとだけ寂しいような気もしてしまうけど」 【いよ】「だって――知らんでおったら、もーちょっとわくわくしておれたでしょお」 【いよ】「宝石かもって、いよ、ちみっとだけ思うたし―― 思うたままならマスターと、宝石拾いもできたかなぁって……(呼吸音)(呼吸音)―― あはっ! そーじゃね!  宝石じゃのーてシーグラスってわかってても、拾う楽しさはたしかに少しもかわらんねぇ」 【いよ】「(呼吸音)(呼吸音)――ふんふん、オレンジ色とミルキーホワイトとピンク色が珍しくって―― !? レアカラーは500円から5000円で売れることもあるって書いてあるぞなもし!!」 【いよ】「5000円もあったら、マスターにステーキでもなんでもごちそうしてあげられるぞね。 さっきまでとは違った意味でも、いよ、やるき出てきたぞなもし」 【いよ】「マスター、手分けしてさがそ。 いよはこっち側見るから、マスターにはそっち側お願いするぞね」 ;5/後(マイクに背中) 【いよ】「ん……(真剣にシーグラスを探す呼吸音、30秒ほど)」 【いよ】「んん……透明やら水色やらはあるけど…… (呼吸音)(呼吸音)――ここにはないのかな―― こっちは……(呼吸音)(呼吸音)――む~―― やっぱり水色ばっかりで――(呼吸音)(呼吸音)」 ;6/後左(マイクに背中) 【いよ】「あ! これグレイがかってる。ちょっとだけ珍しいかも―― けど……(呼吸音)(呼吸音)―― ん――なかなか――(呼吸音)(呼吸音)―― んんん~~~っ!!」 ;6/後左 (マイクの方に首だけ振り向いて) 【いよ】「マスターの方は――(呼吸音)(呼吸音)―― あー……(呼吸音)(呼吸音)――そっかー、 ……もしかしたら、堤防から近いところのはもう取り尽くされてるのかもしれんぞねー」 【いよ】「……けど、いよはとろくさいし、 ちびちゃ――マスターに危ないこともしてほしくないけん……(考え込む呼吸) ……遠くにいかんでも、他の人が見つけそこねたよーなシーグラスみつけるには…… ん~~(悩みこむ呼吸音。3呼吸ほど)」 【いよ】「あ! 隙間!! 岩と岩との隙間を丁寧にさがしてみるぞなね。 へへっ、合図燈(あいずとう)、合図燈――(呼吸音)」 ;SE かばんから合図燈を取り出す→点灯 ;6/後左 (マイク向き) 【いよ】「(呼吸音)――合図燈で隙間を照らして……あ! やっぱりぞね! シーグラスあると、きらきら光ってわかるぞにえっ!!?」 【いよ】「マスター! マスター!!! こっちきて!!!」 ;1/前(近い) 【いよ】「(呼吸音)――合図燈もっててほしいぞなもし!! いま、キラって――(呼吸音)――あ! ほら!!! なんか赤っぽくひかったぞね。 いよなら指も手も細いけん、 んっ――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 :SE 細い隙間に腕突っ込んでがさごそ 【いよ】「くっ――ふっ――ん……(呼吸音)―― 指、先――さわって……(呼吸音)(呼吸音)―― あと、うまいこと――(呼吸音)―― つま、めれ――(呼吸音)――ば――(呼吸音)(呼吸音)――っ!!!!」 ;SE 手を抜く ;“あぁ”は残念 【いよ】「あぁ~……(息を整える荒い呼吸→落ち着いてくる)――ふうっ。 これ、指先つるつるすべっちゃって厳しいぞね。 無理したら、もっと奥に押し込んじゃってとれんことなりそうじゃし…… (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ああっ!」 【いよ】「うん!――(呼吸音)――うん! そおじゃねぇ! 海水は岩の上ちょこちょこ残っとるし、海砂もたくさんちらばっとる」 ;S=SE 指を水につける ;#=SE 濡れた指を砂に擦りつける 【いよ】「ほじゃけん、海水に指ぃつけて―― $ ん……(呼吸音)――で、 そん指を砂にこすりつけて―― # ……っと!」 【いよ】「おおお! これ――(呼吸音)――うん! 滑り止めになっとるぞなもし!! そしたら、こんどこそ――んっ!!!」 ;SE 岩の隙間に手 【いよ】「(呼吸音)――あ――(呼吸音)―― これ――(呼吸音)(呼吸音)――うん―― (呼吸音)――はさめ――そう――(呼吸音)――んっ! ――!! はさめたっ!!!!」 :SE 手を抜く 【いよ】「……んっ――くっ――んんっ! ――っ!!!! とれたっ――とれた!!! 色は――!!! ピンクぞなもし!!! やったぞねーーーーっ!!!」 【いよ】「ああ! しかも――ね、ほら、ちょっとハート型にも見えるぞね。 ピンクのハートのシーグラス!! これはほんとに価値があるかもわからんねぇ」 【いよ】「えへへっ。ほじゃけん、はい! マスターにプレゼント。 猫島に連れてきてもらえたから見つけることができたもんやけん、 マスターにもろーてほしいぞなもし」 【いよ】「500円になるか5000円になるかはわからせんけど、 ワフオクででもレルカリででもお金に替えて、なにかおいしいものでも――(呼吸音)――ほぇ」 【いよ】「……そりゃマスターにあげたもんじゃけん、マスターの好きにええに決もとるけど…… (呼吸音)――これ、いよがもろーてええの? (呼吸音)――えへへ! もろーえええんならもらう! ありがと、マスター」 【いよ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うふふっ。売られへんよー。 ワフオクでもレルカリでも、他のどっこでも売られへん。 100億円より、500兆円よりずっとずーっと! いよはこのシーグラスのほうがええけん」 【いよ】「なんでって――えへへ!!! マスターからのプレゼントやし!!!」 ;環境音 F.O.