第一話『息子』
「……あの……大人の相談室でしょうか? はい……匿名Aでお願いします。ええと、息子のことなんですが……」
「息子は高校3年生です。はい……私ですか? 私は今年の10月で39になります……はい、若いうちに結婚したもので……そうですね、授業参観に行っても、他のお母さんより少し若いと思います」
「はい……ええと、子離れ、親離れができないというか……ちょっとヘンなんです」
「…………実は、まだ息子とお風呂に入ってるんです……高校生にもなって、おかしいでしょうか?」
「……へえ、中学生ぐらいまでは一緒に入る親もいると……そうですよね。普通、年頃になると子供のほうから嫌がりますよね」
「私も、前に一度聞いたことがあるんです。お母さんと一緒にお風呂に入って恥ずかしくないのって……そうしたら、全然恥ずかしくないって……」
「いえ、息子は夫とはお風呂に入りません。いつも仕事で帰宅が遅くなるのもあるんですが、なぜか夫とは一緒に入ろうとしないんです」
「それだけなら、まだいいんですが…………あの……時々、私を見る目がおかしいんです……まるで異性を見るような目で……はい、たまに私の胸を触ってきたり……はい……その……あそこが大きくなってるときも……あります」
「はい……はい……わかりました。そうですね、間違いが起こってからじゃ遅いし……私のほうからもう一度言ってみます。……はい、担当は田中さんですね……ありがとうございました」
――帰宅後
「あっ、ケイ君、お帰りなさい。今日は部活はなかったの?……ああ、来週は中間テストなのね」
「ご飯できてるわよ。じゃ~ん、今夜はケイ君が大好物のハンバーグカレー。いっぱい作ったから、たくさん食べてね」
「はい、召し上がれ。ほらほら、そんなにがっつかなくても、おかわりはあるから」
「ケイ君、ご飯粒ついてるよ……ここよ、口の横。んもう、子供じゃないんだから、自分で取なさい」
「ふう、しかたないわね……はい、取れたわよ。なによ、ニタニタ笑っちゃって……」
「早くケイ君もこうしてくれる彼女を見つけなさい……そうだっ、前に一度うちに連れてきた子いたじゃない……そうそう、マキちゃんだっけ? ねえねえ、あの子とはどうなったのよ」
「始めからなんともないって……だって、ケイ君と仲良さそうだったじゃない……えっ、ただのクラスメイトだったの?」
「そうかあ……てっきり、お母さんケイ君の彼女かと思ってた……あっ、おかわりね。でも、ケイ君もそろそろ彼女が欲しくなるお年頃なんじゃない?」
「はい、ご飯大盛にしてきちゃった。ねえねえ、正直に言っちゃいなさいよ。顔だって悪くないし、背だって低くない。本当は彼女の一人や二人ぐらい、いるんでしょう?」
「……えっ、お母さんがいるって……おっ、お母さんは彼女にはなれないでしょう!? な、何言ってるのよ、もう……」
「……あっ、お風呂に入るの? あっ、あの……お母さん、まだやることがあるから。悪いけど、ケイ君だけ先に入っちゃって……」
「一緒に入ろうって……駄目、駄目なの……ごめんね…………あのね、ケイ君……ほら、もうケイ君も高校生だし、一緒にお風呂に入るのはおかしいかなって……」
「だから、今夜からお風呂には別々に入ることにしましょう。ねっ、決まりっ!」
「……あれ、お風呂に入らないの?……そう……じゃあ、お母さん先に入るから。ケイ君も宿題が終ったら、眠くならないうちに入っちゃいなさい」
――入浴中
「ふう……何とか話してみたけれど……ケイ君、わかってくれたかしら?」
「…………えっ? ちょ、ちょっとケイ君っ!? 今さっき、お風呂は別々に入るって決めたばかりでしょう!?」
「……もう服を脱いじゃったって……しょうがない子ね。じゃあ、お母さんと一緒にお風呂に入るのは今夜が最後よ……いいわね?」
「ケイ君、先に湯船に浸かっていいよ。お母さん体洗うから……あっ、背中を洗ってくれるの?……そう、ありがとう…………うん、強さはちょうどいいかな……ああ、とっても上手よ」
「……うん……はぁ……ああ、気持いいわ……そう言えば、こうやってお母さんの背中を洗ってくれたの……久しぶりよね」
「…………はい、ありがとう。あっ、前は自分で洗うから……本当にいいから…………あっ……こっ、こらっ、後ろから抱きついて……ふざけないの……ああっ……だっ、だめぇ……こら、やめなさいっ……お母さん、怒るわよ……あっ……」
「こら……むっ、胸を触っちゃ……ケイ君? いいかげんにっ……あんっ……や、やめてぇ……いやっ……あっ、乳首を吸わないでぇ……はぁ、はぁ……あっ……あんっ……いやぁ……」
「……そっ、そこは触っちゃだめぇ!……あっ!……ああんっ!……んはぁ!……お、お願い……ケイ君、お願い……やめてぇ!……あっ!……はあ……はあ……んはぁ……ああんっ!……やっ、やめっ……あっ! あああっ!……指を入れちゃいやっ!」
「……あんっ! ああっ! やだっ!……そんなに中をかき回したらっ!……あっ、あんっ! あんっ!……んっ! んはぁ! あんっ! ああんっ!……あっ! ああんっ! いっ……いやっ!……いやあぁぁぁぁぁっ!!…………はぁ……はぁ……はぁ……悪ふざけも、たいがいにしないと……はぁ……お母さん、本当に……本当に怒るわよっ!……」
「…………ほら、今度はお母さんが洗ってあげる………………あっ……こんなに大きくなって…………」