トラック5
おーい……もしもーし……
あ、起きた起きた♪ おはよ❤
……まぁ、厳密にはキミもわたしも眠っていたわけじゃないんだけど、便宜上、ね。
あー、よかった。
元に戻って来られて……なんだか、ほっとしちゃった。
ふふっ……その顔、可笑しい。
何が起こったのか、理解できていないって感じだね。
えーっと。何から話せばいいのかな?
でも、いまのキミとわたしの状態を、ひと言で言い表すなら……魔法が解けちゃった、かな?
わたしは、霞月リノン。自己紹介は、向こうでもしたけど一応ね。
これでも、魔法使いなの。
あ――……その、顔。
キミ、わたしのこと信じてないでしょ? 現代社会にそんなものいるのかって、顔してるよ。
でも――
こ、こ――
キミのおちんぽは、何があったのかしっかり覚えてる……でしょ?
新しい催眠魔法を試してたの。
でも、ちょっとドジっちゃって。自力ではどうにもできない状況に、ハマちゃってて……
だから、助けを呼んだの。外の世界から、誰かに引っ張りあげてもらう必要があったから。
そしたら、キミが応えてくれた……キミと出会えた。
わたしを見つけてくれた。
つまり、いまこうしてここに戻って来られたのは、キミのおかげってこと。
本当、ありがとうね。
おまけに、実験にまで最後まで付き合ってくれて……
あ、えっと。実験っていうのは……
催眠魔法の最中にエッチすること。
催淫ってやつ。
ただ、助けてもらうだけでもよかったんだけど、ね。
距離が近付くにつれ、だんだんキミに興味が出ちゃったっていうか……
いいなぁ、とか、思っちゃった……みたいな。
でも――
すっごく、よかったでしょ?
キミとなら、また……アリかな?
ううん……シたい❤
催眠下でのエッチと、いまここで、フツーにするエッチと、比べてみるのも面白そうかも……?
あ、でも別に、エッチだけに誘ってるわけじゃないよ。
一緒にお散歩してみたり、映画やご飯に行ったり……デート、みたいなことにも興味あるの。
こんな風にただお喋りをして、キミのことをもっと教えてもうっていうのも、いいかな。
わたしはね、キミに興味があるの。キミのことをもっともっと、もーっと知りたいの。
だから――また、わたしに付き合ってくれる?