1日目
1日目
「あら。目が覚めたようですね。おはようございます、勇者様。」
「やん。そんな怖い顔をしないで下さい。私は貴方様に危害を加えたりは致しませんわ。」
「申し遅れました。私はダークエルフの皇女、クレイスと申します。勇者様のご様子を伺いに参りました。」
「...。どうやら深い傷口も無く、ご無事なようですね。良かったわ、貴方様が亡くなったら敵国である魔王の国の手下共にわたくし達が殺される寸前でした。でも、まだ間に合いそうですわ。こうやって勇者様が生きてくれているのですから。」
「どうかなさいましたか?勇者様。」
「え?ダークエルフの種族は敵国の女兵士と聞いている....どうして魔王の手下であるダークエルフが殺される立場にあるのか。
と、言いたいのですか。」
「...。」
「私たちエルフ族とアクマの者達の間では現在、主従関係に置かれているのです。アクマの王である魔王様の指示は絶対...。逆らう者は皆暴力を振るわれ、最後には火炙りの刑にされてしまいます。」
「アクマの国ではサキュバスや獣娘(けものむすめ)などの女の数が減り、子を増やす政策が難しい状況です。そのためエルフの女が拉致され、強制的に国力を上げる方針に出ています。」
「だから勇者様のお力が必要なのです。私たち、エルフの者は非力です。私たちだけでは到底魔王様には抗えない。このままでは奴隷どころではなく、手下のオーク共の孕み袋として生きなければなりません。オークの赤ん坊など産みたくはありません!
どうか、勇者様のお力を貸して頂けないでしょうか。」
「ねぇ、勇者様。もし、勇者様が私達を助けてくださるのであればなんでもいたしますわ。」
「エルフの女はみな美しいですよ。貴方が望めばいくらでも...♪
国に隠してある財宝も全て貴方に捧げましょう。女も金も全て、約束致しますわ。
だから、お願いします。勇者様。」
「うふふっ。勇者様、今夜はもう、おやすみになられて下さい。その身体では、すぐにケガをされてしまいますから。
また明日、ご様子を伺いに行きますわ。
それではお休みなさいませ。親愛なる勇者様。」
「お楽しみはこれからですよ、勇者様♪」