(1)種馬異世界召喚成功
ーM(煙の吹き出る音)
「今度こそ成功したか!?
だめか、なにも起きてない……」
「やはり異世界から種馬になる男を
召喚するなんて簡単なことではないな」
「手応えはたしかにあったんだが、
なにを間違えたんだろう」
「はぁ……こんな方法で家族を作ろうと
してることこそが間違いなのかもしれないな」
「恋愛をして、夫婦になり、
子供をができて家庭をつくっていく」
「それを経てこその家族なんだろうか
種馬と交尾だけして自分の子供を産もうと
すること自体が悪いことなのか?」
「でも、いまさら恋人をつくるなんて無理だ……
こんな愛想も可愛げもないダークエルフなんて
誰も相手になんてしてくれない」
「このままひとりで生きていくしかないんだ……
もっと若いうちから男と仲良くなって
恋愛してくればよかった」
「一度も恋人ができなことない寂しい女だ……
なにもやる気でない、続きは明日にしよう」
ーM(ベッドへ移動する足音)少し流す
ーひそひそした声で
「ん?
寝室から気配がする
物盗りか?」
「来て欲しいのは種馬で
泥棒なんかじゃない」
「ストレスも溜まってるし
少し発散させてもらうか」
「まずは中をのぞいて様子を伺おう
えっ、なんで裸なんだ……!?」
「知らない男の尻がわたしの
ベッドに直接くっついている……」
「ううぅ、なんか嫌だ
しかし部屋を物色している感じではないな」
「泥棒じゃなくて変態か?
なにかもぞもぞ動いているが、
あれは何してるんだ……」
「えっ、あれ、おちんちんだよな
ピンって上向いて……勃起してるのか」
「それを手で握って……
あいつオナニーしてるのか!?
なんでひとの家でオナニーなんて」
「というかあいつの種族はなんだ?
見たことがないぞ」
「エルフに似てはいるが少し違う……
あっ、もしかしてわたしが召喚した
種馬なんじゃないか?」
「場所の指定がうまくいかなくて
わたしの部屋に召喚されたか」
「きっとそうだ、わたしがした
儀式は成功してたんだ!」
ーひそひそ声をやめ主人公に話しかける
「おい!
お前、ここに召喚されてきたんだな?」
「自分ではわからないか……
気づいたらいいなり
ここにいたんじゃないか?」
「……やっぱりそうか
わたしはお前を召喚したダークエルフだ」
「ここに来たからには術者であるわたしの
言うことを聞いてもらう、わかったか?」
「とりあえず……おちんちんから手を離せ……
それからそこはわたしのベッドだ」
「すぐにそこから……いや、
特別にそこに座ることを許そう
そのままでいい」
「突然お前を召喚して悪いとは思う
ただわたしにも目的があるんだ
簡単には返せない」
「そうだな……ひとつきくらいすれば
済むだろうからそれまで我慢してくれ」
「それでその目的というのは、
わたしの体に子供を宿すことだ」
「つまりお前にはわたしの種馬になってもらう
交尾は気持ちのいいことだと聞く」
「わたしみたいなので悪いが、
そこまで悪い話ではないだろう」
「いきなりこの世界に飛ばされた上に
いろいろ言われて不安なのはわかる」
「おちんちんもさっきまで
大きかったのがしぼんでいるわけだし……」
「わたしも早くお前のことを
元の世界に返してやりたいんだ
わたしに協力してくれるな?」
「ところでお前は
わたしたちとは違う種族だな?」
「見た目はエルフに似てはいるが、
よく見ると色々なところが異なっている」
「まずは体をよく調べさせてもらう
わたしも異世界の種族を前に少し不安がある」
「ただ、お前の顔を見れば悪いことを
するような男ではないとは思うが……」
「わたしは男の裸を見たことがない
だから、その確認も兼ねて、な」
「うーん……上半身は、まあ普通だな
もう少したくましいと強い子供が
生まれそうでいいんだが、
贅沢は言ってられない」
「でも柔らかい雰囲気を感じる
強くてたくましい子供もいいが、
心優しい子供というのも魅力的だ
暖かな親子関係も築けそうだしな」
「では、次は下半身……
召喚されたばかりのときよりは
しぼんでいるが、まだ上を向いているな」
「手で勃起したおちんちんを
握っていたということは、
オナニー、してたんだよな」
「そんなときに
呼んでしまって申し訳ないな……」
「あれっ、膨らみ始めたぞ……
大きく太くなっていく……」
「すごいな、こんな風に勃起をするのか
わたしがまじまじと見るから
興奮させてしまったんだな」
「いろいろすまない
わたしも男とこういうことを
したこともないし、恋人がいたことも
ないから扱いがわからないんだ」
「ただ、種付けに必要な知識は
しっかりと頭に入れてある」
「この出っ張っているところは
他のオスの精液を掻きだして、
自分の精子を受精させる役割が
あるんだろう?」
「エルフはパートナーとしか交尾は
しないから必要はなさそうだが、
そういう種族や動物もいるからな」
「もしかしてお前の種族は
無闇やたらと交尾するのか?」
「……違うか、よかった、
そんな男と交尾するのはごめんだ」
「いや、種馬と考えると
その方がよかったのか?
まあどちらでもいい」
「それとおちんちんは大きい方が
妊娠させやすいらしいが……これは……」
「んう……そもそもおちんちん見たのも
はじめてだから、大きいのか
小さいのかわからない……」
「大きいようにも見えるが……
この太さのものが本当に
わたしに入るのか?
実際にやってみるまでだ」
「その前にもう少し観察させてくれ
おちんちん、触ってもいいか?」
「痛いようにはしないから……
んっ、想像よりも硬い」
「でもカチカチと
いうよりも弾力があるな
それに少し熱を帯びてる」
「先端からおつゆが……先走りだな
オナニーしていたんだから当然か」
「すんすんすん……おつゆ自体には
臭いはないようだが」
「おちんちん自体は……独特な臭いだ
似ている臭いが思い当たらない
すんすん、すんすん……悪くはないな」
「おちんちんの下にあるのが……
たまたま」
「うんずっすりしてて精子も
たっぷり入っていそうだ」
「これならわたしのこと
しっかり孕ませられるな」
「男は毛がぼうぼう生えているのかと
思っていたが、さっぱりしてるな」
「清潔でいい
種馬としていい男を
召喚できたのかもしれない
ふふっ、希望が持ててきた」