Track 1

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【プロローグ】

「私の出す幾つかの命令に背くことができたなら、あなたの望みをかなえます」 誰がどう考えても怪し過ぎる謳い文句。 だけど、私はその言葉に乗せられてしまった。 どうしてもかなえたい望みが、あったから。 私の望みは、幼い頃からの夢……「アイドルになりたい」、というものだ。 一言付け加えるなら、「一分一秒でも早く」だ。 アイドルがアイドルでいられる時間というものは、長い人生の中で見れば、ほんの僅かな時 間でしかない。 残酷だけど、だからこそアイドルは何よりも尊く、美しく輝いているのだ。 この夢を抱くようになったきっかけ。 幼い頃に見たあるアイドルの生き様がまさにそうだったように。 短く、儚く。 だけど何より熱く、激しく燃焼する刹那の輝き。 ……私も、そんな輝きたい。 目を焼くほどの「憧れ」という輝きに魅せられてしまった私は、そう思わずにはいられな い。 だから、この夢を最短でかなえる手段があるのなら、何だって利用する。 それゆえに……私は、ここにいる。 「ゆっ……弓波 燈花(ゆみなみ とうか)ですっ! よろしくお願いしますっ!」

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