Track 1

Next Track Back

ねぇ、このノート君の字じゃないよね?

起きてー。起きてー。 あ?お疲れー。 ねぇ、もうお昼だよ。いくら休みだからっていい加減起きようよぉ。 せっかく起きたんだから布団から出よう? ね、いい子だから。そうだ。 キミが好きなアップルパイ焼きて来たんだよ。 もぉ!現金だなぁ、ふふ。 いいよ。ちょっと早いけどおやつにしよっか? うふふ。どうかな? じっくりりんごを昨日から煮込んで作ったから柔らかくなっているはずなんだけど。 そうでしょ、そうでしょ。うふふ(*´∀ `*) 喜んでくれてよかった。 私があげたセーター、それ、まだ着てくれてるんだね。 暑くない? あ、やっぱりちょっと暑いんだ。 ちょっと窓あけよっか。 ふぅーー。いい天気だねぇ。 あ、こらぁ!何ベッドに戻ろうとしてるの? 今日は駅前に出かけようって約束じゃん。 はぁ、ほんと怠け者なんだから。 私がいないとどこまでもだらけるんだもん。 仕方ないなぁ。(嬉しい)私も一緒に横になっちゃおうかな// あれ…机の上にあるノート。 これ、キミの字じゃないよね?。…どうしたのこれ? 中島(なかしま)さんに借りた?キミのクラスで委員長やってる…。 たしか、隣の席なんだっけ…。 ふーん。(ここから明らかに不機嫌そうに) それで?どっちがいったの? 貸してってキミが言ったの?それとも… そうなんだ。 テスト前にノート貸すとか、随分お勉強できるんだね。 うん。うん…。 ふーん。 ほんとだ。わざわざ君がわかりやすいように、テストに出そうなところまでまとめてくれてる。 っ… そうだね、私なんて授業寝てる君と同じぐらいの点しか取れないし。 でも、だから!? 勉強ができてなんの役に立つの!? ガリ勉して大学にいっても結局にいいように使われて終わるだけじゃない!? 私なら君のこと癒やしてあげられる! 君の好きなお料理もお菓子も作ってあげられるし、 家事も完璧にこなして支えになってあげられるっ! どんなに君が疲れて遅く帰ってきても、毎日笑顔で迎えてあげるし 君の特殊な趣味だって喜んで付き合ってあげるっ! なのに…そんな女のノートなんか借りて… 一体どういうつもりなのかな? あぁ、そっか。あいつが不安を煽ってきたんだね。勉強しないとロクな大人にならないとか、 今から受験勉強対策しないと浪人するとか。…いかにも言いそうだもんねぇ。 待ってて。♪ 私がいかに学校の勉強なんて無力で無意味かって証明してあげるから。(意気揚々と) キミを不安にさせた報いを…。(↑対照的に低い声で) なぁに?この手は… どうして止めるのかなぁ? 私はキミにちゃんと現実を気づかせてあげようとしてるのに、なんで?ねぇ、なんで? そっか。あの女がいけないんだ。キミのこと巧みに洗脳して…。 ホントは、こんなことしたくないけど、仕方ないよね。 そぉい! はぁ、はぁ、はぁ。 フライパンを持ち歩くのも女の子の嗜みだからね。

Next Track Back