(0).プロローグ
(草むらをかき分ける音)
……きゃあっ!?
な、なに、あなた……誰?
島のどこにも船をつけた
人間はいなかったはず……あなた、
どうやってこの島にきたの?
……まあいいわ、
あなたが誰であろうと容赦はしない
早くこの島から出ていってちょうだい、
じゃないと……酷いわよ
……え?ここがどこだかわからない?
気付いたらここにいた?
……そんな馬鹿げた作り話を、
私が信じると思っているのかしら
……でも、あなた嘘をついているようには
見えないわね……それに、親は?仲間は?
あなた一人でこの島に
来るなんてさすがに不可能よね……
もしかしてあなた、
異国の地から来たの?
ニホン……?知らない場所ね、
この世界にそんな国はないわ
もしかしたらあなたは、
異世界から来てしまったのかしら……
そういったことも、なくはないけれど
よりにもよって、なんでこの島なのよ……
もっと違う場所があったでしょうに……
ああもう、
泣かないでちょうだい、鬱陶しい
仕方ないわね……私も早くあなたには
出ていって欲しいし、あなたが帰る方法を
一緒に探してあげる
でもね、最初に言っておくけど私は
ラミアだけど人もラミアも嫌いなの
だからこの島にひっそりと
暮らしていたのよ
それだけは覚えておいてちょうだい、
私の機嫌を損ねたらぺろりと
たべてしまうんだから
……ふふ、わかればいいわ
あなた、怯えた顔はちょっと素敵ね?
私はリビュア
まあ、短い間になるとは思うけれど
よろしくね、かわいい子ねずみちゃん♪