おはよう、オオカミさん
おはよう、オオカミさん昨日は、ちゃんと眠れた?
そう…。
あ、火が弱くなってるこれで良し…とオオカミさん、今日はリンゴを持って来たのお腹…空いてるでしょ?
だと思った。
ほら、あーんして、私が食べさせてあげる。
……恥ずかしい?
でも、オオカミさんは怪我をしているんだから、こういう時くらい、誰かに甘えて良いと思うのだから、はい。
あーん…わぁ、オオカミさんのお口、とっても大きいすごーい…。
何でも入っちゃいそうはい、もう一個…。
あーん…どう?
美味しい?
そう、良かったぁじゃあ、次のりんごを…あれ?
もうなくなっちゃった?
オオカミさんはお口が大きいから…ふふ。
でも良かった。
食欲も出るようになって。
昨日よりは元気になったみたい。
…次は、そうね…あ、そう言えば…昨日のこと、どこまで憶えているの?
うーん、そっかぁえっと…オオカミさんと私はね、昨日、森で出会ったの傷ついたオオカミさんが、お家の近くで倒れていて…。
何とか、ここまで運んできたんだけど…色々、忘れてるみたいどうしてオオカミさんって呼ばれるのか、それも分からないの?
だって……オオカミさんは、オオカミさんの姿をしてるから。
……でも、大丈夫。
きっと、何日か経ったら、少しは思い出すはずよ…それに、忘れちゃったのなら、また憶えていけば良いのオオカミさんは、私の名前は…もう知ってるから他のことを、もっと教えるねえっと…私のお家はここなんだけど、その近くに、おばあちゃんが住んでいるの私は、ほとんどそっちのお家で暮らしていて、おばあちゃんのお世話をしているのよそんな、偉いなんて…。
当たり前のことだよ…えへへそれでね、お掃除をしたり、お料理も私が作っているのあとは…そう、お勉強も頑張っているのよだから、文字とかも、少しだけなら読めたりするの……ほんとよ?
じゃあ、何か読んであげる。
ちょっと待っててね【ソフィア】えっと…シンデレラっていう本を読んでいくようーんと…うぅ…。
難しい…えっと、お勉強はしているんだけど…あぅ…うぅ…ごめんなさい…私、いっぱいお勉強したのに。
じゃあ、台詞のところだけでも……こほん。
私も、お城…じゃなくて。
あれ、なんて読むんだっけあぁ、舞踏会…すごーい。
オオカミさん、オオカミさんは、どうして文字を知っているの?
あ…分からない、よね…でも、大丈夫。
オオカミさん、元気を出して確かに、何も憶えていないのは、心の中が空っぽになったみたいで、寂しいと思うけど…新しいことをたくさん憶えて、心の中を埋めていけば…全部思い出すまで、寂しくないと思うわ…その。
私とで良かったら、色んなことを話したり…遊んだり、して新しい思い出…いっぱい、作っていこう?
それじゃあ…ダメ?
本当?
ありがとう、オオカミさんじゃあ次は……あ、いけない!そろそろ、おばあちゃんの様子を見に行かないとごめんね、オオカミさん。
また、来るから!その時にいっぱいお喋りしましょー!