Track 2

オオカミさん、大丈夫…?

…オオカミさん……オオカミさん? まだ…寝てる? …あ、良かった。 気付いたのねオオカミさん、あの後のこと…憶えてる? …良く、分からない? あ、私の名前は…少しだけ憶えててくれたのね「ソフィア」よ。 改めてよろしくね。 …でも、私はよく皆から、赤ずきんって呼ばれているの…ほら、頭に真っ赤なずきんを被っている事が多いから…オオカミさんも、私のことは、今はそう呼んでほしい、かな……だって、名前…滅多に呼ばれないからその、急に呼ばれると、恥ずかしくて…だから、ね? ふふ、ありがとあ、もう起きて…大丈夫なの? まだ…痛む? そう…よね。 でも、手当する道具、色々持ってきたからオオカミさんは、そのままじっとしててまずは、その大きな背中から、手当していくわね【ソフィア】水で濡らしたタオルだから、ちょっと沁みるかもしれないけど…大丈夫。 側に…ついてるから。 頑張ろうね……ん、ふぅ擦り抜いちゃったところに、ばい菌が入ると、大変だから…ん、しょ…ん…ふぅ。 背中、少し汚れちゃってる…せっかくの良い毛並みなのに……ん、はぁん…んぅねえ…オオカミさん。 オオカミさんは、どうして怪我をしちゃったの? 躓いて、転んじゃったとか…高い所から、落ちちゃった…とか? そう…憶えて、ないのね…んー、じゃあ、オオカミさんのこと、教えてオオカミさんのお家は、この近くにあるの? そっか、それも…忘れちゃったんだ…でも、きっと大丈夫よここで、しばらくゆっくり休んでいれば、絶対に良くなるわ私、お世話するのは得意だから。 怪我が良くなるまでの間、オオカミさんのお世話をさせて。 …もちろん、付きっきりでいるのは難しいけど…それでも、なるべく側にいるから……ん、ふぅ…ん、しょ……っと今度は、乾いたタオルで拭くね…ん、ふぅ。 ゴシ…ゴシゴシ…ゴシん、はぁ。 泥や土の汚れも…だんだん、取れてきたよん…んぅ、ふぅ…んっ……はぁ。 オオカミさんも、一人だと心細いよね…【ソフィア】でも、私…毎日、ここに遊びに行くからあっ…。 遊びにじゃ、なかったそうじゃなくて、手当とか…お見舞い…かなだけど、オオカミさんの怪我が良くなったら、森へ出かけて、一緒に遊びましょ? きっと、お家で寝ているよりも、楽しいはずよお日様のあったかい光を浴びながら…追いかけっこ、とか……オオカミさん? どうしたの? 大丈夫、この辺りには、人が来ないから安心して。 追いかけっこ…きっと、楽しいと思うなぁ。 本当? オオカミさんも…そう思う? じゃあ、安静にして、一日でも早く良くなろうねん…はぁ。 ……ん、んっ…ふぅ…次は、前の方を拭いていくわね【ソフィア】まずは、濡らしたタオルで…んっこっちの方は、そこまででも、ないわねん…しょ。 ん…ふぅ……んっ、んぅふぅ。 仕上げに、乾いたタオルで…ん……んっふぅ…。 オオカミさんが、早く良くなりますように…っん、はぁ…。 こうやって、気持ちを込めた方が、良いかなってそう…思ったんだけど。 ヘンじゃ、ない? 良かったぁ。 じゃあ、このまま、続けるねん…はぁ。 痛いの痛いの、とんでけぇ…っどこかに、いっちゃえ…っ、ん、ふぅ…んぅ…はぁもうちょっとで、綺麗になるからね…ん…ふぅはぁ。 こんな感じ、かなあとは、包帯を巻いていくよお腹から、背中に掛けてと…。 あとは、頭の部分ね…んっ…はい、これで手当ては終わり後は、ゆっくり休んでねあ…ほんとは、何か食べて、栄養をつけた方が良いんだけど…オオカミさん、食欲…ある? じゃあ…仕方ないわねとりあえず今日は、ぐっすり寝て…怪我を治してねあったかくなるように、毛布を掛けるから。 はい、お休みなさい…あとは…暖炉の火を付けた方が、良いかな夜は冷えちゃうから。 …ん、しょ【ソフィア】ちょっと、待っててすぐ、あったかくなるから。 この、火を起こせる、魔法の石を使って…ん、ふぅ。 中々…つかないわねでも、本当に魔法なんてあったら…オオカミさんの怪我も、すぐに良くなるのにんっあ…付いたん…ふぅぅ、ふぅぅぅ――はぁ…っ。 すぅっ…、ふぅぅぅ――…はぁ。 しばらくしたら、あったかくなると思うわ…ん、ふぅ暖炉の側は、落ち着くわね…ん、はぁ。 あったかい…オオカミさんのところも、ぽかぽかしてきた? ふふ、良かったじゃあ…朝になったらまた来るから。 それまで、ゆっくり休んでるのよ? 外に出たりしたら、ダメ…だからね私との、約束それじゃあ、また明日ね、オオカミさん