Track 9

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お別れは唐突に

オオカミさん、ごめんね? 今日はその、急に…こんなところに呼び出したりして…あのねっ……。 お話が…あるの……昨日、村の人が言っていたんだけど……森の中で、獣に…襲われた人がいるの…その獣は、オオカミだって、言ってたわ……でも、でもね? 私には分かるの!オオカミさんは、そんなこと、絶対にしないわそれに、村の人が襲われたのは、オオカミさんが私のお家にいた頃よ。 …私もずっとそばにいたもの。 …だから、安心して。 オオカミさんは、大丈夫今度は、私がオオカミさんのことを守るの…たぶん、明日。 村の人が、この森の中に入ってくるわその間、オオカミさんは絶対に外に出ちゃダメよ私のお家の中で、一緒にいましょ? そうしたら、大丈夫だから村の人が、悪いオオカミをやっつけて、それで…お終いまた、いつもの毎日に戻るの一緒にお散歩したり、小川で遊んだり、膝枕でお昼寝するような…そんな、楽しい日が、また来るからオオカミさんは、何の心配もしなくて良いのしなくて、良いのに…………ねえ、オオカミさん……オオカミさんは、どうして悲しそうな顔をするの? …大丈夫。 大丈夫なのよ? 私のお家にいれば、それで…っぁ……。 オオカミさん…私のこと、心配してるの? 私が、オオカミさんをお家に隠してるのが、村の人達にばれちゃったら……それは、でもっ…もし、そうなっても、きっと話合えば何とかなるわ…!オオカミさんの良いところを、村の人達に、私がぜーんぶ、教えてあげるのそうしたら……きっとオオカミ、さん…っ……私、嫌よオオカミさんと、お別れするのなんて…絶対に嫌…そうだわ、一緒に遠いところへ逃げましょう。 誰にも見つからないような、森の奥に…二人で…っぁ……そう、よね。 私には、おばあちゃんが…………うぅ。 オオカミさん、教えて。 私……どうすれば、良いの? どうすれば、オオカミさんとお別れしなくてすむの? ……私、おバカさんだから。 オオカミさんみたいに、頭…全然良くないからいつもみたいに…教えて。 どうしたら、良いの? 教えてよっ、オオカミさん…!そう、そう…なのねお別れするしか…もう、ないのね…………ごめんなさい。 わがまま事、言っちゃって。 ……でも、オオカミさんは、これからどうするの? 自分のお家も、まだ思い出せてないのに。 こんなに広い森の中で、一人きりなんて……また、普通に戻るだけ? ……どうして、そんな寂しいこと言うのオオカミさんにとっての普通は、私と一緒にいることじゃないの? そうじゃなかったの? …オオカミ、さんっ【ソフィア】…嫌っ、お別れするのなんて、やだよぉ…っ……私、オオカミさんと、ずっとお友達でいれるって、そう思ってたのに……どうして、こうなっちゃうのかな…? オオカミさん、何も悪いこと、してないのに…っ……うぅ、ぐすっ……オオカミ、さん……うぅ、ううぅぅぅぅ…!うあぁぁぁ…っ、ぐすっ、はぁ…っ、あぁぁ…っ…ぐすっ、はぁ…。 ……オオカミ、さん。 …その言葉、本当? 私たち、離れ離れになっても…ずっと、お友達、なの? また、会いに来てくれるの? …うぅぅ、あぁぁ…っ、オオカミさんの手…ぐすっ、大きくて……あったかい……うぅ、あぁ…っ、約束…よっ絶対に、これっきりじゃないって。 いつか、会いに来てくれるって…っ……うぅ、ぐす…っ、はぁ…………オオカミさん。 ありがとう私、もう…泣かないわ…だって、お別れじゃないから離れちゃっても、お友達なのは…変わらない。 なら、また会えるもの。 そうよね、オオカミさん私…さよならなんて、言わないからこれは……そう、ちょっと長い追いかけっこよたとえ、どんなに遠くに離れちゃっても、足の速いオオカミさんなら、すぐ追いついてくれるもの。 …あの時と、同じように……だから、またね――【ソフィア】オオカミさーんっ、ほら、こっちこっち~!ふふ、あははっ私のこと、捕まえてねーっ!…ふふっ(END )

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