ふわふわ家出お嬢様テキストエピローグ
「ふわふわ家出お嬢様」エピローグ台本
【場面・芝生に覆われた広い河川敷。晴天。朝十時頃】
(※事務的に)
「エピローグ 春風に乗って」
(※安堵しながら)
……ふう。なんとか逃げ仰せましたわね。
この河川敷の芝生にて、一休みいたしましょう。
(※呆れつつ)
もう……。ロッテンメイヤーさんったら、くのいち衆まで駆り出すなんて大袈裟すぎます。
お気に入りの日傘に苦(く)無(ない)が刺さって、穴が開いてしまいましたわ。くすん。
(※落ち着いた様子で)
あのご様子ですとお次は、お父様お抱えの私設兵団も投入しかねませんわね……ふう。
ですが、どのような追っ手が来ようとも、靜音はまだまだ帰りませんわよ。
だって、家を出てからたったの数日で、とっても多くの貴重な体験ができたんですもの。クスッ。
(※楽しそうに)
あらまあ。川辺に咲いた菜の花に、モンシロチョウさんがたくさん集(あつま)ってますわ。
もうすっかり春ですのねぇ。まあまあ、靜音のそばにもチョウチョさんが一匹……。
……と思ったら、これは桜の花びらですわ。辺りに桜の木は見当たりませんけれど……いったいどこから飛んで来たのでしょう?
きっと遠く遠くから、風に乗ってふわふわと飛んで来たのですね。
(※落ち着いた様子で)
ここから風に逆らって歩けば、早咲きの桜を拝見できそうですけれど……。でも、それはやめておきましょう。
なぜなら靜音は、生家に背を向けて旅立った身。出(しゅつ)自(じ)を辿(たど)る道は似合いません。
この花びらみたいに、風に吹かれてふわふわと、見知らぬ土地へ参りましょう。クスッ。
【最後に購入者へご挨拶】
(※楽しそうに)
……そういうわけで、靜音の家出の旅は、まだまだ続きます。
次はあなたのおうちへお邪魔させていただくかもしれませんので、そのときは、どうぞよろしくお願いいたします。クスッ♪
(了)