Track 1

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トラック1 鷺ノ宮凛はあなたに愛されたい

そう…ですか。初恋は実らないって本当ですね… 私、自信があったんですよ。私の告白をあなたが受け入れてくれる自信 私は鷺ノ宮財閥総帥(さぎのみやざいばつそうすい)の娘です 周りは好奇の目を向けてきましたが、あなたは違いました 私のことを知りつつも、一緒にいてくれました 微笑みかけてくれました。 私、あなたの笑顔が好きなんです 笑いかけてくれるたびに、嬉しくなって、心がポカポカしてきて… …理由を聞いてもよろしいですか? 傲慢と思われるかもしれませんが、断られるとは思っていなかったんです。 私の告白、実るって信じていたんです 私はお母様譲りの美貌を持っていますし、スタイルだって悪くないと自覚しています 何度か告白された経験があることから、男性から見た私は女性として魅力的なんだと思います 私は財閥の娘です。私と一緒になれば、将来お金で苦労することだってないはず… すみません、今の言葉は忘れてください… どうかしていました… 財閥の娘として見られることが嫌なのに、財閥の娘を武器にしてあなたに好かれようとしている 私、困惑しているんです… 今も頭で考え続けています どうすれば、あなたに好かれるだろうか? あなたに好きだって言ってもらえるだろうか? 私の告白を受け入れてもらえるだろうか? 頭の中で何度も何度も繰り返し考えてしまうんです 教えて…くれませんか? どうすれば私は、あなたと付き合うことができますか? …なんですかそれ? だったら、何であのとき私に優しくしてくれたんですか! 住む世界が違うって周りに言われて孤立していた私を、救ってくれたのはあなたじゃないですか! 一緒にいて笑ってくれたのはあなたじゃないですか! どうして、「住む世界が違う」なんて…言うんですか…… あなたにだけは言って欲しくなかったです… 結局、あなたも同じだったんですね… 周りの人たちと同じように、財閥の娘として見ていたんですね あなたには鷺ノ宮凛(さぎのみや・りん)として私を見てもらいたかったです ふふ、勝手に期待して勝手に失望して迷惑ですよね ごめんなさい… 教室に戻りましょう。まもなくチャイムがなりますよ それと、もう私に優しくしないで大丈夫ですから 私はもう孤独に悲しむような女の子ではないですから だから、二度と私に優しくしないでください… サヨナラ…

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