Track 2

02_それじゃあ……お姉様の口唇、頂いてしまうわ

「……こうして……お姉様に近付くだけで……胸が高鳴ってしまって仕方なくなるわ」 「……私にもこんな感情が存在して居たなんて……お姉様、教えてくれて有難う」 「この感情も、この想いも、全てお姉様だけへのもの」 「だから……沢山、受け取ってくれたら嬉しい。沢山、私を求めてくれたら嬉しい」 「全部全部、私の想いを、お姉様に」 「……お姉様」 「ちゅっ」 「……それではお姉様、いつも通り……目を閉じていて欲しい」 「……開けていても良いのだけれど……私はまだ少し、恥ずかしいから」 「お姉様、有難う、瞳を閉じてくれて」 「それでは、お姉様の口唇……頂いてしまうわ」 「……沢山私を感じて、私を求めて……お姉様」 「ちゅ、ちゅっ、ちゅーっ」 「今日も口唇、柔らかくて温かくて……触れるのが心地良い」 「もう数え切れない程にキスをしているけれど……何度しても……いいえ、すればするほどにお姉様とのキスの心地良さを知ってしまうわ」 「お姉様も……同じ気持ちで居てくれたら私も……とても嬉しい」 「……お姉様」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅーっ」 「……口唇を重ねるだけでこんなに満たされるなんて……私は知らなかった」 「肌から――口唇から伝わってくる体温がこんなに心地良いなんて、私は知らなかった」 「何も知らなかった私に、こんなに素敵な気持ちを教えてくれて、有難う。お姉様」 「お姉様は……本当に、私の大切な人よ」 「……キスをしているときのお姉様の息遣い……私も胸が高鳴ってしまうわ」 「顔に掛かる吐息も、鼻腔を擽るお姉様の匂いも……全てが私を幸福感で満たしてくれる」 「私をこんな気持ちにさせてくれるのは……お姉様だけ」 「この気持ちを教えてくれたのは……お姉様」 「もっともっと……沢山、温かくて素敵な気持ちを、私に教えて欲しい」 「……お姉様」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「……キスをすればするほど、お姉様が欲しくなってしまう」 「沢山沢山、お姉様に温かい気持ちを教えて欲しくなってしまう」 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」 「でも、私がお姉様を感じるだけでは物足りないの」 「私のもっともっと沢山を、お姉様に感じて欲しい。お姉様のもっともっと沢山を、私は感じたい」 「そして……求められたい。お姉様に、私の全てを求められたい」 「だから、お姉様? 口唇を触れ合わせるだけじゃない、お姉様が教えてくれた……もっともっと心地の良いキスを……」 「……もっともっと、私をお姉様の近くに」 「……お姉様」 「ふふっ、お姉様のお口の中……今日もとても優しくて温かい」 「他人の――人間のお口の中がこんなに温かくて心地が良いなんて……お姉様に教えて貰うまで知らなかった」 「凄く温かくて、熱くて、私の舌が溶けてしまいそうな錯覚に陥るわ」 『ねえ、お姉様? もっと沢山、お姉様のお口の中の温度……感じさせて欲しいの」 『お姉様』 「お姉様も私の舌の動きに応えてくれて……私を求めてくれて……舌だけじゃなく、心まで溶けてしまいそうになる」 「……でも、お姉様とだったら……心も身体も溶けてしまいたい」 『お姉様? もっともっと、溶け合いましょう?』 「こんなに沢山お姉様と交わることが出来て……私は幸せ」 「お姉様の体温も柔らかさも、匂いも味も……全てが私の心を擽ってくれるわ」 『だけど……私がお姉様に夢中になるだけじゃなく、お姉様にも……もっと私に夢中になってほしい』 『そして……お姉様を沢山、私で満たして欲しい』 『お姉様と舌を交える音も、舌の表面で絡み合う唾液の感触も……とても心地良い……』 『お姉様も……心地良く、なってくれているのかしら?』 『少しずつでも……胸が高鳴ってきてくれているのかしら?』 『吐息も舌も、触れている肌も、ほんの少し熱を帯びてきているから……胸が高鳴ってくれているのだと思うのだけれど……』 『私は、お姉様のお口から、お姉様の言葉で聴きたい』 『お姉様の心を高鳴らせてあげられているのか、聴いているだけで胸が熱くなってしまうお姉様の声で……聴きたいの』 『だから……嫌で無ければ……教えてほしい、お姉様』 『お姉様も……私とキスをして……胸を高鳴らせてくれて、いるかしら? お姉様は満たされてくれているのかしら?』 「……ふふっ、お姉様が胸を高鳴らせてくれて……私、とても嬉しいわ」 「お姉様の悦びが、私の悦びだから」 『だから……もっともっとお姉様を……悦びに染めさせて? もっともっと、私で満たさせて?』 『……お姉様』 「……ふぅ。お姉様のお口の中……本当に溶けてしまうくらいに心地良い」 「もっともっと、もっともっと深くまで……お姉様のお口の中を味わって……もっともっとお姉様の体内に触れてみたくなる」 『それぐらい、本当に心地良いわ、お姉様』 『言葉に出来ない程、心も身体も幸福に包まれてしまう』 「……ふぅ」 『次は……もっともっと深く深く、お姉様のお口の中に……』 『いつものように身体を楽にしていて。お姉様の心も身体も、私でいっぱいにしてあげるわ』 『お姉様の中を……私でいっぱいに……』 『ふふっ、想像しただけで……私まで胸が高鳴ってしまうわ』 『今日も……たくさんお姉様の中に……』 「ふふっ、お姉様のお口の深くまで舌を伸ばすの……本当に、心地良い」 「お口の深く深くまで舌を伸ばすと……お姉様が心地良くしてくれているのも、舌の先で感じられる」 『だから……もっともっと、お姉様を感じさせて。お姉様の悦びを、私に感じさせて』 『お・ね・え・さ・ま』 「ふぅっ」 「お姉様が悦んでくれているのがとても伝わってきて……私もとても満たされるわ」 『もっともっと、もっともっともっともっとたくさん、お姉様の奥の奥の奥の奥まで触れてみたくなる』 『本当に本当の……お姉様の奥深くまで』 『そこまで触れてしまったら……お姉様はどれほど満たされるのかしら?』 『お姉様がそこまで満たされたら……私はどれだけ満たされるのかしら?』 『ふふっ、興味は尽きないけれど……それはお姉様に望まれてからのお楽しみにしておくわ』 『今は……これくらいの深さでもお姉様は満足してくれているみたいだから……』 「ふぅ」 「お姉様も……十分に満たされたようだから……キスはこれぐらいに」 「……本当は、まだ完全に満足はしていないのは知っているの。私も……まだまだキスをして満たされたいという気持ちがあるから」 「でも……こうして区切りをつけないと、時間の許す限り――いいえ、時間が許さなくても延々とお姉様とキスをしてしまいたくなるの」 『永遠に、お姉様と、ずっと』 「ふふっ、でも……そんなことはしないわ。永遠は……素晴らしいものだけど、同時に恐ろしいものでもあるから」 「……でも、お姉様となら……私は永遠も悪くないと思い始めてる私が居たりもするけれど……」 「……その話は、時間があるときにさせて貰うとするわ」 『だから今は……お姉様と……限りある素敵な時間を……』 「それではお姉様、次は……もっともっと私を求めてしまいたくなること、してしまうの」 「……ふふっ、今日は……どうやってお姉様を心地良く、させてしまおうかしら」