Track1 「まことこまの自己紹介と、この音源の楽しみ方」(ドラマパート:温泉環境音)
;//タイトルコール
;3/右
【まこ】
「あやかし郷愁譚 マコ まことこま」
;7/左
【こま】
「あやかし郷愁譚 マコ こまとまこ」
;3/右 接近囁き
【まこ】
「(ふ~~~~っ)」
;7/左 接近囁き
「(ふ~~~~っ)」
;3/右→;11/右遠→F.O.
【まこ】
「うふふふふふっ――」
;7/左→;15/左遠→F.O.
【こま】
「くすくすくすくすっ――」
;///
;SE 湯おけのお湯、カポン
;SE お湯すくって、ざばぁ
;環境音 夏。温泉旅館の露天風呂 F.I.
;SE リスナー足からちゃぽっと湯につかる
;SE お湯でゆったりくつろぐ音。結構長めに
;SE 茂みががさがさ
;9/前遠
【まこ】
「あらあら、本当に人間のお客様。こまちゃんのいったとおりね」
;9/前遠 呼吸音中まわりこみ動作で →;16/左前遠→;15/左遠→;6/後左
【こま】
「こま、耳には自信あるから。
……ん。っていうか――
<;SE 湯船のまわりをまわって、入浴中のリスナーにずかずか近づいていく足音>
(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)
……ふぅん」
【まこ】
「ちょっ! こまちゃん!!?
お客様ご入浴中なのよ?!」
;6/後左
【こま】
「(くんくん、くんくん、くんくん、くんくん)」
【まこ】
「こ、こまちゃん!? なにをしているの?
まこ、こまちゃんをそんなはしたないこに育てた覚えはありません」
【こま】
「こまも育てられた覚えない。
それより、まこ。このおにいさん、いい匂い。
身体の――ううん、魂の一番奥底から、あの懐かしい海の匂いがする」
【まこ】
「えっ!?」
;SE まこ 小走り足音 →;10/右前遠→;11/右遠→;4/後右
【こま】
「走ると危ない。足元、すべりやす――――あ」
;4/後右→;1/前
【まこ】
「ひえっ!!?」
【こま】
「おお」
;SE まこ、湯船に落下 (どぼーん)
【こま】
「まこ、大胆」
【まこ】
「ぷあっ! あっ! けほっ、こほっ――
あっ!? お、お客様、大変失礼いたしまた――てっっ!!!?」
【こま】
「こま、まこをそんなはしたないこに育てた覚え、ない」
;SE ざぶざぶ湯をかきわけて風呂のヘリにあがる
;1/前→;4/後右
【まこ】
「~~~~~~~っ!!!」
【こま】
「ひょっとして――見えた、とか?」
【まこ】
「大変っ! 大変失礼いたしましたっ!」
【こま】
「ああ、やっぱり見えたんだ」
【まこ】
「そのようなつもりはまるでなかったのです。
けれど――その――ゆっくりお風呂につかっているところをお騒がせしてお邪魔して。
そのうえ……その、うえ…………おま、た――おま、たを――まこ――のぞきこむ、ような、形に」
【こま】
「(わざとらしいため息)……まこの罪はこまの罪。だから、まことこまを許してほしい。
お詫びに――お詫びに。――ああ、そう」
;7/左 接近囁き
「今日もこの宿に泊まるなら、とびきり美味しいお魚を、おにいさんに届けるから」
【まこ】
「あ。こまちゃん、それはいい考えね。
――あ……(呼吸音)(呼吸音)――はい、そうなんですよ。
わたしたち、まことこまは、この旅館の厨房にお魚をおろしてまして……。
マコという名のあやかし――といって、おわかりになりますかしら」
【こま】
「魚偏に麻。魚偏に古い、って書いて、マコ。
まことこま、一対二身(いっついにしん)で一体の、海から来たあやかし。
だから、魚のことはよく知ってる。捕ろうと思えばいくらでも捕れる」
【まこ】
「いくらでもはおおげさですけど、人間とか、シバテンあたりよりは遥かに上手に。
ですので、お好みのお魚などございましたら…………(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――まぁ」
【こま】
「今朝の鮎(あゆ)も。おろしたのはもちろんまことこま。
お客さんがそんなに美味しく食べてくれたなら、こまもうれしい」
【まこ】
「いままでで食べた中で一番おいしい鮎だったまでお褒めいただけるだなんて――
うふふふっ、ありがとうございます」
【こま】
「魚の味がわかる人間。こまは好き。
気に入ったから、まことこまの魚釣り、見に来てもかまわない」
【まこ】
「こまちゃん、お客さんにそんな失礼な……え?
(呼吸音)(呼吸音)――むしろ興味がある、のですか?
まぁ――うふっ、うふふふふっ、そういうことでしたら、もちろん、よろこんでご案内いたします。
というか、手ほどきはいかがですか?」
【こま】
「まこは、こんなにおっとり見えてえげつないくらい釣り名人。
川魚のことはまだまだ勉強中だけど、それでも、魚籠(びく)いっぱいは一時間もあれば釣り上げる」
【まこ】
「こまちゃんは、投網の名人なんですよ?
茂伸川ではなかなか使ってもらう機会もないのですけれど――え?
(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい、うふふっ。どーお? こまちゃん」
【こま】
「別に投げるのはかまわない。
というか、投網を使うなら……」
【まこ】
「そうね。いつもより下流の方――
釣果(ちょうか)は狙いづらいけど、親水公園よりもっと下流にいってみましょうか」
【こま】
「だって。いこう、お客さん」
【まこ】
「って、こまちゃん、そのまえに」
【こま】
「あ、そうだった。あのね、お客さん……っていうのも他人行儀。
だって、一緒に釣りにいくんだし、懐かしい海の匂いもするんだし」
【まこ】
「こまちゃん、そんななれなれし……ぁ……(呼吸音)(呼吸音)
そうなんですか? それでしたら、はい。もちろん。
うふふっ、いわれたらそうですね。
まことこま、この旅館の従業員ではありませんし」
【こま】
「そうそう。おにいちゃんは、この旅館のお客さんだけど、
こまとまこのお客さんじゃない、ね? おにいちゃん」
【まこ】
「おにいちゃん……は――(呼吸音)(呼吸音)――
うふふっ、よろしいのですか?
それなら、まこも、『おにいさま』と」
【こま】
「じゃ、あらためて、おにいちゃんに教えてあげるね?
あのね、おいしい魚を上手に釣るためには、
川釣りでも海釣りでも、川の音、海の音を聞くことがとっても大事になるの」
【まこ】
「流れを読む――って、人間の言葉ではいうみたいですね。
音は、そのはじめの一歩となるんです。
ですから、ね? どうか、ヘッドホンかイヤホンを」
【こま】
「っていっても、いまお風呂だからもってるわけないよね。
ん……
<;SE ガサゴソ音>
はい、おにいちゃん。
こまの貸してあげるから、つけてみて? っていうか、つけてあげる」
<;SE イヤホンを耳の穴にいれてもらう音。左耳――>
【こま】
「まこ。そっちつけてあげて」
【まこ】
「はぁい。うふふっ」
;3/右 接近囁き ”ん”で→;4/後右
【まこ】
「それじゃあおにいさま。失礼しますね?
ちから、抜いててくださいね? ん……」
<;SE イヤホン挿れ、右耳>
;6/後左→”ひだり”から;7/左 接近囁き
【こま】
「はいった? じゃ、試そう。
”ひだりみみ~~” (ふっ!)(ふーーーーっ)」
;3/右 接近囁き
【まこ】
「右のお耳。どうですか? よーく聞こえますか」
;6/後左
【こま】
「そしたら、まこ」
;4/後右
「そうね、こまちゃん。せーの」
;同時
;6/後左→;5/後→;4/後右
【こま】
「ぐるーーーーん」
;同時
;4/後右→;5/後→;6/後左
【まこ】
「ぐるううううり」
;4/後右
【こま】
「ちゃんと聞こえてる? ……(呼吸音)(呼吸音)――
そ。ならよかった……って、あれ? おにいちゃん、耳まで真っ赤。
ははぁ、さてはこまのすいーとぼいすの魅力に」
;6/後左
【まこ】
「じゃなくてこまちゃん! ああ、ごめんなさい。
そうですよね、まことこまがいたら、お風呂からあがろうにもあがれませんよね。
あああ――すみません。わたしたちすぐに移動します」
;5/後右
【こま】
「この宿の入口前で待ってるから。
着替えとしたくおわったら、きてね、またねー。
イヤホンは、自分のつけたら返してくれるんでいいからねー」
;SE こま足音 ;5/後右→;3/右→;10/右前遠→;9/前遠→茂みがさがさ
【まこ】
「ああ、もう、こまちゃんっったら。
それじゃあ、まこもひとまずは失礼します。んしょ」
;SE まこ足音 ;6/後左→;7/左→;16/左前遠→;9/前遠→茂みがさがさ
;9/前遠(茂み越し)
【こま】
「それじゃあ、またねー」
;9/前遠(茂み越し)
【まこ】
「うふふ、またあとで」
;環境音 F.o