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プロローグ。万岡鉄道検修庫・出区準備

;タイトルコール ;7/左 近接 【すずしろ】「蓄音レヱル 万岡(もおか)鉄道C12 67専用レイルロオドすずしろ・万岡」 ;以降本編 ;環境音 始業検査(気動車のエンジン音がかぶってないとこだけで組み立ててもらえると嬉しいです) ;環境音は流しっぱなしで(セリフと音のタイミングあわせたりしないで)大丈夫です ;始業検査をしている庫内手さん(機関車を動かすための整備の方)たちがいるので、すずしろ女優モードです ;9/前遠 【すずしろ】「……はぁ。今日も蒸しますね、マスター。 長かった梅雨がようやくあけたとおもったら、今度はムシムシする日ばかりで……」 ;1/前 【すずしろ】「すずしろ、蒸機レイルロオドですから、気温50度くらいまでなら暑さは全く問題にもならないんですけど、湿度がこうも高いと、ああっーー髪の毛がどうしてもまとまらなくって。ね、マスター」 ;7/左 近接 【すずしろ】「すずしろの髪、おかしなことになってませんか? 乗務だけならともかく、今日って、女優のすずしろに会いたいっていうお客さんがーーあ」 ;SE 男性の足音近づいてくる ;7/左 ひそひそ話 【すずしろ】「あの人ですね、マスター。取材腕章つけてる……ってーーん? あの顔ーーって」 ;7/左 マイクと同視線。完全よそ行き 【すずしろ】「お久しぶりです、記者さん。またお会いできて光栄です。 (呼吸音)(呼吸音)ーーうふふっ、もちろん覚えていますよ。 記者さんにご依頼いただいた『蓄音レヱル』で御一夜の各所をマスターとまわれて…… すずしろ、本当に楽しくて幸せな時間を過ごせましたからーーっと」 【すずしろ】「ごめんなさい。すずしろの声、聞こえづらくないですか? いま出区準備(しゅっくじゅんび)中だから、いろんな音でにぎやかで……」 【すずしろ】「出区準備ーー他の鉄道事業者さんだと始業点検っていうとこの方が多いのかな? 要するに、一日の一番最初の乗務の前の、各種点検整備のことなんですけど」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)ーーあ! 興味を持っていただけるなら嬉しいです。 じゃ、少しの間、耳を済ませて聴いてみて下さい」 【すずしろ】「(呼吸音 一分ほど)」 【すずしろ】「……注油の音。給水の音。給炭の音。コンプレッサーが圧縮空気を作る音。 どれもすずしろたちには日常で、普段は気にもとめない音たちですけど……」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)ーー改めて耳をすませてみると、結構ここちいいですね。 蒸気機関車は、レイルロオドの次に生き物に近い機械ってーー そういわれている理由、聴覚センサから伝わってきてるようにも感じちゃいます」 【すずしろ】「もっとも生き物だとしたらーーうふふっ。 すずしろのC12 67みたいにとっても小さな機関車だって、 信じられないくらいに手がかかって、大食らいで、まわりを呆れさせちゃいそうですけど」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)ーーはい。かかるんですよ。 手。多分、記者さんが思ってる以上に」 【すずしろ】「例えばオイル。こんなに小さい機関車なのに、毎日の運用ごとに200箇所以上の注油が必要になりますし、使うオイルの量も15リットルを優に超えます」 【すずしろ】「コールバンカー……炭庫(たんこ)ーーここ、このサイドタンクに山積みで1.6トンの石炭も、タンクなみなみで6トンほどの水も。 万岡の検修庫(けんしゅうこ)を出て霜館(しもだて)にいって、霜館-茂樹(もてぎ)間、41.9キロを往復して、また万岡に戻ってくるだけでも……」 ;7/左 マイクに向かってひそひそばなし 【すずしろ】「……ね。マスター。無給炭はともかく、無給水で往復って無理だよね? 季節とか天気にもよるけど、天矢刃(てんやば)の坂もあるしーー(呼吸音)(呼吸音)ーーだよね、うん」 ;7/左 マイクと同じ視線 【すずしろ】「石炭も水も補給しなくちゃ、空っぽになって途中で絶対とまっちゃう…… そのくらいに、燃費も効率も悪いこなんです、このこ。 けど、だからこそーー」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)ーーこうして、生き物みたいに呼吸するんですよ。 空気を吸って、蒸気と煙を吐き出して、動輪にいっぱいの力を込めて。 わたしたちを、お客さんを、頑張って運んでくれるんです」 【すずしろ】「あ! そうだ、こういう音がお好きだったら、打音検査も楽しいかもです。 えとですね、ボルト、締まってるときにはこういうふうにーー」 ;SE打音検査(ボルト、閉) 【すずしろ】「ね? 残響がたくさん響くんですけど、 このボルトをいったんわざとゆるめてーーん……」 ;SE ボルト緩め 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)」 【すずしろ】「緩めてからもっかい打音検査するとーー」 ;SE 打音検査(ボルト 緩み) 【すずしろ】「わかります? おんなじ位置のおんなじボルトなのに、残響が全然なくなっちゃうんです。 だから、こういう音のときにはすぐにボルトを締め直してーー」 ;SE ボルト締め 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)ーーよしっ。あっ!? じゃなくて!」 【すずしろ】「ごめんなさい! すずしろ、自分がたりなんてしちゃって。 記者さん、ご用事があってお運びくださったのにーーーーえ?」 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)ーーああ! そうだったんですね! ちょうどいいお話の流れだったならよかったです。 それで、お話っていうのは……(呼吸音)(呼吸音)ーー『音』」 ;7/左 マイクと同視線 →“ね”からマイク向き 【すずしろ】「……(呼吸音)ーー万岡鉄道、万岡線沿線のーー(呼吸音)ーー! 『蓄音レヱル』を万岡でもってお誘いですか! もちろん、もちろん大歓迎です! ね、マスター!」 【すずしろ】「『蓄音レヱル』の音探しする準備だって、すぐーーえと、マスターの愛用のヘッドホンかイヤホンは……っと、あった。はい、マスター、つけたげる」 ;SE ヘッドホンかイヤホン装着 【すずしろ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)ーー うん。で、動作確認」 ;7/左 【すずしろ】「左耳~~ ーーよし!」 ;7/左→;3/右 【すずしろ】「で、右耳も~ーー(ふーーーーーっ)ーーよし!!」 ;3/右→;1/前→;7/左→ささやき 【すずしろ】「そしたらラスト。ぐr----ってまわってのーー ふふっ、『ささやきかけも』ーー」 ;1/前 【すずしろ】「うん! ばっちりオーケーみたい。よかった」 ;7/左 マイクと同視線 【すずしろ】「こんな感じにマスターも大歓迎してくれてますから、安心して任せてください! すずしろ、万岡が地元ですから、あんな音やこんな音、お伝えしたい音がたくさんで! ーーあっ」 ;7/左 マイク向き 【すずしろ】「えと、マスター。すずしろ、その……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)ーーうん」 ;7/左 マイクと同視線 【すずしろ】「記者さん。ひとつだけご相談いいですか」 【すずしろ】「すずしろ、どうしてもーー(ごくっ)ーー『蓄音レヱル』でご紹介したい音があるんです」 ;環境音 F.O.

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