Track 1

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プロローグ。かにこの自己紹介(御一夜鉄道、レールショップ内)

;タイトルコール ;1/前 【かにこ】「蓄音レヱル ~北開道鉄道(ほっかいどうてつどう)C11形(しーじゅういちけい)蒸気機関車C11 202(-にいまるにい)専用レイルロオド かにこ」 ;以降本編 ;環境音 御一夜鉄道レールショップ内(空調。遠く、蒸気機関車の発車待機音) ;SE 足音(アスファルト、一歩) ;かにこはガッチガチに緊張してます ;1/前(マイクに背中向き) 【かにこ】「ここが、あの――あの有名な御一夜鉄道レールショップ。 鉄道復権の灯火をともした、御一夜鉄道の金看板たる営業拠点」 【かにこ】「………………(ごくり)」 ;1/前(マイクの方に振りかえって) 【かにこ】「マスター。かにこの身だしなみ。 着衣と髪型、あと、顔に変なのがついてたりしないか」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――大丈夫ならよかった。これでもうかにこは行ける。 ……行ける…………行ける……………………んっ」 【かにこ】「行けるけど、マスター。できれば一緒に。 (呼吸音)――うん」 ;3/右(二人横並びなので、マイクと同じ視線方向) 【かにこ】「(息を深く吸って)――行く。せーの」 ;SE ドア開 【かにこ】「失礼します。北開道鉄道から来ました、C11 202専用レイルロオド。かにこです――っ!!?」 【かにこ】「あ――まさか雛衣(ひない)ポーレット社長に出迎えていただけるなんて。 恐縮です。(呼吸音)――はい、もちろん。お名前もお姿も。――もちろん」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。かにこは尊敬してます。その……御一夜鉄道さんが為されたこと。鉄道による地域復興の……えと」 【かにこ】「ナインスターズ計画――成功させて、分断されていた鉄路をつなぎ直した実績。凄いと思って……その……」 【かにこ】「えと! 今回、出張でに九洲来ることができたので、マスターと一緒に。ついに念願の御一夜鉄道に来れて――すごく、嬉しくて――」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。聞いてました。事前に。ハチロクさんも視察でタイミング合わないの。。 それはもちろん残念――え?――、(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――電話……電話がつながっている――ハチロクさん――ハチロクさんと!!?」 ;3/右(マイク向き) 【かにこ】「どどどどどどどどどどうしようマスター、かにこ、まさかハチロクさんと電話でおしゃべりできるだなんて夢にも全然予想だに全くこれっぽっちも――(呼吸音)――あ、うん。おまたせしちゃダメ――っ!」 ;3/右/マイクに背中向き(電話対応。緊張) 【かにこ】「あ――あの、お電話変わりました。C11 202のかにこです。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。ハチロクさんとお話できて、かにこ――かにこ――その――(感動で言葉がでてこない)」 【かにこ】「……あ、ありがとうございます。なら――ならかにこは。かにこはハチロクさんに、北開道の鉄路復活のためのヒントを、ええと、なにか一つでもと――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――え?」 【かにこ】「『蓄音レヱル』――読んでます、もちろん。あの新聞記事。レイルロオドたちが、それぞれの地元だったり、ゆかりのがあったりな鉄道の沿線を、音風景から紹介していく、面白い記事」 【かにこ】「かにこもいつかは北開道鉄道の沿線を――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――え? 今すぐ? かにこがですか? 御一夜鉄道、湯医線(ゆのいせん)沿線の紹介を――蓄音レヱルで!?」 ;3/右 驚いて、視線をマスター(マイク)に向けながら電話継続 【かにこ】「その、ええと――(呼吸音)――あ、いいえ。ごめんなさい。あの、かにこびっくりしすぎて。 (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――嬉しいお話です。すごく。でも、あの、どうしてかにこに……」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)――はい。(呼吸音)(呼吸音)――はい。 湯医線の湯医方面は、『自然や歴史遺産を活かした観光』でもりあがっている――ああっ!!!」 ;電話をほうって思わずマスターに →電話にあわてて向き直る 【かにこ】「わかった気がする。ね、マスター。北開道、自然や歴史遺産なら売るほどあるから――あっ!? あの、失礼しましたハチロクさん。かにこ――マスターがOKだったら、あ、OKだそうですので、このお話、ぜひ引き受けさせてほしいです」 【かにこ】「そうするためには……(呼吸音)(呼吸音)――はい――(呼吸音)――はい。わかりました」 【かにこ】「かにこは全力でがんばります。きっと、結果も出します。だから。だから、ええと――だからいつか、かにこはいつか」 【かにこ】「ハチロクさんといつか直接お会いして、またお話をききたいです」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あっ! ありがとうございます。そのときを楽しみにしています」 【かにこ】「お話、本当にありがとうございました――(呼吸音)――はい。その……それでは」 ;SE 電話切る ;3/右 ‘っ!”から →;1/前 【かにこ】「(興奮から、しばし放心している呼吸音。10秒ほど)――っ! マスター! マスターマスターマスターマスター!」 ;1/前 【かにこ】「ハチロクさんに教わった。『蓄音レヱル』のための、音探しのやり方を。 だからかにこはうまくやる。やらなくちゃいけない。北開道の鉄路のためにも、ハチロクさんに恩返しするためにも。かにこ自身のためにも」 【かにこ】「マスター、お願い。かにこと一緒に――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん」 【かにこ】「じゃあハチロクさんから教わったとおりに準備を。 マスターが少しだけ屈んでくれたら――うん。そんな感じ」 【かにこ】「そのままいて。最初はマスターの耳に、ヘッドホンかイヤホンをつけるところからだから」 ;SE ヘッドホンイヤホン装着(両耳同時) 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――こんな感じでいい? なら、テストを」 ;3/右 【かにこ】「右耳はどう?」 ;7/左 【かにこ】「左耳は? 普段きいてるかにこの声より、よく聞こえてる?」 【かにこ】「よさそうだったら、最後の確認。 ええと確か――」 ;7/左→;1/前→;3/右 【かにこ】「ぐるーーーーーーーーーーってまわりこんで。それから」 ;3/右(ふきかけ→囁き) 【かにこ】「(ふーーーーーーーーーーーーーーーーーっ) 吹きかけて。それから、ちいさな声もちゃんと聞こえるかテストする」 ;1/前 【かにこ】「(呼吸音)――そか。うん。ちゃんと聞こえてるなら試験終了。それじゃあ――と」 ;1/前(マイクと同じ視線) 【かにこ】「えと、その――雛衣社長。ハチロクさんと電話を――ええと、今回のお話を繋いでくださってありがとうございました」 【かにこ】「御一夜鉄道湯医線沿線の魅力を、かにこは必ず――その、たくさん感じて、記事になるようにお伝えして――そのことで、ええと、ご恩返し――できたらいいなって……」 【かにこ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――はい。ありがとうございます。でも――」 ;かにこ、反射的に殻にこもってしまう。ので、半ば以上ひとりごと 【かにこ】「でもかにこ……リラックスして仕事するなんて、無理。そんなに優秀なレイルロオドなら、北開道をこんな状況になんて……最初から――っ!!?」 【かにこ】「あ、その――すみません、お言葉を返すつもりじゃないんです。そのっ――だから、ええと――っ!! 頑張ります。頑張ってリラックスして、かにこは湯医線沿線、その、リラックスして楽しみます」 ;自分の失言に凹んでいるのを隠そうとするが隠しきれてない 【かにこ】「それでは、そのっ――失礼します」 ;環境音 F.O.

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