Track 4

延命御猿水

;環境音 サイクリング ;SE ゆっくりゆっくりペダル踏む音 ;3/右 (接近、インカムなので囁かない) 【かかあ】「(ぶはっ!)(ぐっ)――(めちゃくちゃしんどい呼吸)*8」 【かかあ】「んぐぐ~――、ギ、ア――もっと、軽くっ――」 ;SE ギアがちっ 【かかあ】「んっ!!! (歯を食いしばってペダル踏み込む呼吸音)*6――かっ! くは~~~っ!!!」 ;SE stop ;SE くだり坂しゃーっ 【かかあ】「はぁ、はぁ、はぁ――いまの登りはキツかった~! ね、旦那。ちょっとそこで止めてもいいかな。 あたし、またお水飲みたくなっちゃって」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っ!? うわ、あたしがガブガブ飲む過ぎちゃったからかー。 あっちゃ、ごめんね。旦那の方が絶対にお水必要なのに」 【かかあ】「……っていうか、千本桜のとこでお水買えばよかったね。自販機あった気がするし。 この辺、コンビニもお店も見当たらないし、自販機もいざ探すとなると」 ;SE ペダル踏む(平地) 【かかあ】「(自販機探しながら自転車走らせる呼吸音。一分ほど)…… ない、よね。もうあたり完全に山で森だもんね……駅の近くとかなら流石にもっとあるんだけど――(呼吸音)(呼吸音)――あ!」 【かかあ】「ね、旦那、いま看板――(呼吸音)(呼吸音)――だよね、もう近くまで来てたんだ、『延命御猿水(えんめいおさるみず)』」 【かかあ】「観光客さんが時々話してるやつだよね、すごく美味しいって評判の湧き水。なら、飲めるし、ボトルにだって詰められるし――(呼吸音)(呼吸音)――あ、そうだね、湧き水なんて結構いい音もしそうだし、一石二鳥にも三鳥にもなりそうかも!」 【かかあ】「じゃ、決まりだね。さっきの看板の感じだと……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――だね、この道そのままいけば、また案内看板とかありそう」 【かかあ】「うふふっ! また元気でてきた。あたし、湧き水も飲むのはじめてだから、すっごく楽しみ! ――っ!!」 ;SE ペダルぐんぐん踏んで加速、走行音遠ざかってく 【かかあ】「旦那! あたし先行って様子みてるね!!!」 ;環境音&走行音 F.O. ;1/前 (インカムではなく、生声) 【かかあ】「っと」 ;SE 自転車ロック→ガチャガチャ ;環境音 延命猿水付近 F.I, 【かかあ】「鍵をしっかり――(呼吸音)――うん、よし! あとはこの先に歩いてけばいいんだよね、延命御猿水。結構山道になってるっぽいけど――(呼吸音)――あ! いいものみーっけ!」 ;SE 足音数歩 ;1/前→‘この地図”から;3/右(マイクと同じ視線方向) 【かかあ】「ね、旦那、これこれ。この看板に地図描いてある。『滝巡りマップ』だって。ええと……(呼吸音)(呼吸音)――あ、延命御猿水はわりとここから近くっぽいね。よかったー」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――他にも観光地まとまってるんだね、この辺。滝澤不動尊、お不動大滝――滝澤温泉に赤木温泉……地元過ぎて逆にいったことないけど、どこも観光客さんからの評判はいいとこだよね」 【かかあ】「……不動尊までは二十分。その道中に御猿水がある。で、不動尊からさらに二十分でお不動大滝って書いてある。単純計算で片道四十分。三箇所それぞれ観光してって考えると~~……(呼吸音)往復で二~三時間はみとく感じになりそうかなぁ」 【かかあ】「そうなっちゃうと……そこからあんま遠出はできなくなるけど……どうしようね」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――だよね。せっかくここまで来たんだし、お不動大滝は凄いって評判だから前からいってみたかったし! うん、全部ぐるっとめぐってみよー!」 【かかあ】「じゃ、まずは延命御猿水だね。地図で見る感じだと十分もかからなそうだし、いってみよー!  えへへっ! 湧き水、楽しみだなぁ!!」 ;SE 足音(山道・継続) ;5/後 【かかあ】「(山道で少しつらい呼吸音)*3――って――歩いて登る山道は――ん――自転車で登るのと、また別のとこ――別の人工筋肉に負荷かかってきて――んぁ! お尻、これ、なんか凝ってきてる感じする――(呼吸音)(呼吸音)――ああ」 ;SE=腰を叩く感じで自分のお尻をとんとん叩く(歩いたまま) 【かかあ】「……(呼吸音)(呼吸音)――あー、ほんとだ。軽く叩くとほぐれるみたいな感じする。ちょっと――結構ラクになるかも……ありがと、旦那。あ、そだ! ね? あたし旦那のお尻叩いてあげるね――ふふっ」 ;SE 歩くリズムにあわせ、両手でとんとんお尻叩いてあげる音 【かかあ】「いちにいとんとん、さんしいとんとん、ごおろくとんとん、しちはちとんとん」 ;SE stop 【かかあ】「うふふっ、どう、旦那、ほぐれてる? (呼吸音)――あはっ! ほぐれてるなら、もーちょっと続いて叩いてあげるね!」 ;SE リズム尻叩き(継続) 【かかあ】「いちにいとんとん、さんしいとんとん、ごおろくとんとん、しちはちとんとん。 おやまのおさるの、おみずをさがして、やまみちとことこ、おしりをとんとん――あはははっ」 【かかあ】「ってか、あたしの方も、なんだかほぐれてきたみたい。 動作がが最適化されはじめてきたのかな――(呼吸音)(呼吸音)――ああ、馴染む……。 体が馴染む。慣れ始める。ふふっ、そっちのいい方の方がずうっといいね。おんなじことを言うんでも」 ;SE stop 【かかあ】「人間のマネをしたいわけじゃ全然ないけど、もっと自然に人間と――旦那と寄り添えるようになるなら、そっちの方がずうっといい。あたしてきにはレイルロオドって……レイルロオドの理想形って、そういうとこだと思うから」 【かかあ】「鉄道車輌の運転制御をサポートする人形・人形形モジュール。それが作られた当初の目的だとしたってさ。レイルロオドも人間とともに、列車を走らせ、鉄道網を広げていって――それがもう、2世紀近くになるわけじゃない」 【かかあ】「大廃線で鉄道網がズタボロになって、鉄道が無用の長物とみなされかけて。それでも鉄道は、レイルロオドは、生き延びたんだし……山あり谷ありいろいろあって、その間には、人間とレイルロオドの関係だって、かわって当然だって、あたしは思うの」 【かかあ】「実際こうして――レイルロオドたちにだよ? 『沿線の、素敵な音を聞くことができる場所を紹介してほしい』なぁんて新聞記者さんからの依頼が来たりするくらいなんだから……『運転制御を補助するだけの人工知能』には、そんな依頼をしない……あ!? するかも!」 【かかあ】「だって、地図検索アプリ……ゴーグルマップとかでそういうの調べたりするもんね。『この近くの美味しいレストラン』とか。そのノリで、『常州電鉄の沿線で、いい音を聞くことができる場所』って、検索かけられてるだけなのかもね、あたしと旦那」 【かかあ】「けど、うん。そうだとしても! あははっ! 人工知能と人間が、それだけ近く寄り添えるようになってきてるってことは変わらないよね。あたしがロールアウトした100年前とかに、紙の地図とかレイルロオドにそんなこと聞くひと、世界中探したってだぁれもいなかったもん――あ!」 ;SE かかあ小走り→stop ;9/前遠 【かかあ】「旦那ー! あったー!! あはは! お猿すっごくちっちゃい! 水も、めーっっちゃちょぼちょぼしか湧いてない!!! ね、来て来て早く!」 ;環境音 猿水をプラス ;3/右 【かかあ】「ね? ぽたぽたぽたって……名所っていうには……なんていうか、貧弱だよね? これって――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あー、そっか、最近ずーっと晴れが続いたせいとかもあるのかもね」 【かかあ】「コップもあるし、飲んで平気なんだよね? けど……(呼吸音)――んー、コップすっごく古くて使うの怖いね。(呼吸音)(呼吸音)――あ、そか、なるほど」 ;$=ポタポタ音ボリューム↑ (呼吸音が終わったら戻す) 【かかあ】「両手をあわせてコップ代わりにして――ん…… $ (呼吸音)*8 ……あ、ゆっくりだけどちゃんと溜まるね。あとね、お水かなり冷たい。美味しそう」 【かかあ】「これ、もう飲めるよね……(呼吸音)(呼吸音)――えへへ、それじゃあいただきまーす! (こくっ、こくっ、こくっ)――あ、美味しい。なんか――透きとおったっていうか、なーんの飾り気も無いお水、って感じする」 【かかあ】「電車レイルロオドのあたしでもそう感じるんだから、お水が絶対必要な蒸気機関車レイルロオドのこたちとか、めっちゃ喜ぶんじゃないかなぁ。とぶてつのりいこちゃん――そ、そ、あの昆虫大好きなレイルロオド――あのことか、大喜びしそうだよね。わりと近所だし、ここ、虫もたくさんいそうだし、今度さそってみてもいいかも」 ;$=ポタポタ音ボリューム↑ (呼吸音が終わったら戻す) 【かかあ】「って、無駄話してる場合じゃなかった。旦那も喉かわいてるよね。あたし、お水ためてあげるから、のんでのんで……$――(呼吸音)*8――っと」 【かかあ】「はぁい。あーんして? 『あーん』 (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ねーっ、おいしいよね、このお水。旦那の顔みたらわかる。うふふふふっ!」 【かかあ】「先に進む前に、このお水ボトルいっぱいにためていった方がいいよね。 旦那のボトルを――(呼吸音)(呼吸音)――ん……こんな感じかな? ぽたぽたのお水を受けるように、っと――」 ;SE ポタポタ音を+ボトルに 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん。これでよし、っと! たまるまでの間、ちょっと休憩ってことになるねー」 【かかあ】「旦那、足平気? 足でもお尻でも他のとこでも、痛いとか凝ってるとかあったら、あたし叩きでももみでもするけど」 ;3/右 ”んしょ”――で、 →;1/前 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――オケオケ。それなら念の為、かるーくふくらはぎだけマッサージしとこうか。――んしょっ。オッケー、まずはマスター、右足だして。靴、そのままで平気だから。(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」 ;SE 右ふくらはぎマッサージ(継続) ;2/右前 【かかあ】「じゃ、軽く叩いてもんでくね。とんとん、もみもみ。とんとん、もみもみ―― (呼吸音)(呼吸音)……(呼吸音)(呼吸音)―― あー、すごい、結構負荷かかってるんだね――(呼吸音)(呼吸音)―― この短時間で、かなりカチカチな感じになっってる」 【かかあ】「これ、こうやって――(呼吸音)(呼吸音) 親指つかってぐいぐいやって――(呼吸音)(呼吸音) 少し強めに――(呼吸音)(呼吸音) もんで――(呼吸音)――ほぐし、てっ――(呼吸音)」 【かかあ】「あとは足首も曲げ伸ばししといたほうがよさそう。 ひっぱるよ~――はい、のばーーす――(呼吸音)(呼吸音) ちぢめる~(呼吸音)(呼吸音) のばーす(呼吸音)(呼吸音) ちぢめる~(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「足首ぐるぐる~(呼吸音)(呼吸音) ぐるぐる~ぐるぐる~(呼吸音)(呼吸音)―― もっかいのばーして(呼吸音)(呼吸音) ちぢめて~~(呼吸音)(呼吸音)――で、はい、右足おしまい!」 ;SE stop ;1/前 【かかあ】「ふうっ。それじゃ今度は左足だね~。力ぬいて~あたしに任せて~」 ;SE 左ふくらはぎマッサージ(継続) ;8/左前 【かかあ】「こっちもとんとん、もみもみも。とんとん、もみもみ。とんとん、もみもみ―― (呼吸音)(呼吸音)……(呼吸音)(呼吸音)―― 右左とも――(呼吸音)――結構おんなじ感じかも――(呼吸音)―― 多分これ――(呼吸音)――バランスよく――(呼吸音)――足使えてる証拠だよね」 【かかあ】「だからこっちも――(呼吸音)(呼吸音) 親指ぐいぐい(呼吸音)――押し込んで――(呼吸音) ほぐして、ほぐして――(呼吸音)(呼吸音) 血液――(呼吸音)――流して~~――(呼吸音)」 【かかあ】「足首も――ん。曲げて伸ばして、はい、いくよ~。 のばーーす――(呼吸音)(呼吸音) ちぢめる~(呼吸音)(呼吸音) のばして~(呼吸音)(呼吸音) ちぢめて~(呼吸音)(呼吸音)」 【かかあ】「今度はぐるぐる~(呼吸音)(呼吸音) まわして~まわして~(呼吸音)(呼吸音)―― 最後にのばーして(呼吸音)(呼吸音) ラスト、ちぢめて~~(呼吸音)(呼吸音)――うん。できた」 ;SE stop 【かかあ】「多分、足少しは軽くなってると思うよ? 旦那の体のことだもん、少しさわればわかるしさ。ふふっ――っと、そうだった、ボトルボトル」 ;SE 足音数歩 ;ボトルポタポタvol ↑ ;3/右 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ん、もーちょっとでいっぱいになるね…… (呼吸音)*4――もう少し……ん―― (呼吸音)*4……っと――ん……(呼吸音)(呼吸音)――うん! こんなもんだね!!!」 ;SE ポタポタ音ボトルout ;SE ボトル蓋閉め 【かかあ】「あ、結構水滴がついてる。それだけ冷たい水なんだね~って、拭かなきゃねえ。 タオルタオル」 ;SE ボトル、スポーツタオルで拭く 【かかあ】「(呼吸音)*4。はい。どーぞ旦那」 【かかあ】「(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ。お水の補給もしっかりできたし、足もばっちり休めたし! それじゃあ次の観光ポイント、『滝澤不動尊』いってみよー!!!」 ;SE 足音 →遠ざかってF.O ;環境音 F.O.