滝澤温泉
;SE 湯おけカポン
;11/右遠 (壁越し)
【かかあ】「ふあーーーーーーー、いいお湯~~~」
;環境音 露天風呂 F.I.
【かかあ】「ねー、旦那ー、そっちもいいお湯? って、お湯はおんなじに決まってるか。
同じ源泉から引いて、男風呂女風呂にふりわけてるだけだもんね、きっと」
【かかあ】「露天でにごり湯、さいっこーねー。
川がすぐそば流れてて、目隠しの木々の緑も鮮やかで……(ほーっと伸びをしながらの息)――
あったまるだけじゃなく、くつろぐわー」
【かかあ】「こういうの、岩風呂っていうのでいいのかな? 天然石でごつごつごつって囲まれてるのも風情よね~。
……(ゆったりとした呼吸*8)。おひさまもまだ残ってるし、全身ほんとにぽかぽかする~……これはやすらぐわね~ しあわせだわね~~……(安堵の吐息)」
【かかあ】「それに……音も。
(一分ほど、リラックスして湯につかりながら周囲の音に耳を澄ませる)――綺麗で静かで、ほんっと、落ち着く。鉄道の歴史に感謝だわ。(呼吸音)(呼吸音)」
【かかあ】「ああ、だって。もしも一番最初から、鉄道が電車ではじまってたなら、乗務のとき、あたしたちレイルロオドって、ほとんど汚れないでしょう?」
【かかあ】「そしたら、車体とかと同じで。自動洗車機とかデッキブラシとかでお湯と洗剤ざぶざぶかけられて洗われてた――そんな可能性だってあったわけじゃない。多分、かなりの高確率で」
【かかあ】「だけど、鉄道――少なくとも近代産業としての鉄道の歴史は、蒸気機関、蒸気機関車とともにはじまったから。ごく初期のレイルロオドは防汚(ぼうお)――すす汚れを付着させない表面加工技術も未成熟で、乗務のたびに、真っ黒に汚れちゃってたって話だから」
【かかあ】「そのおかげで、詠国とかのレイルロオドは乗務の後のシャワーが。日ノ本のレイルロオドでは、乗務のあとの入浴がごくあたりまえのことになって、防水処理も完璧なレベルでほどこされるようになった」
;SE 手で体に水をかける(ちゃぷ)
【かかあ】「(ほっとした吐息)――そんな歴史がなかったら、あたしみたいな電車レイルロオドがこうして温泉につかるだなんて……絶対にありえなかっただろうって思うのよ、あたしは。
『漏電の危険が~』とかきっと言われてさ、湯船ののーんびりつかるだなんて、できなかっただろうなぁ、って」
【かかあ】「女湯いま貸切状態だから、ほーんとのびのび。
知らない誰かとお話するのも楽しいけどさ、貸し切りも貸し切りでいいものね。
ふふっ、こうして旦那と敷居越しにお話できるし……あ。」
【かかあ】「(少しはにかむような呼吸音*6)……ね、旦那。そっちって、男風呂って、誰かいる?」
;やや声をひそめて
【かかあ】「もしも誰もいないならさ。あたし旦那の背中流しにいってあげてもいいかなぁ、とか……
(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――あはは、冗談冗談!」
【かかあ】「背中は流してあげられないけど、そのかわり。お風呂上がったら、休憩室で耳かきしてあげるから、期待しててね。あ、もちろん足が疲れてるなら、マッサージも……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――」
【かかあ】「マッサージ機。足の裏のマッサージ機? やだ、そんな面白そうなのが、休憩室に置いてあったの?
あらまぁあたし、完全に見逃しちゃってたみたい」
【かかあ】「(マッサージ機なんておばさんくさいと思いうので平静を装う呼吸から、足が疲れてるし新しい機械に興味あるし、やっぱり試したくて仕方なくて我慢できなくなるまでを、16呼吸程度でお願いします)――っ!!!」
;SE 女湯:湯からあがる ざばぁ
【かかあ】「旦那! えと、あたし――ちょっと湯あたりしちゃいそうな感じしてきたから、先にあがって休憩室で待ってるわね、うん。旦那はゆっくりあったまってからあがって? あたし、そしたら耳かきするから」
;SE 女湯:濡れた足音遠ざかる→ガラリ戸開く、閉まる (衣擦れ?)
;SE 湯おけ、カポーン!!!
;F.O. 環境音 露天風呂
;F.I. 環境音 足裏マッサージ機
;9/前遠→;1/前→;7/左
【かかあ】「(マッサージ機に陶然としているうめき声。”あああああああ”とか。30秒ほど)――ふえっ!?」
;7/左
【かかあ】「あ、ああ。旦那もあがったのね。いいお湯だった――んひっ――あっ――くううううううっ」
【かかあ】「あ、ごめん、へんな声でて――くっっ――こ、これ――ん~~っ――あ、足裏、マッサージ、機っ――」
【かかあ】「これ……あたしのツボに刺さりまくって――くふっ! なんだか、めちゃくちゃ――効いてる、のっ――
んっ――足の裏から――ネジ、を、ゆるゆる――一本、一本――ゆるめ、られてる、みたいな、感じで――はふっ!」
【かかあ】「ん……。だ、旦那も――ためし――ためし、て――みて――……(荒い呼吸音)――で……はうっ。
1セット――終わって――それ、から――耳、かきっ――~~~~っ!!」
【かかあ】「(足マッサージ機にもみほぐされまくるニュアンスと呼吸音。たっぷり2分ほど)」
;環境音 足マッサージ機、F.O
;環境音 室内空調(休憩室)F.I
【かかあ】「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ――あうっ――お水、お水――お水っ」
;SE ペットボトルあけ
【かかあ】「(んくっ! ごくっ! ごくっ! ぷあっ!!!)」
;脱力モード
【かかあ】「あー、ヤバかった――(長い吐息)。
いや、足裏ってすごいのね。今度あたし覚えて旦那にもしてあげる。
めちゃくちゃ癒やされるしほぐされるもの」
【かかあ】「ま、まだやり方とかツボとか全然わかんないから?
いまのあたしにできること」
;7/左 (接近囁き)
【かかあ】「(ふーーーーーーーーーっ) んふふっ。
ゆっくりたっぷり丁寧に、お耳の掃除してあげるから――癒やされて、ほぐされてくれたらうれしいな」
;環境音 F.O.