1.女騎士との日常
ーM︵玄関ドアを開ける音︶
あ︑お帰りなさい︒
今日もお勤めご苦労様でした︒
あの…… 夕食なんですが…… また失敗してしまって…… ︒
本当に申し訳ありません︒︒
キッチンの使い方にはもう慣れているんです︒
でも︑わたしこれまで料理なんて全然やってこなかったものですから…… ︒
次はうまくいくような気がします︒
こんな時間ですし︑あなたも空腹であることは承知しているのですが︑
もうお時間をください︒
…… はあ︑デマエ?ですか?
なんですかそれは?
食事をを持ってきてくれるのですか…… ︒
そんな便利なお店ががあるんですね︑この世界には︒
しかもそれだけではなくここまで届けてくれるとは︑
さぞ親切な御仁が営んでいるのでしょうね︒
それでどのように連絡をするのでしょう?
すまほ︑ですか︒
そのすまほというのはなんでもできるんですね︒
試しにわたしが操作してもよろしいでしょうか?
少しその機械に興味があって…… ありがとうございます︒
どこを押せば…… ここ︑ですか︒
おおっ…… これはっ…… すごいですね︒
おいしそうなお料理がたくさん並んでます︒
どれも食べたことのないものばかりで…… これはなんですか?
かれー…… ですか︑どんな味かわかりませんがとても興味をそそられます︒
あ︑すみません︒
わたしとしたことが初めて見るものを前にはしゃいでいしまいました︒
あなたが決めることですよね︒
わたしはこのお家にお世話になっている身ですから︑出すぎたマネをしてしまいました︒
…… かれーでいいんですか?
ありがとうございます︒
…… あとはここを押せば来るんですね︑楽しみです︒
それでは︑晩御飯を持ってきてもらっている間ににどうぞお風呂に入っていてください︒
お風呂はちゃんと沸かせていますのでご安心を︒
ボタン1つでお湯が沸くんですから︑慣れていないわたしでも失敗はしていません︒
わたしは台所の片付けがまだ残っているので︑どうぞごゆっくりなさってください︒
ーM︵主人公を風呂に向かう足音︶
どのくらいでかれーは来るのでしょうか︒
わたしもお腹が空いてしまいました︒
その前に綺麗にしないと…… お城のメイドさんたちは毎日こんな大変なことをしてたんですね︒
もっと普段から感謝を伝えなければなりませんでした︒
元の世界に戻ったらちゃんとお礼を言わないいけませんね︒
ーM︵主人公が戻ってくる足音︶
もうお風呂から上がった︑というわけはないですよね…… ︒
どうしました?
せんたくき…… ?
…… ああっ︑申し訳ありません!
取り出して外に干すのをすっかり忘れていました︒
これだけ放置していたら洗い直さなくてはいけませんよね…… ︒
夕飯の用意も洗濯も満足に出来なくて本当にすみません…… ︒