■トラック6 手入れが大事。爪切りお世話!
//ダミーヘッド位置・1(正面・近い)
【座敷わらし】
「う、うーん悩むのじゃ……お世話……あんなことやそんなこと……えへへ……」
【座敷わらし】
「お主はぁ……何か……儂にやってほしいこととか無いのか……?
その……儂は結構大体なんでもおーけいしてしまう座敷わらしなんじゃが……」
【座敷わらし】
「って……お主、随分爪が伸びとるのう。
こら、ダメじゃろうが。爪はこまめに切らんと、危ないじゃろ」
【座敷わらし】
「もぉ……しょうがない子じゃ。ちょっと待っておれ」
//SE 足音 パタパタと駆ける
//ダミーヘッド位置・13(後ろ・遠い)
【座敷わらし】
「ええと……爪切り……爪切り……どこにあったかなぁ…………あった!」
//ダミーヘッド位置・10(斜め右前・遠い)
【座敷わらし】
「……手より先に、足からにするかの。ほら、足貸して」
【座敷わらし】
「…………わぁ! また、大きな足じゃのう。儂の二倍ぐらいはありそうじゃ?
じゃー、左足の……小指の爪から切っていこうかの?」
【座敷わらし】
「角を切ってから……短くする感じが良いよのう。
深爪しすぎないように気をつけるけど、痛かったら言ってな」
//SE 爪切り(ゆっくり)
【座敷わらし】
「……パチン。……………………パチン。……こんな感じで大丈夫か?
くすぐったくはない? ……ふふ、そうかそうか」
【座敷わらし】
「パチン。…………………………パチン。人から爪を切ってもらうの、久しぶりじゃろ?
まあ、小さい頃、家族にやってもらった事ぐらいはあるだろうが……」
【座敷わらし】
「お主ももう大人じゃもの。ちゃんとせんと、ダメよ?
まあ、儂に言ったらいつでも甘えさせてやるがの」
//ダミーヘッド位置・16(斜め左前・遠い)
【座敷わらし】
「はい、次こっちの足な」
【座敷わらし】
「……パチン。……………………パチン……♪」
【座敷わらし】
「ん? なんでこんなに熱心に世話されとるか分からん?
まあ……マッサージ屋の仕事にしては行き過ぎとるか」
//SE ストップ
【座敷わらし】
「んー……言って良いのか……まあいいか……」
【座敷わらし】
「この夢月亭のお客は、ホントは儂の方なんじゃ」
【座敷わらし】
「今どき、妖怪や悪魔なんぞの肩身は狭くてのー。
伴侶を作るのも大変で……」
//SE 爪切り再開
【座敷わらし】
「……夢月亭に依頼すると、自分の一番理想的な人間の男の子を紹介して貰えるんじゃ。
人間にはマッサージと偽ってー……妖怪側は、本当に理想通りかを確かめる……」
【座敷わらし】
「ぱちん♪ はい、足の爪はキレイになった」
//SE 停止
//ダミーヘッド位置・7(左・近い)
【座敷わらし】
「はい、左手貸して? んー、やっぱり伸びとるなぁ。
じゃあ、切ってくぞ」
//SE 爪切り
【座敷わらし】
「ぱちん……ぱちん………………まぁ、というわけで…………。
儂がお主の世話を、熱心に焼いとるのはー」
【座敷わらし】
「お主が、儂の理想の男の子じゃからじゃよ?」
【座敷わらし】
「……そんな、顔を赤くして照れるな。儂まで照れるじゃろ」
【座敷わらし】
「ぱちん………………………………ぱちん……………………ぱちん………………ぱちん……」
【座敷わらし】
「…………てゆうか……あのな? ……儂は照れておる。
今の殆ど告白じゃもの……うぅ……照れ照れじゃぁ……」
//SE ストップ
【座敷わらし】
「……はい、こっちの爪……おしまい」
//ダミーヘッド位置・3(右・近い)
【座敷わらし】
「右手の爪…………切る…………」
【座敷わらし】
「ぱちん………………ぱちん………………」
【座敷わらし】
「…………じゃからの?」
【座敷わらし】
「儂としては…………お友達からと言うか…………いや別に、ひとっ飛びしても良いんじゃけど……。
急に言われても困るじゃろうし…………その……お近づきになれたらなー……と思う……」
【座敷わらし】
「今日、お主のお世話して……もう、見事に儂の理想通りだったんじゃ……。
反応とか、表情とか……もうな……ドすとらいくというやつでな……?」
【座敷わらし】
「ぱちん………………ぱちん………………」
//SE ストップ
【座敷わらし】
「ちなみに、本当は……この『マッサージ』は最後までして良いと言われてての」
【座敷わらし】
「最後というのは……まあ、まぐわいの事じゃ。
ほら……体の相性も……理想通りという話じゃでの……。確かめて良いらしくてな……?」
【座敷わらし】
「その……だから……爪切りも終わったし…………」
//SE 衣擦れの音
//声 ささやき
【座敷わらし】
「確かめるだけ…………確かめてみぬか…………?」