錦あすみとの関係
「先輩? お久しぶりですね」
「え? そんなに時間は経ってないって? えへへ、そうですね。そうかも知れません」
「でも私にとっては、先輩に会えない時間は、とても長く感じていました。ハッキリ言って、寂しかったです。一日千秋……というやつですね」
「え、あ、そ、そうですね……どのくらい寂しかったか……えっと、肉まんが喉を通らない、くらいですかね……?」
「あ、ち、ちがうんです! せ、先輩のせいじゃなくて……!」
「私がその……勝手に寂しがってしまったので… …」
「だ、大丈夫です! 今日は先輩に会えるということだったので、もう、沢山食べて来ました… …!」
「それに、先輩とこうしてお話できて、元気いっぱいです! 今なら、ドームを占拠できてしまいそうな気がします!」
「そうですね……あの文化祭から、随分経ったような、殆ど時間が経っていないような……そんな不思議な気持ちです」
「先輩にとってはどうですか? きっと、いろんな感じ方があったんじゃないかな、なんて思っています!」
「今日は、その文化祭から時間が経ったいつか」
「あったかもしれない未来の、可能性のお話です」
「先輩と一緒におうちで過ごしたり、お泊りしたり、動画のための練習に付き合って貰ったり…… そんな幸せな時間のお話です」
「これは私と先輩が出会って、一緒に文化祭を乗り越えたあとのお話です。なので、先に私達の大切なお話を知ってから、今日のお話を聞いてください」
「じゃないと、先輩、めっ!です」
「あ、あと……」
「こうやって、先輩のお耳にささやくので、イヤホンや、ヘッドホンで聞いてくださいね」
「このASMR は、先輩専用です。配信では、絶対聞けません」
「それでは、せんぱい?」
「よろしくお願いします」