ばっちり見ちゃいました、先輩♪
は~い、決定的瞬間、ばっちり撮っちゃいましたよ~先輩♪
ピアスやカラーリングをやめるどころか、学校の敷地内で煙草を吸っちゃうなんて…
こんなのがばれたら、流石に退学は免れないんじゃないですかねぇ?
…くすくす。だから言ったじゃないですか。中途半端にしていると、取り返しのつかない事態になるって。
大方、私に半端だって突っ込まれて焦ったんでしょう?
それで思いついたのが、煙草ですか。ふふ、どうやって手に入れたんですか、それ。
お父さんからくすねてきたとか?
…ねぇ、先輩? 何か言ってくださいよ。そんなに青ざめた顔して、どうしたんですか?
ほらほら、いつもみたいに悪ぶってくださいよぉ、ふふ、ふふふふっ…
…この写真、先生に見せたら困りますか?
普通なら困りますよねぇ。学校を退学させられたーなんてなったら、親御さんになんて言われるか…世間にどういう目で見られるか…
でも、先輩が本物の不良だっていうなら、そんなこと気にしませんよねぇ?
たかが学校を退学させられるくらい…むしろ、自分を縛るものがなくなって清々するんじゃないですか?
これで晴れて自由の身…先輩は自分の思うがままの人生を謳歌できるわけです。
…さて。先輩? もう一回だけ訊きますね。
この写真、先生に見せたら、先輩は困りますか? 見せないでほしいですか?
……ふふっ。だから先輩は中途半端なんですよ。
わかりました。この写真は私だけの秘密にしてあげます。
ただし、もちろん条件があります。わかりますよね? これからはちゃんと、校則は守ってください。素行の悪さも正してください。
…まぁつまり、真面目な生徒になってくださいということです。いいですね?
…はい、いいお返事です♪
…それと、もう一つあります。
ふふ、そんなに身構えないでください。大したことじゃありませんから。
今日の放課後、風紀委員室に来てください。
あぁ、ご安心を。今日の放課後は委員活動はないので、教室には誰もいないはずですから。
先輩と私の二人きり…今後のことを、ゆっくりと話し合いましょう? ふふふっ。
じゃあ、先輩。そういうことで。
…絶対に、来てくださいね? ふふ。