Track 1

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こんな山奥に温泉があるのですか?

あ…。こ、こんにちはっ。 (男:こんにちは) あの…失礼ですが、どちら様でしょうか? ここは、私有地ですので…勝手に入られますと、その…。 (男、名乗る) え、お隣の…? あの、もしかして、このあたりはもう山の東側になるのでしょうか? (男:東ですね) っ、す、すみません。 私、散歩をしているうちに、いつの間にか自分の敷地を出てしまっていたようです。 勝手に入ってきてしまい、申し訳ありませんっ。 (男:大丈夫ですよ) …ありがとうございます。 お隣さんが優しいかたでよかったです。 あ、申し遅れましたが、私は纐纈(こうけつ)かなでと申します。 私のうちの別荘が、この山の西側にありまして、 そちらの方から散歩で歩いてきたのです。 たしか、大まかに言って、山の西側が私の家の所有地で、 東側は貴方の家の所有地なんでしたよね…? (男:そうですね) ですよね。 いつの間にか、東側まで来てしまっていたみたいです…。 (男:遠かったのでは?) ? あ、はい、確かに少し遠かったですけど、大丈夫ですよ。 この山って、山道に沿って歩く分には迷うこともないですし、 危険な動物も住んでいませんし、散歩にはとてもいいんです。 そんなに大きな山でもないですしね。 ところで…貴方は、どちらかに向かう途中だったのですか? 山道を歩くには、その…ずいぶんと身軽な格好をされているように見えますが…。 (男:荷物は近くの山小屋に置いてきた。これから温泉に行く) なるほど、近くに山小屋があるんですね。 そこに荷物を置いて、近くの温泉に向かうと…。 え、温泉!? こんな山奥に温泉があるのですか? (男:ある。個人的なものだけど) あぁ、一般のお客さんが来るようなお店ではないんですね。 (男、温泉の説明) …へぇぇ…温泉が自然に湧き出しているところが、元々あったのですね。 そこを、貴方のお爺さまが見つけて、手作業で、入りやすいように整えたと…。 一人で作られたなんて、すごいです! 趣味の温泉だなんて、なんだかあこがれますねぇ。 …あのぉ、ご迷惑じゃなければ、私もその温泉までついて行ってもいいですか? どんなものなのか、気になっちゃって…。少し見たら帰りますので。 構わないでしょうか…? (男:いいよ) ほんとですかっ? ありがとうございますっ。 では、早速向かいましょう! (男、温泉はこっちだよ、と指差す) え、なんですか? あ、そちらですか、すみません。 えへへ…。では、気を取り直して、行きましょうっ。

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