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やっと終わった~。
やっと部活の時間~!
えへへ、じゃあまた明日ねっ……え、何?
早く部室行きたいんだから……えぇ、そうよ。
兄さんがいるからに決まって……ぁ。
ん、コホン。
いっぱい練習して上手になって“先生”を喜ばせてあげないといけないでしょう?
私、パートリーダーだから後輩の面倒もみてあげないといけないし……えぇそう、クラリネット。
えへへ、ありがとう。
そうなのっ、みんなが上手になれば兄さんも喜んでくれ……コホン。
だ、だから先生がね?
あぁもう何よ~、しょうがないじゃない、先生になったって言っても。
兄さんは兄さんなんだからぁ……うぅ……あ、そう?
羨ましいかな、やっぱり。
えへへ、そうよね、いいでしょ~♪
もちろん、自慢の兄さんなんだから……えぇそう、大好きよ?
えぇ?
何で嫌いにならなくっちゃいけないの?
だって兄妹なんだし……だから?
意味が分からないわ。
兄妹は仲が良くて当たり前でしょう?
有希ちゃんもお兄さんと仲良く……。
そ、そう?
私はお会いしたことがないから分からないけれど……あまり酷いことは言わない方がいいと思うの。
悪い言葉を口にすると、いつかそれが自分の身に帰って来てしまうから。
有希ちゃんのお兄さんにもきっといい所があるわ。
幼い頃からずっと嫌いだったワケではないでしょう?
お兄さんの素敵な所を思い出して、それを話してあげたらどうかしら。
良い所を語りかけられて嫌な思いになったりはしないものでしょう?
そうそう、褒めてあげるの。
お兄さんだけではなくて、例えば部の後輩さんとかも……そう、褒めて育てるの。
私はその方が好きよ。
兄さんもそうなの♪
えぇ……そうね、女生徒に人気があるのはいいことだと思うのだけれど、違うの?
えへへ、みんなに兄さんの素敵な所を知って欲しいわ。
はーい。
それじゃ、また明日ね。
有希ちゃんも部活頑張って。
えぇ、私は頑張りまくるわよ。
そして兄さんにい~っぱい褒めてもらうの♪
……今日こそ、ほっぺにチューしてもらうんだからっ。
先生、みんな帰りました。
あとは私たちだけです……ので、もう兄さんって呼んでも構いませんよね?
えぇ?
それはそうですけどもう2人きりですし……はぁい、けじめけじめ。
それで先生、今日は後片付けまだありますか?
ありませんよね♪
じゃあじゃあ、今日の私どうでしたか?
後輩の面倒、ちゃんと見れていたと思うんですけど……直ってましたよね。
先生がご指摘なさった箇所、ちゃんと私の指導で直って……はい、ありがとうございます♪
でしたら、お約束のご褒美を……もちろん、忘れてなんかいません。
私の頬に、キスを……。
子供っぽくなんてありませんよ?
私にとっては、これ以上ないくらい嬉しいご褒美です。
それとも先生は、頑張った生徒へのご褒美もくださらないんですか?
……ですよねぇ♪
では、ん~……んっ、ちゅっ!
きゃっ、やったぁ♪
兄さんのキッス、もらっちゃった!
このチャンスをうかがってました……えぇ?
いいじゃないですか、幼い頃にはもっと。
それは、私だってもう大人ですけど……だからといって、兄さんを好きな気持ちに変わりはありませんから。
頬でも唇でも、キスはキスでしょう?
ご褒美は、嬉しい方がいいですし。
えへへ……幼い頃以来の唇、兄さんとのキス……はい、とても嬉しいです。
不意打ちしてしまったのは謝りますけど……え、はい。
唇、好きです。
もちろん兄さん専用で……はい?
あ、兄さ……んっ、んむ、ちゅ、んむん!
ちゅ、ちゅむ、ちゅむちゅむ、んんっ、ちゅぷっ、んっふ、んむん!
んっ、んっ、んんっ……ん、んぅ、ちゅぷ、んっふ、んちゅ♪
ん~っぷはぁ!
はぁ、はぁはぁっ……に、兄さん?
どうしたんですか、そんな切なげな顔をなさらないでください。
えぇ、私は嬉しいですよ……ちゅっ!
兄さんとのキスですもの。
そういえば幼い頃も、今のように舌を絡めたことありますよね。
甘い記憶が戻るのも嬉しいです……えへへ、明日も頑張りますから、またキスしてくださいますか?
……はい、先生♪