◆パート4 添い寝
ふぅ……いっぱいもこもこしちゃいましたね。
もしかして、眠ってました?
もこもこ気持ちよさに気づいてしまったようですね。ふっふっふ、これもモコの努力の賜物ですね♪
えっ、もっともこもこされたい? あらあら、本当にもこもこの虜になっちゃったんですか?
けど今日はダメです。ほら、見てください……、あなたがウトウトしている間にもう夜も更けてこんな時間になっちゃいましたから、寝ましょう?
もう、ちゃーんと寝ないと駄目ですよ、睡眠は大事です。いっぱい癒されていっぱい睡眠することで心も身体も疲れがとれるんですから。
だから寝ないとだめですよっ、ね?
さ、電気を消しますよ……って、ベッドから出て何してるんですか。
自分は床で寝る……って本当に言ってるの? 床とか冷たいし風邪ひいちゃうよ……?
ほら、あなたもこっちに来て。一緒に寝ましょう?
ねえ、ひとりで寝ちゃうの?
ひとりだと寒いよ。
ほぉら……ねっ、一緒に寝よ?
うんうん、それがいいよ♪
こうして一緒に寝ると暖かいでしょ。
私も暖かいし、あなたも暖かい。これぞもこもこの神髄です。
ふふっ、暖かくて気持ちいいね♪
しっかり休んで、疲れが取れたら、元気になって、元気になれたらまた頑張れる。
あなたはいつも頑張りすぎなんですよ……。たまには頑張らなくてもいいじゃないですか。
折角今日はモコがいるんですから……今日ぐらいは私に頼ってもいいんですよ。
ぎゅっと抱きしめて、温もりを分けてあげることくらいしかできないけど……。
……しばらくこのままでいてあげます。
よしよし……なでなで……よしよし……なでなで……。
今までいっぱい辛かったですね……せめて今日ぐらいはそのことを忘れてあなたに静かな夜が訪れますように……。
よしよし……なでなで……よしよし……なでなで……。
ふふっ……その顔を見ていると今日モコは来て良かったなと思えます。気付いていないかもしれないですけど最初は結構酷い顔、してたんですよ?
そ、それは確かにいきなり部屋にお邪魔したのはモコですけど……それは今日のモコの活躍に免じて許してくださいっ、ふふっ♪
今日はなんだか長いようであっという間でしたね……どうして良い時間はすぐに過ぎてしまうんでしょう。
その、ありがとう……です。今日はモコと一緒にもこもこしてくれて、私ちゃんと使命が果たせている気がしてとっても嬉しかったんですよ。
これもあなたのおかげです、本当に感謝してます。
だからそのお礼も込めて頭、もう少しなでなでしてあげますね。
……。
そのまま寝ちゃっても、いいですよ。
……。
まだ、起きてる?
分かりました。じゃあ眠くなるまでもこもこしてあげる。
暖かい……、あなたも私に温もりを分けてくれてるんですね。
……。
温もりを感じると、ひとりじゃないんだって……安心できます……。
……。
体だけじゃなく、心までも温かくなる……。
……。
ぽかぽか、ぽかぽかって心の奥から温まるような感覚……。じんわり温まっていく……。
……。
とっても心地よくて……まるで夢のよう……。
……。
さあ、目を瞑って、そのまま何も考えないで……。
……。
呼吸する音を聞いてれば眠くなるから……。
……。
ゆっくり、ゆっくり呼吸をしていく……。
……。
このまま、おやすみなさい……。
……。