01【0687文字】妖精さんとの出会い_靴屋の小人と白雪姫
どうしたの? ねぇ、大丈夫?
よかった。意識はあるんだね。何があったのか教えてくれる?
あぁ……あれを食べちゃったんだ。
わかった。今助けるからね。
まずはゆっくり呼吸して。それから質問をするから
『はい』か『いいえ』で答えて。
あのキノコを食べてから、まだあまり時間は経っていないね?
OK。
食べた量は、あの、欠けてる部分だけで間違いないかな?
よかった。
うん。うん。わかったよ。ふふ。お腹がすいてたんだ。
それで、食べられるキノコと間違えて口に入れちゃったんだね。
だったら仕方ないよね。
状況はわかった。
もう大丈夫だよ。今、薬で毒を消すからね。
口まで運ぶよ。飲めるかな?
ふう。
これでもう大丈夫。よく頑張ったね。
少し横になっていようか。周りは私が見張ってるから。
うん?
私の、名前。
妖精さん。かな?
そう、妖精だよ。そう呼んで。
この通り、身体は機械なんだけど。
勇者として戦う、あなたのお手伝いをしに! ここまで飛んで来たんだ。
今まで一人でよく頑張ったね。でも、もう大丈夫。これからは私がいる。
私の本体は、ここから離れた所にいて。
この人形の動力にも限りがある。
だから、いつも一緒にいられる訳じゃないんだけど……今日みたいにあなたが困っている時は、必ず来る。
だから安心して。あなたはもう一人じゃないよ。
本当だよ。
怖かったね。辛かったよね。一人にさせてごめんね。
これからは、二人で頑張ろう?
あぁ……泣かないで。
心配しなくても、私はそばにいるから。
じゃあ。そろそろ日が暮れちゃうから出発しようか。
ここから二十分位の所に街がある。頑張ってそこまで歩こう。
できるよね。
大丈夫。私がついてる。
偉いね。
さぁ、行こう!