06【1865文字】秘密の関係になる
先生❤
おはようございます。朝からお会いできるなんて嬉しいです❤
今日から二学期ですね。
……先生?
あの。どうなされました。顔色が悪いですよ。
あの時よりひどいです。
何か、お困りの事でもあるんじゃありませんか。
すぐに保健室に行きましょう。
お付き合いしますから。
あっ!
ダメです。荷物下さい。……行きましょう!
先生。さぁ、着きましたよ。鍵お借りしますね。
とんでもないです。
やっぱりお熱があったんじゃありませんか。
保健の先生の許可もいただきましたし、今日はこのままお休みになって下さいね。
さあ、横になって。
あは。さぼっちゃいました。
だって、先生の方が大事ですし。
何もおかしな事はしてないんですから、堂々としていればいいんです。
二時間目からは出ますから。ご安心下さい。
あのね、先生。初めてお話しした日の事、覚えていますか?
プール授業から逃げようとしてる私に、先生は『共犯になろう』って言ってくれましたよね。
悪い事をしたのは私だけなのに。
先生はそんな私をかばって。
一緒に嘘をついてくれました。
嬉しかった……。
だから今日は勝手にお返しがしたかったんです。
呼ばれてなくてもついてきちゃった。
だって、体調悪い時にお一人でいるのって、辛いですよね?
もう少しだけここにいさせて下さい。
ふふ。だって、私は先生の生徒ですから❤
え?
うん? なんでしょうか?
……先生。それは、どういう意味ですか?
!
……いいえ。困ってなんかいません。困る訳、ないじゃありませんか。
先生だって、とっくにご存知のくせに。
私も、先生の事が大好きです。
初めて声をかけてくれたあの日から、ずっと。
先生は優しいから。
もう、自分でもどうしたらいいかわからないくらい好きになっちゃってるんですよ。
ご存知でしょう?
だから、何も心配しないで下さい。私はここにいます。
ああ、泣かないで。
先生。私たち、同じ気持ちなんです。
私、今、とても幸せです。
大丈夫ですよ。それは、言わなくていいです。
というか……私、本当は知ってるんです。
先生が体調を崩された理由。
とてもお悩みになっている事があるからですよね?
ごめんなさい。私、ここに来たの初めてじゃないんです。
何かおかしいと思いませんでしたか?
なんで私は、さっきから『先生には困り事がある』という前提で話しているんでしょう。
それから、どうして迷わず教師寮の先生の部屋まで来られたんでしょうね?
ええ、ご想像の通りです。二十八日だったかな。
ここに夜、一人で来たんです。先生の忘れ物を届けに。
はい。お会いできませんでした。
だって、先生はお取込み中でしたから。
いいえ。先生は部屋の中にいらっしゃいましたよ。
私、とても近くまで来ていたのに、先生は気づかなかったんです。
先生、ほとんど人のいない寮だからって油断しすぎです。
ダメですよ。あんな声出しちゃ。
……あの。ここまで言えば伝わりますよね?
はい。見つかったのが私だったからいいものの。
気を付けて下さいね。
怒る? まあ、心配にはなりましたけど。
大好きに決まってるじゃありませんか。
……それどころか、すごく嬉しかったんですよ。
だって。私の名前、呼んでましたよね。それも一度じゃない。
先生は、私の名前を呼びながら。このお部屋で……。
あははっ❤
ふふふ❤
それに、先生が悩んだ理由もわかりますよ。
私がそういう事を、すごく嫌っていると思っていたんですよね。
私、先生にたくさん心配をかけてしまいましたよね。
ごめんなさい。
でも大丈夫ですよ。もう何も心配しなくていいんです。
私たち、両想い。なんですから。
ちょっとくらいえっちな想像してくれたって構いません。
はい。こういう時、先生がお詫びをしないと気が済まないたちなのは存じ上げてます。
じゃあ、一つ聞いてもいいですか?
あの時、先生はスマホで何か見てらっしゃったと思うんですけど。
あれはなんだったんですか?
わかってますよ。先生が盗撮なんてするはずありません。
だから、余計気になったんです。
はい。
え? 見ていいんですか?
じゃあ、見ます、よ?
……先生が何をおっしゃりたいのかはわかりました。
私と同じタイプの子だから、大目に見ろって事ですね?
もう……❤
うわぁ、これ、よく集めましたね。
こういう漫画とかを見て。
先生は私とあれそれする想像を補強してたんですね?
……はぁ。
あの。前言撤回です。
やっぱり私怒ってます。
先生には罰として、もう一つお願いを聞いていただきます。
今後私でえっちな妄想をしたら、それがどんなものか、絶対に私に報告する事❤
だって私。先生の事もっと知りたいです。
今日から、先生の彼女になるんですから。ね❤