Track 2

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デア「お待たせしました。 さっそくですが、あなたの身体を綺麗に拭いていきます。 これから行う儀式は清潔な体で望まなくてはいけませんので」 モニカ「そうだよ~、体をピカピカにして~… 私も調合前にやるんだけど、素材を綺麗にしておけば事故も減るんだよね」 デ「…というわけでまずは顔を蒸しタオルで拭いていきます… 温度は… んぅ… これくらいなら大丈夫でしょう」 モ「あ、それじゃあ私は左腕の方をやっちゃおうかな」 デ「…大人しくしていてくださいね 下手に動くと目や口を突いてしまうので… その綺麗な顔を傷つけたくはないでしょう?」 モ「相変わらずお姉ちゃんは言い方怖いなぁ~ ほら、すっごい震えちゃってるじゃん」 デ「小刻みに震えているのは余計な力が入っている証拠… 可能であればもっとリラックスして欲しいものですが」 モ「そんな怖い言い方じゃ落ち着けないって むしろ優しく丁寧にやっていかなきゃ ほら、こうやって… 大丈夫だよー 怖くないからね あは、気持ちいいのかな? だんだん震えがおさまってきた…」 デ「本当ですね。 なら、腕はモニカに任せて私は顔、そして胴体をやっていきましょうか」 モ「オッケー!新品の素材みたいにピカピカにしちゃうんだから んしょ… 腕はぁ…手から腕…肩に向かって… んぅ…んん… 血の巡りが良くなるように、心臓へ向かって拭いていくのが効果的だね~」 デ「…顔は、目頭から目尻…額や鼻、口の周りといった汚れが付きやすい箇所を重点的に拭いていきます 寝起きですし、目やになどといった付着物が残りがちですからね」 モ「一通り拭いたあとは、タオルをかけて熱が逃げないようにしておくよー んしょっと… 今度は右腕の方をやっていこうっと こっちも同じように手の平…腕、肩…の順番で…」 デ「そうそう、言い忘れてたけど彼…垢が出やすい体質みたいなの。 耳垢とか前の日に掃除したのに、綿棒が凄く汚れちゃうんだから」 モ「へぇ、そうなんだぁ 錬金術でも人間の垢を素材に使う事あるし、提供してもらっちゃおうかなぁ」 デ「ふふ、良かったじゃない 私が言った通りだったでしょ? あなたの性質は錬金術師にも好まれるものだって… 嫌じゃなかったら、協力してあげたら?」 モ「んしょ…んん んぅ…はぁ… んん…ふぅ」 デ「顔のお掃除はこれくらいでいいでしょう 続けて身体の方を… まずは、蒸しタオルで上半身を覆うようにして… こうやってあらかじめ濡らしておくことで、石鹸での拭き掃除が効果的になりますから その間、用意していたもう一枚のタオルに石鹸を泡立てて… んん… ふぅ、これくらいでいいでしょう それではかけておいたタオルを外しますね 汚れが溜まりやすい鎖骨… そして乳房、脇の下…へそ周り… 円を描きながら、石鹸でごしごしと汚れを落としていきましょう んぅ…? 今、何か変な声が聴こえたような… 気のせいでしょうか?」 モ「いやいや、そんな訳ないじゃん 明らかに変な声聞こえたよねー?おにーさん♪ なんか「あっ」「あん」って女の子みたいな声だったよ もしかして~…乳首にタオルが当たって感じちゃってたとか?」 デ「あぁ…なるほど。 そういえば、あなたは感じやすい性質をしていましたね 確かによく見ると先ほどと比べて乳首がわずかに立っているような気が…?」 モ「あ、ほんとだぁ~♪ 泡に隠れてツンって自己主張してる ねぇねぇ、拭き掃除してるだけなのにさ~ なんでこんな乳首勃起させてんの? もしかして~…エッチな期待とかしてたりして えぇー、嘘だぁ~ じゃあさ、何でこんなエッチな声出してるのかなぁ~? つんつん…つん、つんっ♪あははっ」 デ「…モニカ、やめなさい。 今は余計な刺激を与えてはダメよ。 性的エネルギーがどう儀式に影響するか分からないんだから。 不確定要素はなるべく排除しなきゃ…」 モ「はーい。 確かにこれで失敗しておにーさんが爆発でもしちゃったらシャレになんないもんね ふふ、おにーさん…残念♪ でもぉ、あとでいーっぱい触ってあげるから、それまでの我慢だよ~?」 デ「あなたが感じるのは勝手ですが… それ以上の事を私たちはしないので、あしからず どうせこの儀式が終わればモニカが相手してくれますから んん… んぅ… さて、胸腹部の掃除はこれくらいにして… 腕と同じく、一度タオルをかけて熱を逃がさないようにしておきます」 モ「んしょ…んしょ… お姉ちゃん、私も両腕は終わったよー」 デ「ありがとうモニカ。 胸腹部についた石鹸を拭いていくから、少し待って?」 モ「オッケー、じゃあ…私もその間に腕にかけておいたタオルを外しておこうっと」 デ「…そろそろでしょうか それでは、付着した石鹸を拭きとっていきます んん… このままでは、この成分が儀式の邪魔をしかねませんからね 拭き残しがないようにしっかりと…丁寧に… んん…っ んっ、ぅん… ふぅ、これで大丈夫そうですね。 続けて、背中を拭いていきますので、横向きになってください」 モ「あ、お姉ちゃん。私も手伝うよ せーのっ… 背中にも同じようにまずは蒸しタオルをかけておくんだっけ」 デ「…そうよ。 こちら側も石鹸を使って拭いていくから んっ…んぅ…」 モ「おにーさん、どう?熱くない? ふふ、そっか♪ だったら、蒸しタオルを新しく作る必要はなさそうだね」 デ「モニカ、タオルはどけていいわよ。 用意が出来たから。」 モ「はーい」 デ「背面は中央を背骨に沿って縦に… んん…ぅ んんっ… それ以外は円を描きながら段々と下の方へっ… んっ…はぁ はぁ、はぁ… モニカ、一通り拭けたからタオルをかけてくれる?」 モ「うん、任せて はーい、おにーさん。 まだ仰向けになっちゃダメだからね~」 デ「仕上げに胸腹部と同じように蒸しタオルで付着した石鹸を拭きとっていきます んん… はぁ…はぁ… …これで、よし。 もう仰向けになって大丈夫ですよ。 次は、足の汚れを取っていくわけですが…」 モ「この器を使って足浴をやっていくんだよね?」 デ「ええ、そこにぬるま湯がポットに入っているから、そそいでもらえる?」 モ「はーい♪ …うーん、これくらいでいいのかなぁ? 私としてはもうちょっと熱い方が好みなんだけど。 …そうだっ。たしかポーチに溶岩石(ようがんせき)の欠片が入ってるから、足してみる…?」 デ「…ダメよ、モニカ。 そんなものを入れたら、一気に沸騰してしまうじゃない。 ぐつぐつ煮込んだ料理鍋に足を入れるのと同じ…肌が焼けただれてしまうわ」 モ「あ、そっか。 欠片でも結構な熱を含んでるから、危ないんだった。 急いでお風呂を沸かしたい時には使えるけど、それでも細石(さざれいし)にしなきゃだもんね~」 デ「そういうこと。 余計な事はしないで、そのままでいいから。 彼が温(ぬる)いって言うのなら、もう少し足してあげなさい?」 モ「どう?おにーさん? お湯の温度はちょうどいいかな? もうちょっと足してみる? ぅん… これくらいで… うん、少し熱くてもこうやって手でかき混ぜれば、少し温(ぬる)くなっていくし… んん… はぁ…はぁ…」 デ「…湯加減は大丈夫かしら? モニカは感覚でやる事が主(おも)だから、心配なのよね ぅん…はぁ… んん…っ まぁ、触ってみた感じだと大丈夫そうね。 しばらくは、お湯を足にかけたりしながら、リラックスしていきましょうか」 モ「ちゃぷ、ちゃぷ…ちゃぷ、ちゃぷ~♪ なんかこういう水遊びするの久し振りだから、楽しいかも」 デ「…確かにね。 水一つとっても、あまり時間をかけて見たり触れたりすることは減ってきていたし 聴こえてくる水音が気持ちを落ち着かせてくれる…。 んん…はぁ…」 モ「ふふ、こうやってお湯をいっぱいすくってから、かけたり~… ふぅ…はぁ…」 デ「こら、あまり勢い良くかけたら、飛び散っちゃうじゃない もっと優しくかけなさい」 モ「ごめんごめん~ んん…ちゃぷちゃぷ…ちゃぷ…」 デ「…さてと、お湯をかけるのはこれくらいにして。 私は石鹸で足を洗っていくわね まずは左足から… んん…っ 指と指の間にも泡が馴染むように… こういった場所には汚れが残りやすいですから」 モ「私はお姉ちゃんが洗っている間も、お湯かけしておいてあげる~」 デ「んん…はぁ んっ…ぅん ごし、ごし…ごし、ごし… 今度は反対側も… んん…ぅん はぁ…ん 指の間だけでなく、足の裏側も… 満遍なく綺麗にすることで、魂の質を高めていきましょう ん…ふぅ 身も心も汚れている人は、波動が低くなりがちなのと同じこと… そんな存在にあなたはなって欲しくないですから」 モ「へぇ~、お姉ちゃんがそんな事言うなんて… 結構気に入ってるんじゃん♪」 デ「…別に深い意味はありませんよ。 単純に私の生体サンプルである以上、彼にはそうあって欲しいだけです。」 モ「ふぅ~ん、まぁ別にいいけど♪ でも、そんな突っぱねるような態度取ってたら、おにーさんにホントの気持ち伝わらないよ?」 デ「…ふぅ、余計なお世話ね。 私はあなたとは違うの。私なりにも一応、彼にはしっかりと向き合っているつもり。 だから、こうして同居出来ているわけじゃない。」 モ「ホントかなぁ… お姉ちゃん結構、やりすぎな所もあるし… しかも相手を気に入ってる上でのことだから余計にね」 デ「そんなことないわ 決して人としての尊厳をなくすような扱いはしてませんから。 ねぇ?そうでしょう? …そうですよね? ほら、見なさい。 こんなに肯定してくれてるじゃない」 モ「あ、あはは… 完全に圧を飛ばしてた気がするんだけど…」 デ「くだらない話はおしまい。 足を洗うのは終わったから、一緒に水をかけて流しましょ?」 モ「はーい♪ ほら、おにーさん。足を浮かせたままでいてね~ んん…はぁ んっ…ぅん はぁ…んん んん…はぁ」 デ「…これで大まかな箇所の汚れは落ちましたね。 儀式の下準備は完了です。」 モ「おにーさんお疲れさま~ 何だかさっきより気持ち的にもスッキリしてるんじゃない? えへへ、良かったぁ♪ 調合もそうだけど、一人でやる事が多いから、二人でやるの楽しかったよ。 ね?おねーちゃん?」 デ「…ええ、おかげでスムーズに進める事が出来たし。 昔、一緒に死霊術(しりょうじゅつ)を試した時の事を思い出したわ。 …失敗しちゃったけど。」 モ「あー、懐かしいね。 ゾンビを召喚して操ろうとしたんだっけ? でも、バラバラのままで呼び出しちゃったから、怖くて逃げてきちゃったんだよね。 あの時のゾンビさん…今はどうしてるのかなぁ?」 デ「…さぁ。中途半端な術式だったし、翌日には消滅してると思うけど。」 モ「そっかそっか。 なら、良かった~♪ あ、昔の思い出話だから怖がらないで大丈夫だよ? 今はお姉ちゃんは立派なネクロマンサーだし。 いい感じにおにーさんが知らない世界を見せてくれると思うから、安心してね♪」 デ「…ふふ、今日も私の知識の糧(かて)になってくださいね。 どんな結果になるか…楽しみです」