■ track.1 私のだいだい、大好きなパパ!
「パパ~ !」
「も~ っ。遅いよ~ ! 今日は来てくれないかと思ったんだからぁ… 」
「やだ、離れないもん。もうすぐ日が暮れそうだし、
今日はあんまりいられないってことでしょ? 」
「だったら、パパがここにいる間は、
こうやってずーっとくっ付いてるっ! 」
「…狩りに行ってたの? パパが? 村の人たちに頼まれて…
そっか。そういえば、もうすぐ収穫の時期だもんね。」
「…ふふっ♪
パパって、みんなから頼りにされてるんだねっ。何だかパパも嬉しそう」
当たり前だよっ! 大好きな人が楽しそうな気持ちだと、私も嬉しいんだもん♪ 」
「――はっ!? ああ、でも…大変! 」
「パパが村の人気者なら…
…私の恋敵がたくさんいるのかも…! 」
「う、うう~ っ、パパが人気者なのは嬉しいけど…
私だけのパパじゃなくなっちゃうのはヤダ~ ! 」
「だって、パパがいてくれないと、私はひとりぼっちになっちゃうもん… 」
「ふふ、冗談だよ♪
「…ここで暮らすようになって、もう十年にはなるのかな? 」
「ひとりぼっちだった私をいままでずっと見守って、育ててくれたのはパパだもん。
パパがいなかったら… 」
「…きっと。ここまで大きくなれなかったよ。」
「種族は…違うかもしれない… 」
「でも、パパは私だけのパパだもんっ! この世でたったひとりの… 」
「私のだいだい、大好きなパパ! 」
「えー…。私がくっついてると、歩きづらいの? 」
「イーヤ、離れないもんっ♪ 」
「今日は日が暮れるまで、パパから離れないって決めてるんだもん。
ずーっと引っ付いてる」
「それから、それから…… 」
「私がどれだけパパの大好きなのか、たっぷり教えてあげるね。」