■ track.2 とってもいいことを思い付いちゃった! ( 耳ふぅー耳舐め)
「ねぇ、それでそれで! 」
「パパ、今日はなにして遊んでくれるの? 」
「そうだっ!。昨日ね、裏の山で、たっくさん山いちごがなっている場所を見つけたの。
お砂糖で煮詰めると、甘酸っぱくてとっても美味しいんだよ。」
「一緒に摘みにいこうっ! 」
「パパ? 行かないの…? 」
「…暗くなったら、危ないから? 」
「え~、つまんない。パパが一緒なんだから、危ないことなんてないよっ! 」
「私だって、その辺の獣相手なら大丈夫だもん」
「…せっかく山いちごを見つけたから、パパに見てもらいたいのに~ っ! 」
「むぅ…わかったよぉ。今日は我慢して、また今度にする。」
「でも、今度来るときはもっと早い時間に来てね。約束だよっ! 」
「それじゃ、代わりの遊び考えなくちゃね! 」
「よいしょ――っと。」
「わ、すご~いっ! 急に背中へ飛びついても、全然揺れない。」
「パパの背中、大きいね。すっごく頼もしいって感じがする… 」
「ふぅ~~~~ っ。」
「わわっ!? パパ、どうしちゃったの? 急にフラフラして」
「…あ、もしかして―― 」
「ふぅ~ っ。」
「びっくりしたぁ…パパ、大丈夫? 」
「あっ! もしかして―― 」
「ちゅる…ん、ちゅぱちゅっ…ちゅっ、ちゅ… 」
「あ、待ってよぅ! 」
「さては、パパ…耳が弱いんだ~? 」
「だってそうでしょ。」
「私が急に飛びついても、普段ならびくともしないのに、
ちょっと耳に息を吹きかけただけで尻餅ついちゃうし」
「いまだってこんな風に飛び上がっちゃうんだもんっ。」
「ふーん。そうなんだ。お耳をされると、力が入らなくなっちゃうんだ… 」
「力が入らないってことは… 」
「気持ちいいってことだよね! 」
「パパ、パパ! 私、とってもいいことを思い付いたの、ちょっとここに座って! 」
「早くっ、早くー! 」
「それから、私は―― 」
「パパの膝のうえっ! 」
「ちゅっ、ちゅちゅっ、ん…ちゅう…っ、ちゅっ」
「ふふ、どう? お耳、気持ちいいでしょ? 」
「こうしていれば、パパがまたびっくりして、尻餅つくこともないもんね。」
「こんどは、こっち… 」
「ちゅっ、ちゅちゅっ、ん……ちゅう……っ、ちゅっ。」
「今日は遅くまでお疲れさま、パパ。」
「来るのが遅いなんて言っちゃったけど、
村のみんなのためにがんばってるパパのこと、私、大好き… 」
「ちゅ、ちゅう…はぁはぁ、ん。ちゅっ、ちゅちゅ… 」
「ちゅう…っ、はぁ、ん。ちゅっ…っ。」
「パパがみんなに優しくするなら…ちゅっ、ちゅちゅう… 」
「…ん、私はパパに、とびっきり優しくしちゃうね…ちゅう、ちゅうっ。」
「だって―― 」
「私、パパが大好きだから… 」
「ちゅ…ちゅうっ、好きな人にはね、ちゅちゅう…
とびっくり優しくしたいの、ちゅ… 」
「ちゅっ、ん…はぁ、ちゅっ、パパは人間の中でも特別。」
「…好きっていうのは、本当の好き、だよ? 」
「パパのお嫁さんになりたいって意味の好き」
「私だって…ちゅっ、ちゅう、ちゅっ、ん…いつまでも、子供じゃないもん。」
「好き、にもいろんな意味があるのは…ちゅっ、ちゅう、知ってるよ。」
「でも、パパのは… 一番、大切な好き。
特別な、大好きだよ…ちゅっ、ちゅう…。」
「いつも、冗談みたいに聞いてるかもしれないけど…私は、本心で言ってるの。」
「私ね、パパのためなら…どんなことだってしていい。」
「なにをされたって、ぜんぶ受け入れたいって思ってるんだから。」
「…ね? いま言ったこと、本気だよ。ちゃんと、覚えててね… 」
「はぁむ…ちゅ、ちゅう…ちゅっ、ちゅう…ん、ちゅう。」
「パパぁ、やっぱりもう帰っちゃうの? 」
「もう少しだけ、一緒にいられない…? 」
「…そっか。パパは忙しいもんね… 」
「…夜も、見回りのお仕事してるって、前に言ってたし。」
「ねぇ、せめて山を下りる途中までついて行くのは…ダメ? 」
「ううっ…ぐすっ…わかった。」
「人里におりることは、私にとって、とーっても危ないことなんだって、
パパにいつも言われてることなんだし…。」
「わかった。パパの言いつけ、ちゃんと守るから。」
「約束した通り、ここからは絶対に出ないようにするから。」
「パパの言いつけはちゃんと守る。その代わり、今度はもっと早く会いに来てねっ! 」
「それから、もっともっと甘えさせてほしいな。わがままも聞いてほしい。
ちゃんといい子にしてるから…ね、いいでしょ? 」
「うん!、約束したらかね! 今度はもっとたくさん、私と遊んでね。」
「それじゃあね…バイバイ、またね… 」