トラック5
はい、垢も落とした事だし、次はお湯に浸かって体を温めましょうね?
[ちゃぷん…(湯に入る)]
ふ~…良い気持ちね~。
でも、二人で入るとちょっと狭いかしら?
お肌とお肌がぴったんこ。ふふ…
お湯加減はどう? 傷に染みない?
へっちゃら? そう…
でも、熱かったら言いなさいね。
お湯で傷を悪くすると元も子もないから…
[ちゃぷ…ぱちゃっ…(水音)]
ん…
おっぱい…好き?
だって、さっきから横目でチラチラ見るから…
視たいなら、もっとハッキリ見なさい。
こっそり覗き見する様なマネをすると、目にも汚れが溜まるわよ? ふふ…
大きいでしょ? お姉ちゃんのおっぱい。
でも、普段は重くて重くて…肩こっちゃう。
やっぱり、お湯の中に居ると楽チンね…
ぬっふ♪ 鼻の下伸ばしちゃって。
元気が出てきたかしら?
普段の悲しそうな顔が嘘みたい…
今日は…泣かないの?
いつもお風呂で泣いてるじゃない。
ううん、隠さなくて良いの。お姉ちゃん知ってる。
貴方の頬を伝って湯船に波紋を描く雫…
あれは確かに貴方の涙。心の内に溜まった不純物。
外では色々あるんでしょう?
苦しい事…辛い事…悲しい事…
目を背けて、耳をふさぎたくなる事ばかり…ふぅ…
でも、どんなに辛い事があっても…男の子って外で泣けないわよね?
周りが許してくれないと言うか、侮られると言うか…
泣きたい時に泣けないって…余計に泣きたくなるわね?
でも今なら、ここでなら泣いても構わない。
お風呂の中だもの。誰も見てない。笑わない。
心の汚れ、涙と共に体の中から洗い流しちゃいなさい…
【男の子、お姉さんの言葉に徐々に緊張の糸が切れ、肩を振るわせて泣く】
[ちゃぷん…(水滴)]
[ざばっ!(水音)]
ん…よしよし。
泣きなさい、思う存分。外で流す涙なんか無くなるくらいに…
どんなに涙を流しても、お風呂は全て受け止めてくれるから…
んふ…感じる。
貴方の頬を流れる雫、私の胸を伝って湯船の中に染み渡る…
この小さな体に抱えた辛さ、悲しみ…ここで拭い去っていきましょうね?
よしよし、よしよし…
すん…くんくん…貴方の頭、良い匂い。
石鹸やシャンプーの香りじゃない…お日様の暖かい匂い。
毎日、前向きに元気で過ごしてる証。
外で身に付くのは汚い物だけじゃないのね…
くんくん、すーん…は~…
あふっ☆ でも、胸元に髪の毛が当たって…
ちょっとくすぐったい、かな? んふふ…
あら、どうしたの? 何だか苦しそうだけど…
え? 胸が顔を埋めて…息が出来ない?
あらやだ、ごめんなさい!
そうよね? こんな大きな胸で強く抱きしめたら、息なんて出来っこないわよね?
あはははっ♪
は~あ…
うん…良い笑顔。
もう泣かなくて良いの?
そう…泣いた泣いた。沢山泣いた。
お風呂のお湯、少し増えたんじゃないかしら? …なんてね。
たまには思いっきり泣くのも良いでしょ?
心の支えが取れてスッキリする感じで…
あ、でも…下の方はスッキリしてない感じ。
また大きくなって、私の太腿に擦り寄ってきてる。
甘えん坊のおちんちんだ事…
こっちの子はまだ泣き足りないのかしら?
心の内の澱み、また改めて綺麗にしないといけないようね…