02 口臭も貴重なニオイ源
では、早速ですが始めましょう。
まずは…お顔の中で一番強い臭いを放つ所から…
【妖精、男の首の後ろに両手を回し、顔を寄せて唇にキスをし始める】
【キス(弱):唇同士が触れ合う軽いキス】 (10秒)
え? 何をって…
キスです。ご存知ですよね?
妖精は男性の臭いの強い部分に鼻や口を押し当て、くさみを直接体内に吸い取り、
それをそのまま妖精の国へ持ち帰るのです。
そして、臭いの素を体から排出して、くさみ製品の材料になる様に精製します。
排出方法は企業秘密。内緒です。ふふ…
さ、お兄さん。キスキス。
【キス(弱):唇同士が触れ合う軽いキス】 (20秒)
うわぁ…息、くさいです。
お口の中、まだお昼ごはんの匂いが残ってますね…すんすん…おほっ!
今日は一体、何を召し上がられたんでしょうか?
いえいえ、構いません。何を謝る必要がありますか。
くさいからこそ良いんです。口臭も貴重なニオイ源ですから。
歯を磨いた後なら無用です。キスなんかしてあげません。んちゅ…
お兄さんのお口、とってもくさいですよ。素敵です。
くさみを唾液に溶かし込んで、私の中に流し込んで下さい。
【キス(中):舌先を絡めるキス】 (20秒)
私…キス、上手ですか? んちゅ…
ヘタっぴじゃありませんか? むちゅ、ちゅぷ…
はい。実はこっちでくささを集めるお勤め、今回が初めてなんです。
だから自信が無くて…はむちゅ…んっ、ん…
向こうで妖精の先輩を相手に一生懸命練習しましたけど、本物の男の人に触れるのは初めて…
大きな手で肩を抱かれてるとドキドキしますね。自分の体の小ささを実感します。
いえ、痛くはないです。ちょっと力強さにびっくりしただけ…
手汗もすごいんですね? 肩が湿っぽいです。
新人妖精なので不慣れな点もあるかと思いますが、最後までよろしくお願いしますね。
お兄さんは私の記念すべき初めての人です。
【キス(中):舌先を絡めるキス】 (30秒)
口の中に男の人の潤いが…臭いが…次々と流れ込んでくる。
むじゅるる…んっ、んぐ…
ふは…素敵。頭がぽーっとします。
もっと…もっと私の奥に来て下さい…
【キス(強):舌を絡めたり、歯や歯茎を舐めあうディープキス】 (20秒)
ひゃふふ…くすぐったいです。
お兄さんの舌が私の舌をコチョコチョしてくる。
ぇあろ…れぉ…れおれるる…
キス…とても良いものですね。今まで知りませんでした。
くさみを集めるお勤めを忘れて没頭してしまいそう。
【キス(強):舌を絡めたり、歯や歯茎を舐めあうディープキス】 (40秒)
はふぅ…くさみが大分、吸い取られたせいでしょうか?
お兄さんのお口、臭わなくなってきました。
私のせいで、ちょっと良い匂いになっちゃって…ごめんなさい。
うわぁ…いつの間にか汗びっちょりですね? 上着が張り付いてます。
くんくん、くん…体からくさみが溢れ出てますよ。丁度いい熟成加減。
では、そろそろ上着を脱ぎましょうか? 体のくさみも頂きたいです。
周りの目なら気にしなくても大丈夫ですよ。
時を止めた今、このベンチはお兄さんと私、二人だけの貸切です。
【男、汗でへばりついたシャツを剥がす様に脱ぐ。妖精も手を添えて手伝う】
[ふぁささ…(衣擦れ)]
これが男の人のシャツ…
大きいです。私が着るとブカブカでしょうね。汗をたっぷり吸って重い…
すんすん…すんはー…くほっ! 臭いもすごい。
これ、お土産に持って帰りたいくらい…なんて。
いけませんよね。遅刻確実の午後からのお仕事、裸で戻ったら余計に叱られるだろうし。
ううん、それだけじゃ済まない。首になっちゃうかも。
臭いを集めて回る妖精に目を付けられたばかりに災難でしたね? ごめんなさい。
でも、お兄さんがこんなにクッサイイのがいけないんですよ? ふふ…