Track 2

【癒しのもみじ舟:船上茶会】

(川音:BGM) 本日は、もみじ舟をご利用いただきましておおきにありがとうございます♪ えぇと、 お客様…。 ウチの顔に何やついてますやろか? そんなにじっと見はったら…なんや照れてしまいます(笑)。 女性の船頭は珍しですか? 女将にそっくり? あぁ! よう言われます。 顔も声も女将そっくりやて。 世界には同じ顔の人が三人いる、いいますけど。 そういうことなんですかね…。 それとも、 実は…ウチが、女将の娘やからですかね?(笑) え、 親娘に見えない? 姉妹に見える? ふふ。 それは、女将が聞いたら、喜んでしまうかもですね(笑)。 言うときます♪ あらためて、お初にお目にかかります、 ウチは、女将の一人娘の、百合野むつみ、申します。よろしゅうお願いいたします。 普段は女将修行をさせていただいてますのやけど、 たまに、こうして、もみじ舟でお客様のご案内もさせてていただいてます。 この季節の紅葉は見応えありますしね☆ ぁっ、 これは女将にはオフレコ…、内緒でお願いします(笑)。 それでは、出発しましょうか。 ちなみに、 お客様は、舟には乗らはったことあります? もしかして…、 乗るのが日常な…漁師さんやったりします?? そやったら、逆にびっくりですがっ。 それで、何が言いたいんか、いいますと、 舟は少し揺れますので、あらかじめご了承ください、いうことです♪ ほな、 維新の志士たちも愛でた百合野の秋の景観、おんなしように楽しみに出発しましょう♪ (舟漕ぎ:BGM) 乗り心地はいかがですか? 問題…ありませんか? そーやったら良かったです♪ (BGM) それにしたかて、 天気もええし、 風も強(つよ)ないし、 絶好のもみじ舟日和ですね。 (BGM) もう…すぐ。 あの大きい曲がった川の流れの先。 あそこまでいくと、 一気に視界が開けて、 百合野の紅葉が飛び込んで来るんですよ。 やー。 見とおくれやす。 今年の紅葉は、一段と見応えありますねぇ…。 川の両岸から迫る、燃えるような紅葉っ。 百合野の間から見んのとはまた違う迫力ありますねぇ? しかも、川面にも映った紅葉が、油絵みたいん美しい…。 まるで、絵画。 見とるだけで、圧倒的。 吸い込まれそうな世界…。 指定名勝も当然な、最高の景色。 とよう言うていただいてるんですよー♪ 素敵すぎやないですか…?♪ (舟漕ぎ:終) ここで船を休めまして、眺めを楽しんでいただきたい思います。 ささやかではございますが、お茶のご用意をさせていただきますので、 しばしごゆるりと紅葉をお楽しみください♪ (BGM) 本日のもみじ舟のお茶菓子は…、 こちらですっ。 この季節、ぎょうさんの人びとが訪れ愛でる、鮮やかな百合野の山々。 その紅葉が重なり合う様子を羊羹で表現してます。 雅な美しさをお菓子でも…♪ 上段は、寒天とお砂糖からできた透明の琥珀。 これを水面に見立てて、赤、黄、緑の鮮やかな紅葉を重ねて散らしたものを封じ込めてます。下段は、あずきのみつ煮が粒のまま入った練り羊羹。 全部、百合野で取れた食材を使いまして、甘さ控えめにさせていただいてるんがポイントです。 どうぞ、眼(めぇ)とお口の両方で、 百合野の紅葉を味わって下さいませ♪ (BGM:FO) (羊羹実食:SE) やー、 ええお召し上がりっぷり♪ お口に合(お)うていただいたようで、 安心しました。 それから、 お茶になります、 羊羹に合うものを、こちらご用意さしていただきました。 香り高く、上質な渋みとコクのある、普通煎茶です。 (注ぐSE) さ、どうぞお召し上がりやす♪ (お茶実飲:SE) (BGM:FI) よかった。 お茶もお口に合(お)うていただいたご様子。 (鳥鳴き声:SE) ! この鳴き声は…カイツブリ。 あぁ、 向こう岸。 あそこにいますっ。 わからはります? カモ? いえいえ、そう見間違える人も多いんですけど、 実は全然ちゃう種類なんですー。 (SE) ね。 キリリリっ、ケレレレって。 カモとはぜんぜんちやう、特徴的な鳴き声♪ (SE) ほんでですね、 実は、カイツブリて、 歩くのが苦手なんです。 上手なんは潜る事。 潜るんは、なんと、飛ぶよりも、上手いくらい。 面白いですよねぇ。 (ちゃぽん) あぁ、 言うてる側から、潜ってしもた(笑)。 けど…、 ちょっとすると、 離れた場所にぽこっと浮き上がったり。 ほら、 あのへん。 あんな所に(笑)。 本当、見ててあきへん鳥さんです。 ウチはごっつい好きです♪ (鳴き声SE) (BGM:終)