【癒しのもみじ舟:船上茶会】
(川音:BGM)
本日は、もみじ舟をご利用いただきましておおきにありがとうございます♪
えぇと、
お客様…。
ウチの顔に何やついてますやろか?
そんなにじっと見はったら…なんや照れてしまいます(笑)。
女性の船頭は珍しですか?
女将にそっくり?
あぁ!
よう言われます。
顔も声も女将そっくりやて。
世界には同じ顔の人が三人いる、いいますけど。
そういうことなんですかね…。
それとも、
実は…ウチが、女将の娘やからですかね?(笑)
え、
親娘に見えない?
姉妹に見える?
ふふ。
それは、女将が聞いたら、喜んでしまうかもですね(笑)。
言うときます♪
あらためて、お初にお目にかかります、
ウチは、女将の一人娘の、百合野むつみ、申します。よろしゅうお願いいたします。
普段は女将修行をさせていただいてますのやけど、
たまに、こうして、もみじ舟でお客様のご案内もさせてていただいてます。
この季節の紅葉は見応えありますしね☆
ぁっ、
これは女将にはオフレコ…、内緒でお願いします(笑)。
それでは、出発しましょうか。
ちなみに、
お客様は、舟には乗らはったことあります?
もしかして…、
乗るのが日常な…漁師さんやったりします??
そやったら、逆にびっくりですがっ。
それで、何が言いたいんか、いいますと、
舟は少し揺れますので、あらかじめご了承ください、いうことです♪
ほな、
維新の志士たちも愛でた百合野の秋の景観、おんなしように楽しみに出発しましょう♪
(舟漕ぎ:BGM)
乗り心地はいかがですか?
問題…ありませんか?
そーやったら良かったです♪
(BGM)
それにしたかて、
天気もええし、
風も強(つよ)ないし、
絶好のもみじ舟日和ですね。
(BGM)
もう…すぐ。
あの大きい曲がった川の流れの先。
あそこまでいくと、
一気に視界が開けて、
百合野の紅葉が飛び込んで来るんですよ。
やー。
見とおくれやす。
今年の紅葉は、一段と見応えありますねぇ…。
川の両岸から迫る、燃えるような紅葉っ。
百合野の間から見んのとはまた違う迫力ありますねぇ?
しかも、川面にも映った紅葉が、油絵みたいん美しい…。
まるで、絵画。
見とるだけで、圧倒的。
吸い込まれそうな世界…。
指定名勝も当然な、最高の景色。
とよう言うていただいてるんですよー♪
素敵すぎやないですか…?♪
(舟漕ぎ:終)
ここで船を休めまして、眺めを楽しんでいただきたい思います。
ささやかではございますが、お茶のご用意をさせていただきますので、
しばしごゆるりと紅葉をお楽しみください♪
(BGM)
本日のもみじ舟のお茶菓子は…、
こちらですっ。
この季節、ぎょうさんの人びとが訪れ愛でる、鮮やかな百合野の山々。
その紅葉が重なり合う様子を羊羹で表現してます。
雅な美しさをお菓子でも…♪
上段は、寒天とお砂糖からできた透明の琥珀。
これを水面に見立てて、赤、黄、緑の鮮やかな紅葉を重ねて散らしたものを封じ込めてます。下段は、あずきのみつ煮が粒のまま入った練り羊羹。
全部、百合野で取れた食材を使いまして、甘さ控えめにさせていただいてるんがポイントです。
どうぞ、眼(めぇ)とお口の両方で、
百合野の紅葉を味わって下さいませ♪
(BGM:FO)
(羊羹実食:SE)
やー、
ええお召し上がりっぷり♪
お口に合(お)うていただいたようで、
安心しました。
それから、
お茶になります、
羊羹に合うものを、こちらご用意さしていただきました。
香り高く、上質な渋みとコクのある、普通煎茶です。
(注ぐSE)
さ、どうぞお召し上がりやす♪
(お茶実飲:SE)
(BGM:FI)
よかった。
お茶もお口に合(お)うていただいたご様子。
(鳥鳴き声:SE)
!
この鳴き声は…カイツブリ。
あぁ、
向こう岸。
あそこにいますっ。
わからはります?
カモ?
いえいえ、そう見間違える人も多いんですけど、
実は全然ちゃう種類なんですー。
(SE)
ね。
キリリリっ、ケレレレって。
カモとはぜんぜんちやう、特徴的な鳴き声♪
(SE)
ほんでですね、
実は、カイツブリて、
歩くのが苦手なんです。
上手なんは潜る事。
潜るんは、なんと、飛ぶよりも、上手いくらい。
面白いですよねぇ。
(ちゃぽん)
あぁ、
言うてる側から、潜ってしもた(笑)。
けど…、
ちょっとすると、
離れた場所にぽこっと浮き上がったり。
ほら、
あのへん。
あんな所に(笑)。
本当、見ててあきへん鳥さんです。
ウチはごっつい好きです♪
(鳴き声SE)
(BGM:終)