【女将と囲炉裏】
お客様、おかえりなさいませ。
こんな雪深い辺鄙(へんぴ)な民宿に、(情感を込め)ようこそいらっしゃいました。
心から歓迎いたします。
私、民宿雪月花の女将、芙蓉雪月花と申します。
家族で切り盛りしておりますので、一流旅館のようなおもてなしはできませんが、
真心をこめ、精一杯おもてなしさせていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。
ささ、
まずは広間にどうぞ。
雪の中、大変だったでしょう。
冷えた体には、囲炉裏が一番です。
すぐにお茶もお淹れいたしますね。
(足音@畳)
(囲炉裏BGM)
囲炉裏にあたると、体は勿論、心もほんわか。
芯まで温まります。
ちなみに、私、子供の頃、冷えた足先を直接火にあたるように投げ出して、
行儀が悪いと母に怒られたりしましたが、
良い感じに温まりますので、オススメでございます(笑)。
ところで、
お客様は、雪月花のような古民家に泊まるのは初めてですか?
天井のない広い空間。
大きな梁(はり)。
太い柱。
(沸騰BGM)
それらを見つめる目が、キラキラ輝いて少年のようでございます(笑)。
迫力がございますよね。
では、なぜ迫力があるのかといいますと…、
屋根に積もる雪の重量を支えため。
温暖化の影響で積雪量は年々減ってはいるのですが、
まだまだ、一夜で一メートルの積雪を越す日も珍しくなく、このくらいの梁と柱が必要なのでございます。
(沸騰BGM)
そんなお話をしている間に、お湯が沸きました。
使い慣らした鉄瓶で沸かしたお湯は、味が柔らかくなり、お茶はより美味しくなります。
ただ、特殊なミネラルを含んでるお茶だと、相性が合いませんので、
雪月花では、自家製の茶葉を用意して使っております。
(注ぐ:SE)
どうぞ、お召し上がり下さい。
お熱いので十分、ご注意下さいね。
(一口ずずず)
美味しい?
それはようございます♪
(熱々茶飲み:3分)
冷えたお体に温かいお茶、
これほど、落ち着くものはございせん。
どうぞ、ごゆるりと一服なさって下さい。
お部屋には、そのあと、ご案内させていただきますね。