Track 8

○トラック01b「彼女の日記01」

【乃菜花】 「日記……? 私、こんなの書いていたかしら?」 //――――――――――――――――――――――――――― 【乃菜花】 「今までと何も変わらないはずなのに、何かがおかしい。それがなんだかわからない」 【乃菜花】 「だから、文章を読んだり書いたりするのは苦手だけれど、日記を書いておくことにした」 【乃菜花】 「いつか読み返したら、何がおかしいのか、それがわかるかもしれないから」 【乃菜花】 「いつの間には、両親がサイコンしていた。サイコンって、離婚しなくちゃできないはずだよね? してないのにサイコンって、どういうこと……?」 【乃菜花】 「お父さんとお母さんがサイコンして、私に義弟(おとうと)ができた。一つしたの男の子。でも、ちょっとおじさんっぽいっていうか……あまり年下って感じがしないんだよね……」 【乃菜花】 「姉弟だからって、私達は一緒の部屋になった。狭くなるのはしかたないけれど、義弟が私を見る目が、なんだかすごく嫌な感じ」 【乃菜花】 「私、彼のことこんなふうに思っていたんだ……人を見る目がなかったのね」 【乃菜花】 「……今日は、とっても大切なことを、そして忘れていたことを『思いだした』」 【乃菜花】 「私と義弟は、恋人同士になったばかりだった」 【乃菜花】 「ずっと好きで、いつか彼と……そう思っていた夢が叶ったのに……」 【乃菜花】 「両親のサイコンで姉弟になって、周りには私達の関係は秘密にしていた……だから、忘れていたのかもしれない」 【乃菜花】 「でも、思いだしたから、これからは恋人らしいこと、たくさんできるよね♪」 【乃菜花】 「私ってば、こんな大切なこと忘れたなんて、ありえないわよね」 【乃菜花】 「はあ……よく、彼に嫌われなかったわね。今日は後でたっぷりご奉仕してあげようっと♪」